はじめに
本公演『⼣凪の街 桜の国』は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞を受賞した、こうの史代⽒(『この世界の片隅に』著者)によるコミックを原作に、2017年に初上演した作品です。私たちは戦争、特に原爆投下に関わる本作品を上演するにあたり、強い思いを持って公演に臨みました。
「原爆のもたらした惨劇を忘れない」
「戦争の時代を生きた人々の力強さを後世に伝えたい」——。
様々な思いを持つ中、脚本・演出の森岡利行を始めとする出演者及び制作スタッフ全員に共通していたのは「いつかは広島で」という思いでした。初演後もその思いを持ち続けながら、この作品を2019年、2021年と繰り返し上演し、作品を磨いてまいりました。
終戦から78年。2022年夏の段階で、被爆者数は12万人を切り、被爆者の平均年齢は84歳を超えました。原爆のことをほとんど知らないという世代もかなり増えています。そのような状況下でこの公演を続けていく中、私たちは「いつの時代も、どんな世代も、『広島のある⽇本』で⽣まれ育った私たち⽇本⼈は、平和について考え、意思表⽰してゆかねばならない」と感じるようになりました。
しかし、長期化する紛争やウクライナ侵攻など、平和への歩みはなかなか進んでいないのが現状です。悲しい歴史を持つ日本で暮らしているからこそ、他人事にせず関心を持ち続けることが必要であり、争いにはNOをきっぱりと示すことができるのです。広島は、平和へのメッセージをずっと発信し続けています。本公演を通して、私たちもメッセージを発信する一員になりたいと考えます。
最初は小さな劇団であった“STRAYDOG”ですが、これまでの活動を通して力をつけ、本年度に30周年を迎えました。作品を磨くことはもちろん、台本や演出、キャスティングなどにもこだわり、多くの公演を行うことで、劇団としての力を高めてまいりました。その結果、広島公演の開催が決定しました。
作品としても、劇団としても力をつけた現在、そして、コロナ禍も終わりを迎えようとしている2023年、広島の皆様、ひいては全国の皆様にこの公演を見ていただきたい。そして、私たちも広島の皆様と共に平和へのメッセージを発信していきたい。
そのような思いで、舞台『夕凪の街 桜の国』に臨みます。
この作品について
広島のある 日本のある この世界を愛する すべての人へ――
石川七波は、近頃の父の不審な行動をアヤシんでいた。ある日、「散歩に出る」と家を出た父を尾行してたどり着いたのは、東京から何百キロも離れた土地、広島だった!父は、広島で様々な人を訪ねてまわる。それは広島で被爆し、亡くなった姉・皆実を追悼する旅だった──昭和30年、人々は日常を取り戻しつつあるが街にも人にもまだ傷跡が残っていた。家族の多くを原爆で失った皆実は、淡々と日々を過ごす。ささやかな暮らし……淡い恋……一歩を踏み出そうとする彼女を苦しめる“原爆の記憶”……。現代と昭和を生きる二人の女性が、ヒロシマを舞台に魂を大きく震わせる。
©こうの史代/コアミックス
原作情報
『夕凪の街 桜の国【新装版】』(ゼノンコミックス/コアミックス)
著者:こうの史代 発売:コアミックス
原作は、大ヒット映画『この世界の片隅に』のこうの史代氏によるコミック。 第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞受賞、 2007年には佐々部清監督により、人気女優を起用し映画化もされています。 戦争とは、原爆とは、そして平和とは何だったのかを問う名作です。
脚本・演出は、映画『子猫の涙』(武田真治・広末涼子出演)、『女の子ものがたり』(深津絵里主演)など、強く生きる人物を鮮やかに映し出し、温かい人間模様を繊細に描いた作品を生み出してきた森岡利行が務めます。
公演概要
“STRAYDOG”30th Anniversary Produce 『夕凪の街 桜の国』
原作:こうの史代『夕凪の街 桜の国』(ゼノンコミックス/コアミックス)
脚本・演出:森岡利行
【広島】期間:2023年8月19日(土) 劇場:広島県民文化センター 多目的ホール
【東京】期間:2023年9月1日(金)~3日(日) 劇場:新国立劇場 小劇場
詳細は“STRAYDOG”ホームページにてご確認ください。
https://www.straydog.info/
資金の使い道
本公演はすでに準備や稽古へと進んでおりますが、現在の予算では、特に広島への交通費・宿泊費を確保することが難しく、今回クラウドファンディングを立ち上げるに至りました。
