■はじめに
私たちのプロジェクトのページにお越しいただき、どうもありがとうございます。
東北地方の漆工芸品は有名ですが、秋田県の川連(かわつら)漆器は残念ながら認知度が低く、そのため産地の衰退や、技術を受け継ぐ職人の後継者不足に悩まされています。このままいくと、近い将来には産地も職人さんもいなくなってしまいかねないとも思っています。
川連漆器とは、800年以上の歴史を誇る国の伝統的工芸品です。国産の木地を挽き、煙で燻す(いぶす)昔ながらの乾燥方法でお椀を作り、漆の流れ方を予測しながら、潤沢な上塗りの漆を塗ったままで仕上げる技法「花塗り」をとっている、とても貴重な伝統工芸です。この素晴らしい技術を絶やしてはならないと思っています。
そんな共通の想いを持った私たちは、「秋田県・川連(かわつら)の漆器を盛り上げたい」という願いのもと日本全国から集まった、学生と社会人7名からなるプロジェクトメンバーです。
新商品開発をして、販売を通して、川連漆器を盛り上げたい。
川連で70年以上続いている「漆工房 攝津」の三代目蒔絵師・攝津広紀さんと、全国で職人の後継者育成や伝統工芸の商品開発に取り組んでいる「ニッポン手仕事図鑑」の協力のもと、新商品の開発を合宿形式の「商品開発インターンシップ」という研修を行い、川連漆器の新商品の開発を実現しました。
その名も、「川連おわんおもし」。川連漆器の魅力がたっぷり詰まった、新しいかたちのペーパーウェイトです。この新商品を通して、全国に川連漆器の魅力を伝えて行きたいと思います!
そのためにも、「川連おわんおもし」の商品化を実現する必要があります。皆さまからのご支援を通して、商品化にこぎつけることが当プロジェクトの目標です。商品化へのご支援をお待ちしています。どうぞ宜しくお願いいたします!
■“半径2キロのおわんの国”=カワツラ
川連漆器の産地である川連は、秋田県南部の湯沢市にある小さな町です。川連漆器の歴史は800年前の鎌倉時代に始まります。武具に漆を塗ったことから始まり、江戸時代に入ると椀・膳・重箱といった生活用品を作る漆器産地に発展しました。現在も、主力商品である「おわん」を中心に、川連独自の技法によって堅牢な漆製品が作られています。
■川連漆器とは
川連漆器の製作は、半径2キロという小さな川連町の中で完結します。木地師、指物師、塗師、蒔絵師、沈金師……漆器製作に携わる全ての職人さんが集って暮らしています。小さな町の中ですべての工程を済ませることで、丁寧さと効率性の両立が実現します。これは、他産地には見られない川連漆器の特色です。
■川連漆器の現在
現在、川連漆器の売上は低迷しています。職人の高齢化・後継者不足も進み、特に木材をろくろ等で削り出し形状を作る木地師は残り4名となりました。
木地師以外にも、塗師・蒔絵師の新たな担い手は、現在いません。売上低迷と担い手不足という2つの課題が重なり、このままでは半径2キロのおわんの国で漆器を作ることが、不可能になってしまいます。
■実現したいこと
売上低迷・職人の減少によってこの先の未来が危惧されている川連漆器。川連漆器は他の産地の漆器に比べて知名度が低く、川連漆器を多くの人に知ってもらうことが最重要だと思います。
今回のプロジェクトでは、伝統を活かしながらも新しい視点によって漆器を見つめ直し、新商品をデザイン・開発しました。この新商品「川連おわんおもし」をきっかけに、川連漆器の知名度上昇を目指します。
そのため、「川連おわんおもし」の商品化が必須になります。ぜひこのプロジェクトを応援して、「川連おわんおもし」の商品化に力を貸してください。
■実現したその先に見えるもの
これまでにない新しい形の漆製品「川連おわんおもし」を通して、川連漆器や漆器自体を知らなかった方にも注目してもらえると考えています。
新商品が広まることで川連漆器の名が広がり、最終的には川連漆器の職人さんたちが今まで作ってきた既存商品の売上アップを実現させ、産地の活性化を目指します。
職人さんたちの仕事が増え、川連の町全体が活気づけば、800年の漆器の歴史も途絶えることなく、技術を未来に繋げられるはず。漆器作りに関わってみたい若者も現れてくれるかもしれません。
川連漆器の魅力がもっとたくさんの人へ届いて欲しい。
そのためにも、今回の新商品「川連おわんおもし」の商品化に力を貸してください。どうぞ宜しくお願い致します!
