UNLEASH Equipmentは、編集の会社である株式会社インクワイアが、道具の再編集と再提案を行うプロジェクトです。資本主義やテクノロジーの発展によって生活は便利になる一方で、まだ見ぬものに想いを馳せたり、自らの手で工夫しながら新しいものを生み出す機会は少なくなっているように思います。
私たちは想像力や創造性を引き出す道具を「UNLEASH Equipment」と呼び、「自らの手で工夫しながら生活をつくっていくとはどういうことなのか」という問いについて、皆さんと一緒に考えていければと思っています。
工夫を引き出す日用品としての「手ぬぐい」
私たちが最初につくる道具として「手ぬぐい」を選んだのは、誰の手にも取りやすい日用品としての性質から。UNLEASH Equipmentの考え方を表現するための第一歩として、この道具を選びました。
木綿の布を使いやすい大きさに切っただけというシンプルな構造。それゆえにアイデア次第で、さまざまな使い方ができます。手ぬぐいは、その名の通り「手をぬぐうもの」として生まれましたが、その余白性の高さからこれまであらゆる用途で使われてきました。手を拭く、ものを包む、頭や首に巻く、敷き物にする。これは生活する人々が限られた中で想像力と創造性を働かせて、自らの手で生活を工夫する中で生まれた習慣、そして文化とも言えるかもしれません。
手ぬぐいが備える余白性は、用途を委ね、使い手の工夫を引き出します。伝統的な文脈や優れた汎用性を持ちつつも、クラシックなイメージがら徐々に生活からその姿を消しつつある手ぬぐい。私たちは日本の伝統的な道具である手ぬぐいを再編集し、現代生活にも馴染むデザインと多様な用途とともに、工夫を引き出す日用品としての手ぬぐいを再提案できればと思います。
日本が誇る究極の汎用品
手ぬぐいの原形はすでに奈良時代に存在していたと言われています。平安時代からは庶民は麻の手ぬぐいを、貴族は絹の手ぬぐいを使っていました。綿の手ぬぐいは絹よりも高価だったため、当時は祭礼においての装身具としてや、神仏の像や飾り付けなどの清掃などに使用されていたそうです。
江戸時代に入ると、日本国内でも綿花栽培が盛んになったことから綿織物が普及し、綿素材の手ぬぐいも生活必需品として一般化していきました。銭湯文化が根付いたことや、贅沢を禁止する法律が制定されたこともあり、絹よりも木綿の着物と手ぬぐいが庶民に好まれ、広く普及していきました。
木綿でできた手ぬぐいは丈夫で使いやすく、その汎用性の高さから活躍のシーンは幅広く、何かを拭く役割だけでなく、日除けとして頭にかぶったり、緊急時には包帯や、履き物の修理に使ったりと、生活に欠かせない必需品として浸透していきました。用途に応じて好みの長さで使用でき、切りっぱなしのその形状は速乾性にも優れ、衛生面でも重宝されました。
参考:
・https://afugi.net/districtletter/27osaka/8818/
・https://www.jikan-style.net/?mode=f5/
UNLEASHの手ぬぐい
軽やかに、どこにでも持ち運べる
タオルに比べて圧倒的に薄く、重さは約30g。ポケットに入れて、日常生活で使っても。カバンに忍ばせて、旅先にも。
乾きやすく、匂わない
薄いのに加えて、端が切りっぱなしになっているため、水分が抜けやすく、乾きやすい。雑菌も繁殖しにくいので、匂いにくいのも特長です。
丈夫だから、気兼ねなく使える
木綿100%の生地は、摩擦に強く、非常に丈夫。いい意味で雑に使える素材です。
現代生活に馴染むデザイン
今回、手ぬぐいのデザインを依頼したのは、アーティストのDonchi氏。UNLEASHのコンセプトを伝え、今回のためにオリジナルのデザインを制作していただきました。ふたつの「DON'T THINK TWICE(深く考えるな)」には、「考え込みすぎず、行動に移すことの大切さ」と「わかっていても、実際にそうすることの難しさ」という、相反する葛藤のニュアンスが込められています。
ウェルビーイングをテーマに描くアーティストDonchi氏
Donchi(ドンチ)
1986年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。グラフィックデザイナーとして活動した後、2018年からアーティストとして作家活動を始める。
Web|https://donchi.jp/
Instagram|https://www.instagram.com/donchi_jp/
[Solo Exhibitions]
2018 「地下備品倉庫」at ANAGRA
2018「I CAN’T STOP SMOKING CIGARETTES」at マキイマサルファインアーツ
2020「BOLD AS LOVE」at Printed Union
