・簡単な概要
双極性障害は、つらい精神疾患です。今の薬だけでは大変です。しかし、新しい薬を作るためには、より多くのことを効率的に知る必要があります。本申請では、抗精神病薬を基軸にして、双極性障害がどのような過程を踏んで苦しいのか、それを改善できるのかに繋がる可能性のあるツールを法的に守りたいと考えていることを表明します。
・プロジェクトの実行者について
申請者は、抗がん剤研究において、修士号を取った一般社会人である。また、申請者は、双極性障害を診断された当事者である。自身は、会社に勤めて自活する生活を送っているため、ほぼ支障なく本プロジェクトの活動ができる。
現在、双極性障害および周辺疾患への強い興味と問題意識があり、2025年度に博士課程へ入れないか計画を練っている。
最近では、退任された元阪大助教や現役製薬会社の研究員をフリーランスまたは副業フリーランスとして契約し、リサーチおよび簡単な示唆出しを依頼している。
・このプロジェクトで実現したいこと
短期的ゴール : 双極性障害の疾患理解を支援するツール開発を行い、国内実用新案の取得から段階を踏んで国際特許まで取得する。本プロジェクトでは、実用新案の申請および実用新案技術評価書の申請を介して、日本における新規性を確定することが目的である。この際に、新規性が無いと見なされれば、新たな化学構造を考案し、再度挑戦を行う。最終的には、現在活動している全ての方向性を集約することで、新規双極性障害治療薬の開発の一助とする。
理由 : 科学の世界では、有用な手法などを見出すことができたとしても、企業などが特許を先に取ることで該当する手法を使えなくなることがある。これを回避するために、設計したツール自体を国内実用新案提出で主張し、段階的に国際的なクレームへと繋げていく。
・これまでの活動と準備状況
抗がん剤など創薬研究を修士課程で行っていた。その流れの中で、10回程度の学会発表を行なってきた。
今回構想する「双極性障害疾患者のQoLの向上を目指した研究」は、新規案であるが、前述のように、元阪大助教や現役研究者の意見を仰ぎ設計している。
現在、既知の抗精神病薬の化学構造にある特徴を見出して、これを変更し設計した。理論上は特定の物性を示すため、これまでよりも簡便な空間的局在の把握を行うことができると考えている。
この化学構造を、既知の化合物のデータベースを基に、想定する物性を有するかを評価したところ、計算科学上では予想する物性を有することが示唆されている。
これを用いて研究開発ができれば、これまでに明らかにされていない抗精神病薬の詳細な動態や、未知の標的分子(病気の辛さをオンオフするときに重要なスイッチみたいなもの)の探索に繋がる可能性がある。
計算科学(シミュレーション)ではあるが、Auto dock vinaを用いて、既知の抗精神病薬と結合タンパク質の分子間相互作用と似たような形で、設計している化学構造が結合タンパク質と分子間相互作用していることが示唆された。
実用新案の申請については、ここまでの情報でおよそ問題はないと考えており、今後特許取得を視野に入れた場合は、何処かしらの研究設備を活用して、実験科学的に評価する必要がある。
リターンについて
大変心苦しいのですが、感謝の御礼申し上げることが精一杯かと思います。実用新案評価書での新規性が明らかになった暁には、飛び込み営業のような方法ではありますが、各種研究機関に提案を持ちかけていくだけでなく、自身でも設備を探して研究を行いたいと考えております。
実施スケジュール
プロジェクトのスケジュール概要は以下の通りです。
【現在】
現在、実用新案申請資料作成中。
【支援獲得後】
実用新案の獲得。
実用新案技術評価書の申請。
合否により、修正と回避。
新規性の確定。
(余力あれば)化合物の確保。
最後に
僕自身が、双極性障害当事者ということもあり、強い課題意識を持っています。
人任せだけにせず、メガネやコンタクトが視力の悪い人の社会的バリアを取り払ったかのように、双極性障害のバリアフリー社会の一助となりたいと考えています。
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