①ご挨拶
初めまして、「楽器の街」静岡県浜松市でサキソフォン専門の修理工房・ショップ【楽器工房鰐田商店】を営んでおります、店主の鰐田知典(わにた とものり)と申します。
学生時代は吹奏楽部に所属し、部活に青春を注いだ後、海上自衛隊に入隊。自衛艦に乗って世界の海を巡りました。
退職後は国内大手楽器メーカーで勤務、主にサキソフォンに関わる仕事を担当し、2020年9月、地域初のサックス専門工房&ショップ「楽器工房鰐田商店」を創業しました。
コロナ禍の真っ只中での創業でしたが、暖かいお客様方に支えられ、今年で創業3年を迎えようとしています。
詳しいプロフィールは当店ホームページ「店主ご挨拶」をご覧ください。
②プロジェクトをやろうと思ったきっかけ
例年、春になると当店には吹奏楽部に入部し、サックス担当になった学生さん、主に中学生の生徒様がたくさんいらっしゃいます。
本来高額なサックスですが、音楽に興味を持ち吹奏楽部の門を叩いた、未来の音楽文化を担う子供たちのために用意された学校備品の楽器達が今、危機を迎えています。
部品の欠落、不衛生な内部、腐食した消耗部品・・・残念な事ですが、これは学校備品のお手本のような楽器です。
↑腐食、サビ、汚れの付着したバリトンサックスの管内
↑腐食したアルトサックスのタンポ(左) 正常なタンポ(右)
※タンポ:サックスが音を変える為に開いたり閉じたりするパッド
↑経年により砕けているソプラノサックスのネックコルク(吹き口を取り付けるための個所)
↑欠損したキイボタン
吹奏楽部入部→楽器貸与→上記のような状態の楽器→「この楽器なんかおかしくない?」→ご来店、というパターンがとても多い現状です。
③どうしてこうなるのか?
吹奏楽部経験者なら「学校の楽器、ありゃ臭かったなぁ」て思い出がある方も多いのではないでしょうか?
日々の業務を重ねた上での私の推察では、何故こういう楽器が出来あがるのかと言うと、
・学校で貸してくれるから借りる←普通
・返す時整備して返す←これも当たり前
これを代々繰り返して行くと、どこかでタンポ等の消耗部品の交換タイミングが来ます。x
ですが、みんな代々、例えば調整料1万円で済んでいた所、たまたま自分が交換タイミングに当たってしまい「あなただけハイキイ5個交換でプラス〇〇円です」となったらどうでしょう?
菅内洗浄、ネックコルク交換、バランスコルク交換、指貝の摩耗、なんでもそうです。
ここを誰がどう負担するのか?親なのか学校なのか部費なのか善意の楽器店なのか…
ここを先送りし続けた結果、こういう楽器の出来上がりなんじゃないかなと思います。
④管楽器販売の現状
古くから「楽器の街」として知られて来た静岡県浜松市。
吹奏楽コンクール全国大会常連校のようないわゆる「名門校」と、追いつけ追い越せとしのぎを削る学校とが互いに切磋琢磨する、吹奏楽が非常に盛んな地域です。
小学生の頃から先輩たちの演奏に憧れを抱き、入部した吹奏楽部の備品楽器が上記のような状態のため、個人でお買い求めになる方も多く、学生さんの個人所有率は全国的にも非常に高いものとなっています。
しかし、近年は物価高の影響により、管楽器本体はもちろん、演奏に必要なマウスピース(吹き口)やリードなどの消耗品も高騰し続けています。
楽器が高騰し続ける中、買えるから買おう!借りて済むなら借りよう!この2択に何もおかしな点はありません。
ですので、当店は手塩にかけた自慢の1本を売りますし、他店でご購入の楽器も「絶対に感動させてやる」という想いを持って整備に臨んでいます。
私の想いは、全ての管楽器に興味を持って吹奏楽部の門を叩いてくれた子供達に「平等に楽器と音楽に熱中し尽くす青春を謳歌して欲しい」という事です。
⑤私の想い
2023年6月15日、当店のTwitterに掲載した私の想いを一部抜粋して掲載させていただきます。全文はリンクからご覧いただけます。
~2023年6月15日~
肝心の必須ツールがこれでは…本来楽器のせいのはずなのに、自分の努力不足と認識して貴重な時間を無為に過ごしてしまう、これだけは楽器に関わる人間としてどうしても見過ごす事が出来ません。
「学校が金を出せ」「市の備品なんだから市が出せ」「使った人が出せ→なんで自分だけこんなに高いの?」この堂々巡りがこういう状況をもたらしているのではないかと思いますが、問題は、この堂々巡りの中で取り残されているのが楽器と子供達だという事です。
では誰がそれを負担して、誰がその悪循環を止めるのか。
そこは当然、問題提起している僕なのではないか。とここ数日思うようになりました。
職人であり事業主である以上、無料で、は無理です。今まで僕を信頼して大切な楽器をお預けいただいた全ての方達に、そんな失礼な事は無いと思うからです。
僕1人でやっている訳では無いので力を貸してくれるスタッフの生活も守らなくてはいけませんし、事業を続けて行く事こそがこの取り組みに持続性を持たせるから、という理由もあります。
持続可能なナントカとは良く聞きますが、古くてもいいからしっかり整備された「正常な楽器」を持って子供達が音楽と向き合う事、これは未来へつながる楽器と音楽の業界の持続性にとって非常に大切な事なのではないかと思ってます。
⑦資金の使い道
・CAMPFIRE 手数料
・修繕部品購入代(パッド、コルク等の交換部品、その他欠落部品)
・修理工賃
・リターン費用
・手袋、保護具等、修理に必要な消耗品購入
ご参考:修理に必要な金額
