前回の広瀬浩二郎さんに会った話から、三輪代表がハマってしまったという広瀬さんの著書、「障害者の宗教民俗学」について熱く語っています。ぜひお聞きください!
民俗学 の付いた活動報告
今日も三輪代表からのメッセージです。先日大阪の国立民族博物館を訪問、全盲の文化人類学者の広瀬浩二郎さんとお話をしてきたことを書いています。2月28日「あなたが琵琶法師なら、私は瞽女になります」 先週の土曜日、国立民族博物館の広瀬浩二郎さんにお会いしてきました。 我々メノキが取り組んでいる文化庁障害者等による文化芸術活動推進事業で「障害とアートを繋ぐ人材育成」としてインクルシブアート研究会を今年の春から本格的に講座を開くにあたり、講師として民博(国立民族博物館)の広瀬さんをお招きしたいと思っていたのです。 今回たまたまNPO法人弱視の子供たちに絵本をを運営している田中加津代さんのご紹介でお会いすることができました。 広瀬さんのご本は、ほぼ点字図書館のデイジー(DAISY)図書で読んでいましたので、私なりに広瀬さんのイメージは出来上がっていたのですが、びっくりするほど予想通りの声質でした。 広瀬さんも私も全盲なのでお互いの容姿は見ることが出来ませんので声の印象で相手の人柄を推測することになります。予想通り知的で八方に目が行く方で、その上、人に対して上下感を作らない人だとすぐにわかりました。 見えていたころは第一印象は当然お顔立ちや身体かにじみ出る空気感で判断していましたが、意識したわけでもなく相手の声の間合いを含め、声で人柄を自然に判断するようになりました。人間の脳ってすごいですね。 広瀬さんは説明するまでもなくユニバーサルミュージアムを牽引している方で、そのあたりの著書はたくさん出されています。私はこれらの著作の中で何よりも私の心をわしづかみしたのは「障害者の宗教民俗学」でした。琵琶法師や瞽女(ごぜ)、青森のイタコから始まり、オウム真理教の麻原彰晃まで論じたのには目からうろこでした。 私自身長く木彫作家として生きてきましたが、美術館やギャラリーの仕事に比べたらわずかですが、文化財の仕事もしてきたので、日本の歴史の中の仏教文化や民間信仰などにも関心も持ってきました。そんなわけで、障害者目線で宗教を読み解く広瀬さんのご著書に正面から一本取られた気持ちでした。このご著書に近いものは最近書かれているようには思いませんでしたので、ついご本人にその話もしてしましました。広瀬さんがおっしゃるには今年瞽女の展覧会を民博で開くとのことです。瞽女の映画も上映するそうです。今が平安時代だったらインクルシブアートと言っても誰も知りません。ユニバーサルミュージアムと言っても誰も見向きもしてくれません。広瀬さんは琵琶法師、私は瞽女だったでしょう。いい時代になりました。