2023「A PAIR OF LOVERS」at Printed Union
2023「Let’s go home」at Ikenoue Parallel
[Group Exhibitions]
2016「Here is ZINE tokyo 12」at TOKYO CULTUART by BEAMS
2018「マスク展」at ANAGRA
2018「WILD」at CALM & PUNK GALLERY
2018 「30th ANNIVERSARY, 30BAGS DECORATION」at CABANE de ZUCCa MINAMIAOYAMA
2021「TOKYO NIGHTS VOL.1」at Jinkinoko Gallery
伝統を現代につなぐ大阪・堺の染め工場ナカニ
手ぬぐいの染め工程を依頼したのは、大阪・堺の染め工場ナカニさん。伝統的な「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる技法をいまも続けています。注染は、何枚ものさらしもめんをじゃばら状に重ね合わせ染料を「注いで」染めており、職人や気温が異なるだけで色味やニュアンスが変わってしまう繊細な技法です。
「職人がじっくりていねいに染め上げるからこそ、人のあたたかみややわらかさが伝わる手ぬぐいができる。じわっとしたにじみやゆらぎが生まれ、すべてをコントロールできない注染は、ひとつとして同じものができません。だからこそ"アジ"となり"良さ"になる。」とナカニさんはおっしゃっています。
余白性のある多様な用途
「拭く」
・手を拭く
・食器を拭く
「包む」
・ペットボトルを包む
・お弁当を包む
・ブックカバーに
・ティッシュカバーに
「敷く」
・ダイニングに敷く(ランチョンマットとして)
・濡れた食器の下に敷く(水切りとして)
「巻く」
・首に巻く(スカーフとして)
・頭に巻く(バンダナとして)
「掴む」
・鍋つかみとして
「飾る」
・タペストリーや額に入れて飾る(アートとして)
製品概要
・素材:綿100%
・サイズ:37cm×90cm
・重さ:30〜35g
リターンについて
・手ぬぐい 1枚(手ぬぐい×1)
・手ぬぐい 2枚セット(手ぬぐい×2)
・手ぬぐい 4枚セット(手ぬぐい×4)
・手ぬぐい 20枚セット(手ぬぐい×20)
・飾る手ぬぐいセット(手ぬぐい×1+タペストリー用キット)
※付属するタペストリーの素材は木材で、長さは42cmです。
スケジュール
・クラウドファンディング終了:3月下旬
・リターンのお届け:4月上旬〜
プロジェクト責任者より
UNLEASH Equipmentの山本です。ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
昨年からキュレーションストアとしてはじまったUNLEASHですが、今回オリジナルの商品をつくることになりました。作りたいと思っているものはたくさんあるのですが、第一弾がこの「手ぬぐい」です。自分たちのコンセプトを表現するためにまず何をつくるか、そう考えたときに真っ先に思い浮かんだものが手ぬぐいでした。
なぜ手ぬぐいかは、ここまで書いてきた通りです。
手ぬぐいは素朴な道具かもしれません。昔から当たり前に存在し過ぎていて、特別見向きもされない道具かもしれません。ですが、だからこそ使い手に大きな自由を与えると、私たちは考えます。
私たちにとって「良い道具」とは、決まった使い方を決められた通りに行うようなものではなく、自由な想像力で思い切って使うことができるようなものです。素朴で、丈夫で、軽く、邪魔にならず、手に取りやすく、雑に使ってもいい。手ぬぐいは、まさに私たちにとっての「良い道具」の条件を満たしています。
たかだか手ぬぐいと思うかもしれません。ですが、そう思う人ほどぜひ手に取ってみてください。無限の想像力に気づくかもしれませんし、意外と使用に慎重になってしまう少し弱い自分に気づくかもしれません。どちらにしても、この手ぬぐいは、モノが持つ自由さを教えてくれるはずです。
UNLEASHを運営する株式会社インクワイアは、どちらかというとよく考える会社だと思います。ですが同時に、直感を信じて思い切ってやってみることも大切にしています。この手ぬぐいに書かれた「Don't think twice(深く考えるな)」の一言は、きっとそのための勇気をくれます。
何か少しでもピンと来た方は——まさにDon't think twice——、ぜひご支援をお願いいたします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
<支援金の使い道>
・デザイン費
・制作費
・広報費
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