いただいたご支援は、キャストやスタッフの広島への交通費・宿泊費、CAMPFIRE手数料、リターン制作費、送料に使用させていただきます。
【脚本・演出 森岡利行より】
本作品を広島で上演するのは初めてです。初演は2017年でコロナ禍の前でした。上演するにあたって制作スタッフと一緒に広島を訪れました。
最初、宮島を観光し、平和資料館として残っている被爆した小学校を回って平和記念公園へ向かいました。一度、中学生の時に、祖父が愛媛県大三島在住で、亡くなる前に広島の大きな病院に入院していたので訪ねたことがありましたが、それ以来でした。
以前、ドキュメンタリーで漫才師の喜味こいし師匠が平和記念公園でインタビューを受けていた映像を見ました。志願兵として広島市で新兵教育を受けていた際、陸軍兵舎にて被爆し、崩壊した建物の下敷きとなり、七時間後に助け出された話をされていました。なのでいまだにその思い出が蘇るので資料館には入れないと。わたしたちも資料館に入って涙が止まらなくなりました。楽しく広島観光するつもりでしたが、衝撃を受けたわたしたちは無言で東京へ戻ったものです。
初演は広島の方にも観て頂き、「是非、広島で上演を」のお声を頂いておりましたが、その後、コロナ禍となり断念致しました。今回、満を持しての広島公演です。キャストやスタッフの中には偶然、広島出身の方もいらっしゃいます。何か縁のようなものを感じつつ、語り続けなければならないこの物語を、魂込めて上演させて頂きたいと思っています。
“STRAYDOG”主宰 森岡利行
【出演者より】
今回、広島が舞台の物語ということで、広島出身のわたしにとってはとても意味のある作品の主演。あまりにありがたいお話にいまだ実感が湧かず、演技経験も少ないので、不安や緊張も沢山ありますが、自分の中の"広島愛"だったり、幼い頃から原爆や戦争について沢山のことを学び、感じてきた自分にしか伝えられないものがあるはず。とそれだけを信じて大切に表現したいと思います。これまで物語を繋いできた歴代のキャストの皆さんからバトンを受け継いで、またこの先も語り継がれることを願って、全力でお届けします!
前回公演を観劇して、とても心に残っていた作品に次は参加することになるとは思ってもいなかったので、とても嬉しいです。どんな時代も人は心を動かしながら生活しているということを、たくさん考えながら作品に携われたらと思います。精一杯頑張ります!よろしくお願いします!
唯一の戦争被爆国として広島と長崎に投下された原子爆弾により20万人以上ともいわれる尊い命が失われました。78年たった今も苦しみ続けている方がたくさんいます。我々はこの悲惨な記憶を若い人達、世界中の人達に伝えていかなくてはなりません。そのために自分には何ができるかと考えた時、私はこの舞台に参加させていただくことにいたしました。真摯な気持ちで演じる覚悟です。我々の願いが観てくださったみなさんに少しでも届きますように。
『夕凪の街 桜の国』 を広島で上演できると聞いた時にはとても嬉しく思いました。
更に充実した旅公演になるようみなさまのお力添えと応援のほど、よろしくお願い致します!
自分の妻が広島出身でもあり、広島で公演出来る事を大変嬉しく思っています。コロナ禍で大きなダメージを受けたエンタメ業界を、これから盛り上げて行く為にも応援して下さる皆様のお力添えが必要です!演者一丸となり頑張って参りますので、ご協力お願い致します。
何やらきな臭い空気が漂う昨今、「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」と誓った我々は核の不条理を何度でも繰り返し訴えなければならぬと思うのです。どうぞご支援よろしくお願い致します。
学生時代まで、祖父母の家に帰省する際、毎年のように広島に立ち寄り、平和記念資料館や原爆ドームに通っていました。幼い頃から被爆者の方々の生の声も聞いてきました。僕の世代は、被爆者の方々の生の声を聞く事の出来た最後の世代だと思いますので、戦争という恐ろしい事実を風化させないために『伝えていく』義務があると思っています。沢山の方々が平和について考えるきっかけになるよう、全力でこの作品と、向き合います。
僕自身舞台出演は数年ぶりなので緊張しておりますが、それと同時にワクワクもしています。共演者の皆さんと素敵な作品になるよう頑張っていきますので、ぜひ劇場へ足をお運びください。最後まで応援の程よろしくお願い致します!