■商品概要
今回商品化を目指している、「川連おわんおもし」についてご説明します。
どんな想いで新商品を作り上げたか、どんな苦労があったか、お伝えしていきます。
「川連おわんおもし」は、川連漆器の主力商品である「おわん」の形状を意識して作られました。ただし、食器としてではなく文房具のひとつであるペーパーウェイトとして使用するプロダクトに仕上げました。
ーデザインの背景
川連漆器といえば、お椀。お椀は昔から川連で作られてきたプロダクトでした。今回の新商品提案にあたり、川連らしいお椀の形をまとったものにしたい。その思いを体現しています。
漆器で一番馴染みのあるものは、お椀やお皿、お重箱などではないでしょうか。食のシーンで使われることの多い漆を、今回のプロジェクトでは、もっと日常の中で取り入れられないかと検討しました。
議論を重ねた結果、大きさや使い勝手、そして漆の美しさを身近で感じてもらうためにも、文房具がよいのでは?とのことに。お椀✕文房具=文鎮、を思いついたのでした。
形はお椀ですが、内側をくり抜かず、ペーパーウェイトらしく木の重さを保持しています。お椀をひっくり返した向きで、書類やお札、書籍などの上においてみてください。
高台の内側も職人の手により程よく削ってあるので、このくぼみに小物を置いたりすることができます。
また、お椀を置いた状態で使うのも素敵です。平らな木の面に、ペーパークリップや、アクセサリー、小さなボタンや鍵などが置けるので、ちょっとしたインテリア小物にも変身します。
蒔絵のデザインもこだわりました。昔ながらの豪華な柄ではなく、現代のインテリアに馴染みやすいモダンでシンプルなデザインに仕上げました。共通しているのは「秋田県の日常風景」のモチーフであること。職人さんの手で、一点一点丁寧に描かれています。
とにかく、全てが手作りです。木をくり抜く生地づくりや、漆を塗り、蒔絵を施す全てを、一点一点職人が手作業で丁寧に作ります。
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カラー:漆器の定番カラーである、赤と黒をご用意しています。
材質 :イタヤカエデ、漆
サイズ:小サイズ(直径80mm・高さ50mm・重さ約108g)
大サイズ(直径65mm・高さ42㎜・重さ約63g)をご用意しています。
※天然素材のため、重さには個体差があります。
■絵柄
⑴無地
シンプルに漆器を楽しみたい方におすすめです。職人技による艶のある塗りは、時が経つほど美しさを増します。
⑵蒔絵
蒔絵とは、漆で絵や文様を描き、その上に金や銀などの金属粉を蒔いて漆器の表面に付着させる漆工芸の加飾技法です。今回は「秋田県の日常風景」をモチーフにしたデザインを蒔絵に取り入れています。
①金継ぎ風模様
金継ぎ風の模様でありながら、秋田県の皆瀬川の流れの一部を切り取ったデザインになっています。
②雪模様
秋田県といえば雪国。雪が降りしきる風景を、奥行きを出しながら表現しています。
③枯れ木模様
秋田県の冬景色の中にある、枯れ木をイメージしています。お椀をひっくり返すと線香花火のようになるデザインになっています。
ー使用例
ご自宅でペーパーウェイトとして
読書のおともに
書斎のデスクで
ショップカードを置いていただいても
オフィスでクリックなどの小物置きに
玄関先に
自由に、様々な使用方法で楽しんでいただけます。
プレゼントにもぴったりの商品です。
■これまでの活動
私たちプロジェクトメンバーは、令和5年9月5日〜7日に行われた、川連漆器商品開発インターンシップに参加しました。現地に赴き、工房を訪ね、漆器を作る工程を自分たちの目で見て、体験してきました。
その後も何度もミーティングを重ね、商品開発実現に向けて約半年間、活動を共にしてきました。
「どうしたら川連漆器の魅力を感じてもらえるか」
「どうしたら川連漆器の産地を盛り上げられるか」
つねにそれを念頭に置きながら、デザインを考えてきました。
3日間のインターンシップでは、実際に川連漆器の産地である湯沢市に集まり、工房見学や蒔絵体験等を通して理解を深めました。
※プレゼン時に使用した企画提案書の一部
そしてインターンシップの最終日に、プロジェクトメンバー各自が新商品アイディアのプレゼンを行いました。
各自が悩みながらも提案したアイディアをもとに、今回の商品開発の方向性を決め、その後もたくさんのオンラインミーティングを通して現在の形をした商品が出来上がりました。
商品開発のインターンシップは、ときとしてアイディア出しで終わってしまうことも多いと思います。
しかし今回は本当の商品サンプルを作ることができただけでなく、長期間にわたり川連漆器に携わるなかで、各自が川連漆器の魅力を深く知りより好きになり、その想いがかたち込められた商品になったと自負しています!
