エンジニアリングモデルとフライトモデル
ロケットの打上げに向けて、開発現場ではエンジンの開発を進めています。
5月までに地上燃焼実験用のロケットエンジンの開発は終わり、6月からは実際に飛ばすエンジンのための開発になります。
ロケットエンジンの開発の流れは、
1.性能確認のための地上燃焼試験用のエンジン
2.実際に飛ばすロケットエンジンと同じ設計で地上燃焼試験用エンジン
3.実際に飛ばすロケットエンジン
という流れになります。それぞれ、
1.EM(エンジニアリングモデル)
2.PM(プロトタイムモデル)
3.FM(フライトモデル)
という名前があります。インターステラテクノロジズ内ではPMとはあまり呼ばず、PMとFMは同じ設計なので、同じとみなし、FMと呼んでいます。
EMでは多少の想定外のことが起きても、データが取れないような事態にはならないように作っています。
重く頑丈に作っていてエンジンの性能を知りたいってことです。
これに対して、FMでは軽量化が大事になるので、無駄な部分はギリギリまでなくしたものになります。
EMの開発は5月までに完了し、現在はFMの開発段階です。
いかに「確実に」「性能良く」「軽量化」が出来るかという勝負になります。
エンジンの冷却
ロケットエンジンの炎は最大で3000度の温度になるので、どんな金属でも融けてしまう温度です。
そのためエンジン自体を冷やす 技術が大切になります。
インターステラテクノロジズではアブレーション冷却という方式を採用しています。安価なロケットエンジン向きの技術ですが、重量が重くなりがちという欠点があります。
重くなりがちな冷却方式の中、FMでどれぐらい軽く作れるかの実験が必要になっていました。
ということで6月3日にはエンジン冷却のための試験を行いました。
15秒燃焼の予定でしたが、センサの値が一つ異常値を示したために10秒で緊急停止しました。
そんなトラブルがありながらも、冷却方法の実験としては十分なデータが取れました。
ロケット打上げまでにはこんな実験が必要で、実際にやっているという紹介でした。
ロケット打上げのための支援をよろしくお願いします!