2016/08/10 10:46

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中学校の国語の夏休みの宿題で「作文」が出ている。いくつかの課題の中から、ひとつ選んで書くのだけれど、その中に「読書感想文」があった。
一人の生徒が、塾の書棚にある一冊の本を選んで読み、それについて「読書感想文」を書くことにしたので、その書き方を教えることになった。

実のところ「読書感想文」を書くことを推奨していない。読書は愉しみのためにするべきであって、それ以外のことは二次的なことと思っているから。
「読書感想文」について、まず考えなければならないのは「なぜ書くのか」「誰のために書くのか」だと思う。
「なぜ書くのか」の答えは、当面のこととして「宿題だから」というのがある。以前にもここで書いたような気がするけれど、「宿題だから」書く、という姿勢は別にそれで良い。でも、その続きの思考が違う。「書いて出せばいいんだからテキトーに書いて出せばいい」という考え方は、もったいないと思う。
「書いて出せばいいんだから、この機会に自分の書きたいことを書こう」や「書き方の練習をしよう」というのがいいと思う。
学校からコンクールに出すようなので「コンクールに入選するため」という目的もありうる。ただ逆に「入選するのは困る」という生徒もいる。
「好きな本を読んで、書きたいことを書く」ことを、今回の目的にしよう。そしてそのなかで文章構成の仕方や、表現の仕方を学習してもらえれば。
「誰のために書くのか」も難しい。ネットの普及によって市井の人々が「書評」を書くようになった。そんな「書評」は、おそらく、「こんな面白い本があるから、読んでみてはどうですか」というもので、紹介を目的にしてることが多い。
私も以前自分のサイトの中で、何人かの作家を選んで、その書評を書いたことがあった。あれは、ひとつはやはり読者への紹介という意味があった。もうひとつは、「記録」の意味があった。図書館で借りて読むことが多かったので、記録を残しておかないと手元に本がないので分からなくなってしまうからだった。
読んだ本について、こんなところが面白かったですよ、みなさんも読んでみたらどうですか。という書き方をするのも「読書感想文」の一つの書き方と思う。
ただ今回は、自分のための感想として、書くことにした。

結果として原稿用紙5枚の「読書感想文」を書くのに3時間かかった。どのように進めていったかというと・・・
「一番印象に残ったところはどこ?」「一番面白いと思った登場人物は誰」などと、ヒアリングしていった。そして、生徒から回答をいただき、それについて具体的に言葉にしていった。文章については、共同作業をした。
生徒の独力では、なかなか文章にまとまらないから「言いたいこと」を聞き取って、それはこんな表現にしたらいいのでは? と提案して、書いてもらった。
登場人物については「自分だったらこうする」という視点も取り入れ、さらに、ほかの登場人物の行動へと考えを移動させていった。
さらに「ミステリ」だったので、トリックについての感想を書き、「探偵手法」のおもしろさについて書いた。
失敗したな、と思ったのは、題材がミステリだったことだ。ミステリの書評の鉄則として「ネタバレ」はできない。誰が犯人だったかも書けないし、トリックの詳細も書けない。
それでも、どのように書かれているかの感想が、本人の口から出たので、それを文章化する手助けをした。
最後に、結論として、この小説のどのあたりが素晴らしかったのかをまとめた。

正直言って、そんな素晴らしい出来になったと思わない。コンクールにも入選しないと思われる。でも、表現の方法を少しでも実感してもらえたら、効果があったと言えると思っている。
文章構成や、書き方の手順として、今回やったやり方が「正しい」わけではない。大切なのは「自分の思うところ」を「表現する」ことなので、表現方法に正解はない。

 

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