【プロジェクトの背景・伝統仏壇の急激な衰退】
初めましてプロジェクトオーナーの都築です。ちょっと変わった「自由でお洒落な供養相談所づくり」と言う企画を現在愛知県幸田町にて進めております。僕は国指定の伝統的な仏壇を作る職人をやっておりました。僕が仏壇の仕事を始めた1995年頃は愛知県三河地方での伝統仏壇の生産数が99本でしたが、現在では年間数本程度に落ち込んでいます。
たった数十年という時間の経過で供養の世界の価値観が大きく変わり、日本の伝統的なモノづくりは崩壊してきています。もちろん仏壇が売れなくなれば職人の仕事もなくなります。生産本数が激減しはじめた頃、僕は仏壇の技術を他産業に転用させようと玩具会社とタイアップして漆フィギュアや特撮ヒーローとのコラボ製品などの企画、仏壇技術を使ったアート作品の提案などを実施してきました。
微力ながらも伝統保全に必死に取り組んできましたが、本業の仏壇の売上は年々縮小していき、コロナ禍での葬儀や法要の縮小化で追い打ちをかけるように仏壇の仕事が激減していき、今年5月31日をもって父親の代から約40年つづけてきた店舗を閉鎖することになりました。僕も約30年、ここの場所で仕事を続けてきたので解体されていく店舗を見ると寂しい思いがします。
使いなれた店舗の閉鎖をきっかけで新しいオフィスが必要となり、この機会を前向きにとらえて、自分の経験を生かした供養相談所を立ち上げることにしました。
【津波被害の位牌修復ボランティアから学ぶ】
2011年の東日本大震災で僕が実施した津波被害の位牌修復ボランティアが大きな転換期となりました。今まで僕の発想は仏壇文化を守ることだったので、位牌についてはノーマークでした。位牌の大切さは知っていたつもりでいたのですが、被災位牌の修復を依頼いただく被災者の皆さんから聞く話は僕の考えの甘さを実感しました。「盆や正月に家族が帰ってくるのは家に先祖の位牌があるからだ」一番心に響いた言葉でした。仏壇とは大切な物を入れるだけの箱でしかなかったのだと気がつきました。仏壇と位牌を比べた時に、間違いなく位牌のが大切だったのです。いつか自分らしい位牌の形を提案したいと模索するようになりました。
ちなみに津波被害の位牌修復ボランティアは口コミで広がっていき120柱を無料で修復して月に一度車で現地に届けさせていただきました。現地のボランティアさんに修理した位牌を渡しに行くと、必ず誰かが僕の事を待っていました。仏壇や供養の相談をするために待っていてくれたのです。今思えば、気軽に供養などの相談できる相手は貴重だったのですね。
なお、津波被害の位牌修復ボランティアについてはフェイスブックページにて詳しく報告していますので、ご覧になってみてください。
https://www.facebook.com/saveprayjapan/
【コンセプト:死んだのではない、生きたのだ】
2021年、コロナ禍で法要や葬儀が極端に縮小化した頃、仏壇の仕事が一気に減りました。自分らしい位牌の形を模索しはじめて気がつけば10年たっていました。試作品を作ってはみるものの、出来上がった物は「何か」しっくりこない。その「何か」が見つからなかったのです。しかしある朝、愛犬の散歩をしていた時に急にひらめいたことがあります。死の概念を変えてしまおうと思ったのです。そこで思いついたのが「死んだ」事を「生きた」と置き換えることです。この逆転の発想で死がポジティブなイメージに僕の中で変換していきました。自分らしい位牌のコンセプトが決まり、ゆっくりと形にしてきました。
【生きた証を残す物=位牌】
「死」を「生きた」と変換することで沢山のアイデアが湧き出てきました。僕の作る位牌は法名や戒名を書き込むだけのものではなく、故人の人生を後世に残せるようにしますと決めました。実は人は2度死ぬと言われています。1度目は肉体の死、2度目は人々の記憶から消えてしまう死です。1度目の死は防ぐことはできませんが、2度目の死は記録を残すことで、その記録を見た子孫や知人が思い出してくれます。そして生きた証を読んで自分の誇りとしてくれるはずです。当然、このように生きた証を残していくためにはゆっくりとお話を聞く空間が必要になります。気持ちが落ち着くような場所づくりも商品開発と共に行わないといけなかったのです。
【湖畔にある小さなロッジと出会う】
実は開所する場所とはすでに巡り合っています。僕の住んでいる愛知県幸田町には昭和まで焼肉料理を提供する「しげのい」というお店がありました。ひっそりとした森の中に小さな湖を囲うようにロッジが建てられている場所です。雰囲気のいい所があるよと知り合いに連れて行ってもらいました。昭和感あふれる何処か懐かしい感じのする建物、周りに民家がないため自然の音しか聞こえない、そして湖畔から吹いてくる爽やかな空気。すぐにこの場所に一目ぼれしてしまいました。オーナーさんも素敵な方で快く場所を貸していただけることになった次第です。
しかし全く使用していなかったロッジなので内装の壁などはめくれてしまっています。照明器具も壊れています。折角、このロッジを直すのなら、色々な人に携わってもらって皆で直していきたいと思いました。そして供養だけじゃなく、どんな事でも気軽に相談しに来られる空間にしていきたいと思ってプロジェクトを立ち上げることにしました。
リフォーム後は僕が20年かけて収集してきた大好きなミッドセンチュリーのチェア、ポップな民芸品などでインテリアをまとめて心地よい空間を作り出します。そ・そ・そに訪れたら自分にマッチする椅子にぜひ座ってくださいね。
【そ・そ・その意味】
供養相談所を「そ・そ・そ」という変わった名前にします。僕が考える新しい供養のベースになっているのが3つの「そ」から始まる言葉です。1つが日本古来からある「そうそう(葬送)」の文化、もう1つが「そせん(祖先)」崇拝、最後が「そうもくこくどしっかいじょうぶつ(草木国土悉皆成仏)」の思想の3つです。専門的な言葉ばかりでわかりにくいですが、日本人の心の中に脈々と流れている優しい気持ちの源流の3つの気持ちだと思っていただければ大丈夫です。そんな3つの「そ」が偶然集まったので、そのまま「そ・そ・そ」という名前にしました。またお会いした時にでもゆっくりと3つの「そ」についてご説明しますね。
