2024/04/28 02:56

支援者の皆様こんにちは。

4月も終わりに近づき、いよいよ日本列島はGWに突入。
あと10日後にはACCELERATEのファーラムに参加していると思うと、いよいよ緊張感がグッと高まって参りました。

皆様の応援を胸にクラウドファンディング成立後から様々な方の助けをお借りして準備を進めていましたが、本日、その大きな作業の一つであるパンフレットが完成しました。
表紙はまさかの北斎!! 海外向けなのでクールジャパンで行く事にしました。


それにしてもこれは難産でした。

今までも、会としてこういったパンフレット、印刷物などは色々作成してきましたが、それらは主に一般の方々への啓発や政府行政への請願のためのものでした。

今回、見ていただく対象は、海外の支援団体だったり、研究機関の方です。待てよ? これは、これまでと同じ方法論で作ってしまっていいのか?と気がつくまでに時間を要し、予定より一週間は完成が遅れました。

とにかく悩んだのは、私たちが、これまで国への請願や啓蒙活動で訴えて来たような、日本の治療研究の状況への嘆きから来る要望を、そのままスライドさせて、この国際会議で訴えることが妥当なのだろうか? という点です。

それを海外の関係者に言ったところでどうなるのか?という根源的な問題に、どうしても突き当たってしまうのです。

そう、日本がたとえば未だ貧しい後進国的な立場であれば、そのような嘆きを訴えとして海外へ向けるのは妥当でしょう。自国民の力では、なかなかままならない貧しい医療体制への批判などには、彼らは同情もしてくれるでしょうし、人道的な観点から大きな支援を引き出すことは可能かもしれません。

しかし、衰退してきているとはいえ、未だ世界の経済ランクでは第4位の経済大国で、高額な薬剤も購入可能な国でありながら、
「なぜ、この重篤な希少疾患の研究が全く行われていないのか?」
「なぜ子どもたちを救おうと思わないのか?」
と彼らから問われれば、こちらは何も言い返す言葉はありません。

確かに欧米の研究は進んでいます。しかし、それは黙っていても自動的にそうなっているのではなく、研究者や支援者の血も滲むような日々の努力の結果として、そういった体制が維持できているという事に他なりません。

どう考えても、それと比較して、ここ日本では、この病気に関して克服のための努力が、(自分自身の活動も含めて) 全く足りなかったのです。基本的に、日本であまり研究が進まなくても、いつか海外で治療法を開発してもらえるだろう・・・というスタンスに甘えていました。

昨今の患者とそのご家族の、この「治験ラグ」による苦しみは、突き詰めればその努力の差によって生じているとしか思えません。

よって、ある意味でそれに関係して来た者の一人として、このパンフレットをどのような視点、立ち位置から、どのように作れば正解なのか、出口が見えずかなり悩む事になりました。

しかし、そうは言っても時間を巻き戻す事はできません。
そして背に腹は変えられません。どう考えようと、多くの日本の子どもたちの生命が脅かされている事実は、現実に重く存在するのです。

よって、それらの反省を踏まえつつ、今回の一度だけなら、例え、彼らから見てみっともない泣き言に映ったとしても、一度だけなら彼らに話を聞いてもらえるのではないか・・・。
その弱音をとにかくぶつけてみるしかないと考えました・・・。

現実として、長年に亘り努力を地道に積み重ねてきた、欧米の体制に、一足飛びに追いつくのはかなり難しいでしょう。
それでも、私たちも、今から地道に一つ一つ地面を固めて行くしかないのでは無いか。
その時に、ひとつの希望となり得るのが、多くの仲間の存在だと思っています。支援いただいた皆様も含め、今、全国各地でDIPG経験者が立ち上がっており、今回の計画も彼らからの多くの協力を得て、初めて成立したものです。
そのこともこのパンフレットには盛り込みたかった。

日本にもDIPGの子どもたちがいて、その家族も、苦しんでいて、悲しんでいる。彼らに最新の治療を・・どうかそれに協力してください・・・。
私たちも海外の皆さんと同様に、この病気に一矢報いたいのです。
そのために何かしていきたいという仲間もたくさんいます・・・これから協力させてください・・・。

自分には、最終的にはそのような形でしか、このパンフレットをまとめることができませんでした。
果してそれが作り方として正解だったのか分かりません。

しかし、何とかそのようなメッセージが少しでも世界に伝わってほしいと願っています。

パンフレットはACCELERATE参加後に海外発信用のホームページを立ち上げ公開する予定です。

それでは、10日後、行ってきます。
あ〜、緊張しますね(汗)