プロジェクトメンバーはさまざまな地域から集まり、異なる専門を持つ個性豊かな7人で結成。漆工房を主宰している漆職人の攝津広紀さんと意見交換を何度も何度も行いながら、ブラッシュアップをして、やっと形になりました。
■リターンについて
今回リターンでご用意したのは、全6種類・大小2サイズの「川連おわんおもし」です。
リターンのお届け時期は、2024年8月中を予定しております。
その他、まずは川連漆器に触れてみたいという方のために、手に取りやすい「和ごむ」もご用意。
これを機会におわんの国の「お椀」を使ってみたい!という方に向け、お椀も準備しました。
是非、本物の川連漆器をお手に取っていただけますと大変嬉しく思います。
■応援メッセージ
「産地を引っ張っていく、成功事例をつくりたい」
このプロジェクトは、攝津さんのそんな熱い言葉とともにスタートしました。
そして、打ち合わせと試作を何度も(本当に何度も何度も…)重ねて完成した「川連おわんおもし」。
ニッポン手仕事図鑑が過去に実施してきた『商品開発インターンシップ』から生まれた商品の中でも、コンセプトが本当に素晴らしく、ネーミングも含めて、個人的にも大好きな商品が誕生しました。
こんな素敵なアイデアが学生メンバーから出てきて、産地の職人さんが具現化し、これから多くの人の手に届く未来を考えると、今からワクワクしてきます。そして、本プロジェクトが伝統工芸の他の産地に“ひとつの成功事例”として届き、新たな挑戦への希望になることを、心から願っています。
おそらく、本プロジェクトに注目してくれた多くの人が、川連漆器を知らなかったと思います。
少し調べてみると「花塗り」「燻煙乾燥(お椀を燻す?)」と、面白いキーワードがすぐに出てきます。まずは「川連おわんおもし」に触れてみて、川連漆器を知ってもらい、一緒にその名前を広めてもらえると嬉しいです。応援をよろしくお願いします!
■資金の使い道
今回のクラウドファンディングでご支援いただいた資金は以下の目的で使用させていただきます。
・新商品専用のパッケージやロゴマークの作成
・新商品の販路開拓費用(展示会等への参加)
■実施スケジュール
3月20日~5月6日 クラウドファンディング
5月~7月末 (リターン商品の製造)・発送準備、一部リターン発送
8月中 お届け
※お届け時期にご希望がある方は、ご注文の際、備考欄にお書きください。
■実行者チーム紹介
協力:秋田県川連漆器工業協同組合
公益財団法人あきた企業活性化センター
Producer:攝津広紀(漆工房攝津)
Team member:市村音和、江坂由莉、王琦、高橋里緒、中嶋彩、中村忍、広瀬実咲(五十音順)
(参加者所属校:愛知県立芸術大学、秋田公立美術大学、筑波大学、宮城大学)
Adviser:大牧 圭吾・近藤勇気(ニッポン手仕事図鑑)
Editor:古園 麻子(ニッポン手仕事図鑑)
■最後に
【プロジェクトメンバーより】
2023年の夏から動き出した川連漆器の新商品開発が、ついに完遂しました。アイディアを出して終わりではなく、今回このように商品化に向けて動き出し、みなさまに届き、実際の声を聞くことができるかもしれない。そう思うと、今からとても楽しみです。
川連漆器を以前から知っている方はもちろん、川連漆器を初めて知った方、今回たまたまこのサイトを開いた方にまで、この「川連おわんおもし」という商品を通して、川連漆器の魅力を体感していただきたいです。
ぜひ新商品の商品化を実現させて、川連漆器の産地や、職人さんの想いを感じてもらい、産地まで足を運んでくれる人が増えることを祈っています。
応援のほど、何卒よろしくお願いいたします!