“STRAYDOG”さんの30th Anniversary、広島が舞台のお話で満を持しての広島公演。このタイミングでこの作品に出演出来ることとても嬉しく思います。教科書でしか知らない戦争、原爆。何となく非日常なものと考えてしまいます。ですが、これは現実に起こったことで現代に生きる私もしっかり受け止め、考え、この作品を通して平和ということを今一度考えたいと思っています。
この作品を届けられる環境に改めて感謝をして、たくさんの方に『夕凪の街 桜の国』を伝えられるように精一杯頑張ります!
『夕凪の街 桜の国』に出演させて頂けることを本当に嬉しく思います。森岡さん、スタッフさん、キャストの皆様とこの素敵な作品を紡ぎ、皆様にお届けできることが今からとても楽しみです。今回、この作品にてクラウドファンディングを行うことになりました!クラウドファンディングという形でこの素敵な作品を一緒に創って頂けたら幸いです。皆様と劇場でお会いできることを楽しみにしております!!
ストレイドッグ30周年記念公演に、光栄なことに『夕凪の街 桜の国』を東京、そして念願の広島公演に出演させていただくこととなりました。私はこの作品に初演と再演に2回出演し、いつかきっと広島の地でこの作品を上演するんだと森岡さんの言葉を聞いて同じように私も夢描いておりました。そして2019年から4年が経ち、四度目の再演にして夢が叶う直前まできました!今現代に生きる我々が今一度戦争と平和に目を向け、どのように映すか、芝居を通して何を通ずるかを真摯に向き合いたいと思います。
私は広島で生まれ育ちました。広島出身の役者として、いま私にできる事。不安定な世界情勢の現代へ、78年前に広島で起こった事実を風化させず伝え続けてゆく事。平和のために、自分は何をしたらいいかよく分からない。そんな人にも、まず広島に落とされた原爆の事を知ってほしい。広島の街の人々の事を知ってほしい。自分にはどこか関係のない事とするのではなく、先ず知り、そして一人ひとりが少しでも平和について真剣に考える事が大切ではないでしょうか。この舞台を観てくださった方々の心のど真ん中に、私たちの想いをちゃんと伝えられるよう魂を込めて演じますので、どうぞ応援をよろしくお願いします。
広島・長崎に原爆が投下され、今年で78年が経とうとしています。戦争を知らない世代が増えてきている今、かくいう私もその一人ですが、平和への願いを引き継ぎ、後世へ伝えていくことが私たちに必要なことだと考えています。この度、『夕凪の街 桜の国』を東京・広島で上演する運びとなりました。特に8月に広島で上演させていただくことは、とても意味のあることですので、身の引き締まる思いです。一人でも多くの方にこの作品を、そしてこの作品に宿る想いを届けるべく、大切に大切に演じたいと思います。皆さまどうぞ宜しくお願いいたします。
今回、この舞台に出演するにあたり、戦争そして歴史について改めて学ぶ機会を得ました。この作品と真摯に向き合い、ひとつひとつのセリフを大切にしていきたいと思います。日本に生まれ日本で育ち、周りの優しい方々、環境に恵まれ、幸せに暮らせていけることに日々感謝です。そして私自身、人生で初めて広島に行くのでとても楽しみです!初めてお会いできる遠方の方々、そしていつも応援してくださる方々に心温まる素敵な作品をお届けできるよう、全力で頑張ります‼︎
広島で生まれ育った私は戦争体験や被曝をされた方のお話しを直に聞いて学んできました。皆さん涙ながらに、本当は話したくないであろう辛い経験を語ってくださるのがとても心に残っています。しかし終戦から77年が経った今、経験談を直接聞くことが難しくなってきています。だからと言って風化させてはならない思いです。『夕凪の街 桜の国』、この作品を通して多くの方に伝えたい思いがあります。どうぞ宜しくお願いします。
ヒロシマで生きた人たち、生きている人たちが丁寧に描かれた原作を読ませていただき、ヒロシマでの出来事が、僕にとって「どこか歴史の教科書の1ページだったものから」グッと身近に感じられました。舞台上で生きる役者と共に、作品のメッセージを体験して頂くことで、これからの皆さまの毎日の中で、ふとした時に思い出し、足を止め、目の前の日常の"当たり前"について考えられる。そんなきっかけとして、心に残り続ける作品にするべく真摯に取り組んで参ります。
私は広島県で生まれ育ち、幼少の頃より原爆について学んできたため、凄惨な原爆、戦争の歴史を後世に語り継いでいかなければならないと考えております。そのため、この度、このような機会を頂けたことを光栄に思うと同時に、誠心誠意本作品と向き合い皆様にお届けしたいと思っておりますので、ぜひ劇場に足をお運びください。
