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ロサンゼルスでのホイス・グレイシー柔術黒帯テスト直前特訓は、元々ロサンゼルス市内のホイス・グレイシー柔術サウスベイのリンたV、またオレンジカウンティのホイス・グレイシー柔術OCの代表アイヴァンのバックアップを受け行われる予定で、それだけでもテスト前には十分心強い支援体制でしたが、さらになんとホイス師匠の長男、コンリー・グレイシーが直接指導に、2日連続で来てくれるという奇跡の直前黒帯特訓となりました。
もちろんこれに浮かれてしまうことなどありません。
が、しかし!
一つ痛恨のミスを犯してしまったのです。
この日の朝、昨日は想定していた以上に渋滞が烈しく、約2時間かかったため、オレンジカウンティに九時半までにつくよう2時間+早く宿泊先のを出発しました。
早く出れば出るほど、渋滞の積上も少ないので、理論的には2時間よりも早く到着出来るという予測ですが、出発するために車に乗り込み、エンジンを掛けて、ナビゲーションと携帯を連携させる手続き(初日はそこにも予想外の時間がかかってしまった)を終え、アクセル踏んで動き出す前に、余裕を持って用意して来たキャップ付きのコーヒーのボトルを探したところ、いい匂いだけはするのに、見当たらない…
ふと、嫌な予感が…
ロサンゼルスにいる時は基本的には車での移動なので、荷物は何でもとりあえず大きなイケアバック(あの青いビニールの大容量のやつ)に入れて、ほんの少しだけ歩く車と目的地の行き来します。
丸一日外に出るので、大体あらゆるものを持ち込んで出発します。PCも、着替えも、何ならパスポートもまとめてあの青いビニールのバッグにぶち込んで車の助手席にドン、とおいて出発するのですが、今日はコーヒーの蓋付きカップもそのカバンに投げ込んでいたようで…
大切なホイス・グレイシー柔術指定ユニフォーム(白道着)が、コーヒー染めされてしまいました。特にジャケットの方はビタビタに染みてしまい、茶道着になってしまいました。
触ってみると、まだあったかくホカホカ。そしていい香りが車内いっぱいに拡がる。
その蓋付きカップの蓋は、呑み口に蓋のないものだったのです。ガッデム!
しかもこれから約2時間のロングドライブなのにコーヒーも無しでの運転…
最悪です。
柔術稼業を始め約二十年目。海外遠征の時に、かさばる柔術着を飛行機で持ち込むのに着にするか2着にするか、その行き先での深刻さによって変わります。その検討に割くエネルギーは、旅支度うち約75%ぐらいを占める重要な検討要素です。(本人計測値)
特に今回はロサンゼルスからデンバーのドメスティックフライトがあり、手荷物の制限が低いので出来るだけ荷物を減らしたかったのです。
しかし熟考の結果、今回は2着持ち込む事にしました。それだけ重要なのかというと、実はそうではありません。テストは最大4日間(落ちればその場でおしまい、合格すれば最終日曜日に授与式)にわたりますが、基本的にはテストとセミナーの連続で、洗ったり干したりする時間はなく、ましてや人生かけた黒帯テストなのでちょっと臭かったり湿ってたりで判定されるものではないため、Airbnbなら夜中にも洗えるし、と考え一着でいいかなと思いました。
今回の旅は宿泊費の削減のため、知人の持つAirbnbを利用するのですが、その人のおじさんの運営するAirbnbで、値段は割り引いてくれるというのですが、ネットで見られるはずの決済方法とロケーション、設備詳細が送られて来ないのです。
そこに洗濯機と乾燥機があれば一着で済むものの、会場との行き来する時間はなく、今回は洗っている暇がないと判断し、2着持参を決めました。
それにしてもテストを前に、大事な一着をコーヒー染めにしてしまうとは、なんと愚かなことか!
しかし、熟考し、2着持ち込んだことによって、少なくとも黒帯テストでは白いユニフォームで望めるし、もし合格した暁にも恥ずかしくない記念写真が取れることになると思い、これもまた偶然の判断が味方してくれた、とも思える出来事でした。
やっぱり良い運が流れてる気がします。
いよいよロサンゼルスからデンバーへの移動、その翌日午後からテストが始まります。
緊張は高まりますが、とにかく今までの経験と思いをその場で示すだけ。
これだけ頭よりも心が試される試験は、今までないと思います。
毎日少しずつ、また新たな経験が積み重なります。
明日は何が起こるのだろうか、楽しみです。
ホイス・グレイシー柔術アカデミー東京
代表 Max Masuzawa