【返礼品の一部の紹介】
●ペット用オリジナル位牌
僕は犬が好きでミックス(マルチーズ×チワワ)2頭と暮らしています。2頭とも元気なのですが、僕より早く寿命を迎えてしまいます。仏教はどうしてもペットを軽く扱ってしまいます。仏教伝来の時代では家畜としてとらえていたのですが現代ではペットは家族の一員です。ペット供養1つとっても時代と合致しなくなってきています。
ペット供養の新しい形として手のひらに入る小さな位牌をデザインしました。位牌の中にはお骨を入れることができる小さなケースが入っています。また中央に空いた小さな穴は中に入っているお骨が真っ暗な空間に閉じ込められないようにと思ってつけた窓です。亡くなってからも手にとって話しかけてもらえるようなイメージで作りました。
ペット位牌用のケースとしてVHS(ビデオテープ)ケース型の物も用意しています。ペットとの想い出の写真からデザインをつくることも可能です。
●そそそロゴグッズ
空に浮かぶ月、雲、星を組み合わせて作ったロゴを使ったグッズです。
●そそそ相談券
60分間、相談できる券です。相談場所は愛知県幸田町の相談所に来所していたく形になります。伺う場合は別途交通費が発生いたします。
相談券を使用する場合は予約が必要になります。詳しい予約方法を記した物は相談券と一緒に発送いたします。
なお、相談券の油工期限は2024年12月31日までとさせていただきます。
相談できる内容は供養以外でもOKです。デザイン相談や商品開発企画、町おこしなど僕がアドバイスできることは相談にのります。
●オリジナルデザイングッズ
伝統技術を活用した商品やソフビなど僕がデザインや企画したグッズを返礼品として用意させていだきました。
【実施スケジュール】
下記のようなスケジュールでプロジェクトを進めさせていただきます。相談所は8月中旬のお盆時期にオープンする予定です。
5月下旬 相談所の賃貸契約完了
7月上旬 クラウドファンディング開始
7月下旬 クラウドファンディング終了
8月上旬 リフォーム開始(約1週間程度)
8月中旬 相談所オープン
9月上旬 リターン品発送
【資金計画】
集まった資金は下記の用途に使用させていただきます。リフォーム代は室内の壁紙を貼る資金として使用いたします。
返礼品制作費用 約9万円
送料 約1万円
手数料 約5万円
リフォーム代 約10万円
【最後に】
伝統的な仏壇やお墓の修理、撤去、樹木葬、納骨堂、ペット供養、遺品整理や法的な事、昔より選択肢が増えたことで供養の悩みも増えてしまったと思います。供養に詳しい方の多くは古いしきたりの中で暮らしていたため固定概念を強く、新しい供養に対しては中々理解してもらえない事が多く相談しても新しい供養は退けられてしまいます。また全く古いしきたりを知らない方は全てを否定してしまいます。大切にしなければいけない事柄まで「知らなかった」というだけで排除してしまってうと後ほど後悔してしまうでしょう。供養をどのように執り行っていくは感性とバランスが大切です。きっと供養に対して相談できる相手がいないのではないかと思いプロジェクトを立ち上げた次第です。
伝統的な仏壇の職人をやってきたから分かります。新しいことは古きを否定することではなく、古きものを新しい時代に合わせて進化させることだと思います。少し前まで供養の世界ではタブーだったことも受け入いけていける時代になってきました。
肩の力を抜いて、新しい供養について自由に語れる場所「そ・そ・そ」の立ち上げへのご支援よろしくお願いします。
【都築数明プロフィール】
伝統仏壇の復興を目的としたアート職人集団「アートマン」を30代の時に立ち上げ、NYとドイツで個展を開催。世界での活動をきっかけに日本のポップカルチャーと工芸品を融合させたポップ工芸企画を立ち上げる。2011年に発生した東日本大震災で津波被害にあった位牌を120柱無料修復し、その時の経験から位牌などの供養文化の新しい形を模索し始める。2020年から地元商工会副会長に就任し、特撮映画を活用したまちおこし企画「特撮ツーリズム」を実施し、2本の劇場映画をプロデュースする。今までの経験を社会に貢献するために「一般社団法人1パーセントの社会貢献」を立ち上げ、社会問題などを独自のユニークな感性で楽しく解決できる仕組みを構築しているアートディレクターです。
幸田町商工会 副会長 名古屋芸術大学 非常勤講師 愛知産業大学 招聘教授 (社)1パーセントの社会貢献 代表理事
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Instagram:https://www.instagram.com/kuro_tsuzuki/
著書:あの世の歩き方
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るそそそ相談所の内装がほぼ完了してきました
2023/07/26 22:34ボロボロだった壁を補修して白い壁紙を貼ってもらいました。壁紙と電気配線はプロにお願いしました。ここから出来ることは自分で修理、掃除していきます。色々な相談を受けれるように気持ちい環境を作っていきます。 もっと見る
内装工事がはじまりました
2023/07/14 11:13相談所のボコボコになっていた壁を修理してもらってます。ちょっと傾いているので苦労しながら下地を貼ってくれてます。少しずつ快適になっていきますね。完成が楽しみです。 もっと見る
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