広島には修学旅行で訪れたことが一度だけあります。平和学習としての意味が強く、広島で行った場所はお好み焼き屋さんと原爆資料館の二ヶ所のみ。事前学習をしてのぞんでいても実際に原爆資料館で目にした悲惨さは想像を超えて忘れられるものではありません。唯一の被爆国としての悲惨な記憶、広島に関わる方々の思いを伝えていく、この舞台の一員として自分のできる精一杯のことをして作品に携わっていきたいと思っております。
細やかな描写や繊細な台詞で描かれている原作が森岡利行さんの演出によってどう立体的になっていくのか、今から楽しみで仕方がないです!また、私にとって初めての広島公演や、新国立劇場での公演。新国立バレエ研修生として活動していた私にとってとても思入れのある劇場なのでとても楽しみです!皆様にも楽しんでいただけるよう誠心誠意作品と向き合っていきます!応援していただけると幸いです。
今、G7広島サミット等をきっかけに、メディアでも原爆や核戦争について取り上げられている中、"8月に広島で"この作品を上演する、そしてそれに携われることの意味を考えさせられます。被爆された方々の心に寄り添い、核廃絶への願い、そして平和への祈りを込めて舞台に立たせて頂きます。広島公演、東京公演共に、多くの方に観て頂きたい、心を揺さぶる作品です。素敵な舞台をお届け出来るよう気を引き締めて参ります。
様々な方が家族や友人、恋人、など自分の支えである、なくてはならない人やものがそれぞれにあると思います。私は、人の支えになったり、笑顔にしたりすることが、自分の幸せでもあります!それが私にとっては自分が生きている意味の一つなのかも知れません。『夕凪の街 桜の国』は、戦争や平和を考えるだけでなく、そんな風にそれぞれにとっての生きる意味や大切な存在を想うきっかけをきっとくれると思います。心を込めて、この作品をお届けします。
私は戦争を知らない世代です。原爆についても、どれだけ学んでも、本当の意味で理解することは出来ないのだと思います。それでも、その当時を知り、忘れないでいてほしいと願っている人たちの声を聞き、それを受け止め、より多くの人に届けるお手伝いはできると思います。悲しかった、辛かったこと、寂しかったこと…それでも幸せだと感じる瞬間が確かにあったこと。この『夕凪の街 桜の国』を通して、1人でも多くの人に伝えていきたいです。
この作品は原爆をテーマにした作品。いわゆる「戦争を知らない子供たち」がほとんどの今日で、原爆を知る機会を得ることはとても大切だと思います。そして、私はその原爆を伝える側として今回の舞台に関わらせていただけることをとても光栄に思います。広島公演を無事に成功させるためにもクラウドファンディングのご協力、宜しくお願いいたします。
この作品では、戦後に送られるそれぞれの日常の中で感じる戦争の痕跡を描いています。直接的な表現は少ないので、戦争ものの作品が苦手な方でも、世界観に入り込むことができる素敵な作品だなと感じています。広島のみなさんの思いを汲み取り、丁寧に創り上げていきたいと思います。よろしくお願いします。
この作品を通して、忘れてはいけないことや未来に繋がる何かを、少しでも皆様にお伝えできたらなと思います。
最後まで精一杯頑張りますので、ご声援のほどよろしくお願いします!
この舞台を通して原爆という悲しく辛い歴史の一片を、沢山の方が何か考えるきっかけになってくれたらと思います。また舞台となった現地広島でも公演出来ることとても嬉しく、そしてより一層身の引き締まる思いです。素敵な作品になるように、そして皆さんの心の奥を動かし、少しでも何かをお届け出来るように真っ直ぐ向き合っていきます!よろしくお願いします!
リターンについて
全てのリターンについて、支援者名を公演パンフレットに掲載させていただきます。
支援時、必ず備考欄に掲載を希望されるお名前をご記入ください。
また、30,000円以上のご支援をいただいた方のリターンに含まれる「応援提灯」は、以下のようなイメージでございます。
メッセージなど提灯にお書きする内容については、ご登録のメールアドレスにご連絡いたします。
最後に
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
舞台『夕凪の街 桜の国』を、1人でも多くの方にお届けできるよう、関係者一同最後まで力を尽くしてまいります。
ご支援いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします!
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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