【漆工房攝津 攝津広紀より】
このプロジェクトの進行中に、若い頃12年もお世話になった石川県や輪島が大変な事になってしまいました。
現在、今出来る支援をしながら、これから何が出来るんだろうと考える日々です。
災害の大きさを伝えて発信する事はもちろんですが、輪島の産地が再興する際に職人ならではの支援や、漆器産地のみならず日本の伝統工芸が元気で続けている事も一つの使命ではないかと考えております。
私の活動する秋田川連では、漆器の芯となる木地屋さんが皆60才以上など、後継者不足が深刻な課題になっています。
今回、若い皆さんのパワーと感性を頂きながら、新たなアイテムを完成する事が出来ました。
現代生活の中でも使え、身近に触れることが出来ることで、木の温もりや漆ならではの質感を感じて頂くことが、秋田川連という産地の活性化に繋がり、いずれは作り手希望の方が現れることを期待しております。
オンラインショップ https://settu.theshop.jp/
オフィシャルサイト/経歴・受賞歴 https://www.urushi-settsu.com/#about
Facebook https://www.facebook.com/settsu0722
Instagram https://www.instagram.com/hiroki_settsu
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る朝日新聞・毎日新聞に記事掲載していただきました!
2024/04/30 09:00みなさま、たくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございます。クラウドファンディングも残り6日となりました! この度、このクラウドファンディングに注目頂き、「朝日新聞」と「毎日新聞」で記事を掲載して頂きました。(実際に掲載いただいたのは、少し前になります)※記事・写真の転載許可を得ています▼記事はこちらからご覧頂けます▼毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20240407/k00/00m/040/126000c※記事・写真の転載許可を得ています▼記事はこちらからご覧頂けます▼朝日新聞https://www.asahi.com/sp/articles/ASS487KZVS43OXIE001.htmlこちらの記事を見ていただいて、支援をしてくださった方もいらっしゃったかと思います。残り約1週間となりましたので、引き続きラストスパートとして発信をしていきたいと思います。みなさまにも、拡散のご協力いただけますと、とても嬉しいです。 もっと見る
ファーストゴール達成!ご支援ありがとうございます!!
2024/04/06 14:10公開から3日、当初目標に掲げておりました20万円を達成いたしました!ご支援いただきました皆様、本当にありがとうございます。現在も36名もの方にご支援いただき、川連漆器の名がみなさんに届いたこと。感謝の想いでいっぱいです。まだまだ全国に川連漆器の名を届け、漆器の良さを知ってもらうため、現在、ネクストゴールの設定を検討しております。準備ができましたら、改めてご連絡させていただきます。東京の方のみになってしまいますが、虎ノ門になる「CoCo JAPAN(東京ワールドゲート内)」にて、『川連おわんおもし』を展示中です。『川連おわんおもし』の実物を見れる、唯一の機会になっていますので、お近くの方はぜひご覧いただければと思います。今後もこちら、SNS等で発信してまいりますので、引き続き応援、拡散のご協力をいただけましたら幸いです。▼展示情報「CoCo JAPAN(東京ワールドゲート内)」https://www.cocojapan.jp/access/営業時間:9:00 − 19:00(月−金)住所:東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー2階アクセス:東京メトロ日比谷線 『神谷町駅』 4b 出口から地下通路直結で徒歩5分 もっと見る
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