・アルトサックス 全分解清掃・注油組立・バランス調整・ネック調整 修理工賃約1.5万円
・ソプラノサックス全タンポ交換:部品費用約2万円、修理工賃約4万円
・アルトサックス全タンポ交換:部品費用約2.5万円、修理工賃約4万円
・テナーサックス全タンポ交換:部品費用約3万円、修理工賃約4万円
・バリトンサックス全タンポ交換:部品費用約4.5万円、修理工賃約4万円
当店でいただいた修理工賃につきまして
当店にてサックスを修理して工賃をいただく事になるため、当店の利益が発生します。
この利益は「学生さんが今後修理・メンテナンスにお出しいただく際の代替機貸し出し」「中古楽器購入希望の学生さんのための中古サックス販売/レンタル/リース」のための、中古サックス購入費用に充てさせていただく予定となっております。
⑧リターンについて
・現在サックスプレイヤーではない皆様へ
ご協賛いただいた皆様へ御礼のメール、サックス体験レッスン、楽器を修理した学校の定期演奏会ご招待など
・現在サックスプレイヤーの皆様へ
上記の他、当店で通常施工させていただいている「サックスメンテナンスパック」「全タンポ交換」電子クーポンなど、メンテナンス・修理にて返礼させていただきます。
詳細は各リターンをご覧ください。
⑨実施スケジュール
※実施予定
このクラウドファンディングの募集期間が終わり次第(~7/31)、学校の楽器を当店の近隣の浜松市立中学校・またはご協賛いただいた学校関係者様の学校から順に、学校の部活スケジュールとご相談の上施工していきます。
市内全校のサックスを修繕する前に資金が尽きた場合、第2弾・第3弾・・・とプロジェクトを立ち上げ続行させていただきます。
※資金の使い道の公開
修理履歴を当店ホームページにて逐一ご覧いただけるよう設定します。
※リターン発送時期
このクラウドファンディングの募集期間が終わり次第(~7/31)、順次発送致します。
⑩終わりに~学校備品管楽器の「今」と「これから」
学校備品のほとんどが「正常な状態」では無い事、大人の都合で楽器と子供達が置き去りになっている事。これは浜松市の楽器だけではなく、全国様々な地域で起こっている事です。
中学校部活動の地域運営移行も控える中 「楽器の街浜松」の楽器屋として、今私が出来る事はなんなのか。
ずっと考え続けて出した答えがこの「楽器をなおそうプロジェクト」です。
このプロジェクトを通じて、まずサックス専門工房の看板を掛けて浜松市の学校備品のサックスを全て修理します。
浜松の学校の全てのサックスを修繕した後は、近隣市町村の学校備品のサックスを修繕し、いつかは日本全国のサックスを全て治す、そんな覚悟でこのプロジェクトに臨んでいます。
全国には、私のようなサックスを専門としている職人だけではなく、フルート専門、クラリネット専門、トロンボーン専門、ダブルリード専門、トランペット専門・・・たくさんの「プロフェッショナル」と呼ばれる名工の方たちがいます。
プロジェクトを続ける事で楽器の街浜松からこのプロジェクトを全国に向けて発信し続け、このプロジェクトがいつか楽器修理業界の「ムーブメント」になるように。
そんな想いを込めてこのプロジェクトを立ち上げます。
これからの音楽を担う子供達のために、どうか皆様の力をお貸しください。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る残り4日
2023/07/27 21:45プロジェクト終了まで残り4日となりました。達成率71%、56名の方にご支援いただいております、本当にありがとうございます。ご支援が多い程治せる楽器が多くなり、喜んでくれる子も増えます。このプロジェクトの募集終了日が本当のスタートです。皆様の温かいご支援と共に、市内の各校へ出向く準備は既に整っております。これだけの人等が、君たちの楽器のために協力してくれたんだ!と生徒さん達に伝えにいけるのが今から楽しみでなりません。僕たち大人が自分達の意思で問題を解決する姿を見せられるのは、何事にも変え難い経験となって子供達達の記憶に刻まれるはず。その経験を胸に楽器と向き合って、どんな音を奏でてくれるのか本当に楽しみです。残り少なくなりましたが、どうか皆様の温かいご支援をお願い致します。 もっと見る
残りついに10日を切りました
2023/07/22 23:327/22、ついに残り10日を切りました。先週頭に各校へ修理のご案内を配布し、すでに数校からご相談いただいております。クラウドファンディング実施中にも「前から怪しかったけどついに音が出なくなった」との事で持ち込まれた学生もいました。これもまた凄まじい状態で、ますますこのプロジェクト成否の重要性に身が引き締まる思いです。皆様のご支援と私共の力を合わせれば、必ずやこの負の連鎖を止められると確信しています。残りわすかとなりましたが、どうか皆様のお力をお貸し下さい。 もっと見る
クラウドファンディング3日目
2023/07/09 22:35たくさんのご支援ありがとうございます。スタートから3日目で目標の24%達成という素晴らしいスタートダッシュを切る事が出来たのは、ひとえに共感いただきご支援いただいた皆様のお陰です。引き続き広報に力を入れて頑張ります、応援よろしくお願い致します! もっと見る
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