2023/10/19 14:12

 これまで、私が開催してきたプラチナプリント写真展は10回です。クラウドファンディングページの本文では9回と記載しましたが、最初の1回をカウントしていませんでした。正しくは、10回となります。いずれも長野県内での開催でした。それら過去の写真展について、DMとともに紹介させていただきたいと思います。


①2013年(すみれギャラリー、東御市)

私がプラチナプリントを安定的に制作できるようになり、初めて作品公開したのが2013年でした。このときは、バラの写真作品などと一緒の展示であり、DMは制作しませんでした。


②2015年(すみれギャラリー、東御市) 

プラチナプリントだけの本格的写真展は、2015年から。このときのテーマは、「One Heart」。DM写真は、出来上がったプリントを乾燥させているところです。物干しハンガーを使っていますが、今では、乾燥に使用する部屋にワイヤーを張り、小さなクリップに挟んで吊るしています。基本的に自然乾燥であり、ドライマウントプレスなどはしません。加熱することで、紙に影響が出ることを避けるためです。乾燥後は、MDFボードに挟んで重しを載せてプレスします。




③2016年(すみれギャラリー、東御市)

テーマは「One Hope」。DM写真は、印画紙上にネガを置き、紫外線を照射して焼き付け(コンタクトプリント) しているところです。紫外線照射に利用している機器は、いわゆる「日焼けマシーン」です。この焼き付けにもいくつかのポイントがあります。最も大切なのは、紙とネガを平坦に保ちながら密着させることです。それに失敗すると、そこだけピントが出なくなります。


④2017年(ギャラリータカハシ、長野市)

テーマは「DIMENSIONS」。このギャラリーは、2部屋続きのスペースだったため、プラチナプリントとバラの写真作品に分けて展示しました。DM写真は、愛用しているフィルムカメラ Contax Ⅰと、バラのポストカード(Michael)をあしらったものです。私の写真家としての活動の柱は、当時から、モノクロスナップ・プラチナプリントとバラの写真作品でしたが、最近は、これにポートレート写真が加わりました。それぞれ、異なったスタイルなので、DIMENSIONSという概念が相応しいと、今でも思います。



⑤2017年(すみれギャラリー、東御市)

テーマは「One Love」。3年にわたって続けた「One Heart」「One Hope」「One Love」は3部作の写真展であり、亡き妻へ捧げたものです。DMに写っている指環は、かつて妻に贈った婚約指環です。これらの写真展タイトルの着想は、U2の「With Or Without You」という楽曲に着想を得たものです。


⑥2018年(すみれギャラリー、東御市) 

テーマは「with music」。受託撮影で撮影する機会の多い演奏家など音楽関係者の写真をまとめた写真展でした。DM写真は、軽井沢にあった「サッチモ」というジャズ喫茶の店内を撮影したものです。コルトレーンのパネルの横にかかっているトランペットは、サッチモ(ルイ・アームストロング)が実際に使っていたものです。


⑦2018年(ギャラリータカハシ、長野市) 

「with music」は、一部の写真を入れ替え、期間をずらして2つの会場で開催しました。左の写真は、軽井沢の追分にある古道具屋店内に雑然と置かれていたマリリン・モンローのカレンダーと古時計を撮影したものです。



⑧2021年(すみれギャラリー、東御市) 


テーマは「Be there with a refined mind」。Be there = そこにいること。それこそが、私のスナップ写真全体を貫くテーマといえるものです。一番大切なのは、そこにいること。そこにいなければ写真は撮れない。ただし、研ぎ澄まされた心とともに在らねばならない。撮影に向かうとき、常にそういう思いでいます。そういった話をもっと掘り下げて、ギャラリートーク(11月19日)でお話しできると良いのですが。DM写真は、恵比寿にある写真美術館横のガラスに映りこんだ自分自身を撮影したセルフポートレイトです。


⑨2022年(UCHIDE CAFE、佐久市)

テーマの「No.9」は、通算9回目のプラチナプリント写真展ということもありますが、後期ロマン派の作曲家、アントン・ブルックナーの交響曲第9番に由来します。これに関しては、以下のYouTube動画をご覧ください。

https://youtu.be/C3VS9RM5ryE


⑩2023年(UCHIDE CAFE、佐久市) 

写真展テーマは原点回帰しました。DM写真は 、馴染みのカフェにいたネコちゃん「もぅも」です。このカフェはもうありません。この写真を撮ったカメラ、Rollei Flex 3.5Fもありません。それでも、写真は残ります。もぅもは…元気です。

そして、11回目のプラチナプリント写真展が、初の東京展です!

原点のもっと奥深くに回帰するような写真展となります。プラチナプリントの代表作を全て展示します。皆様の応援・支援をいただきましたので、思いの限りを尽くして開催します。