
写真は、ただ姿を写すだけのものではありません。
そこには被写体の命の輝きと同時に、撮る人間の想いまでもが滲みます。
愛犬の柔らかな毛並みや温かな体温、ふとした瞬きや交わす視線の奥にある感情──
それらすべてが写真の中で息づきます。私は決して特別な人間ではありません。
ただ20年間、愛犬と飼い主を結ぶ一瞬一瞬に心を寄せ、その場の空気や想いに耳を澄ませながらシャッターを切ってきました。
それは記録を超えた、想いの継承であり、静かな歴史を紡ぐ行為だと思っています。
愛犬との今日の時間は二度と同じ形で訪れない奇跡です。その空気、その会話、その感情、その日を包むすべてを、私なりの感性と精一杯の敬意で写真に封じ込みたい。
やがて記憶は薄れても、心を込めた一枚は、あなたと愛犬の時間を静かに永遠へとつなげると信じています。



