追記 2024年6月26日
<感謝>

プロジェクトの目標額¥2,500,000は、設定期間の約半分を残し到達する状況になりました。これはひとえに皆様のご支援の賜物と、心より感謝申し上げます。有難うございました。

<栃木市でお披露目>
修復された「平和を世界に」と新たに制作された同作品のレプリカは、本年8月栃木市でのお披露目企画イベントで、関連パフォーマンスとともに皆さまにご覧いただきます。詳細は、このサイト上の「活動報告」をご覧ください。

<広島、長崎、そして他の都市で展示会>
来年2025年8月、広島と長崎は被爆80年という節目の年を迎えます。この節目の年に、修復なった作品の展示開催が被爆した両市をはじめ、多くの地で催されるよう、皆さまのお力をお借りしながら、尽力します。

<最終日まで>
上記作品の展示会開催に必要な原資を確保する必要があります。当クラウドファンディングの最終日、7月 20日に向けて残された期間、皆さまのより一層のご支援、ご協力をお願いする次第です。どうぞ、宜しくお願いいたします。

                                                                                     プロジェクトオーナー 鈴木解子
2023年5月 鈴木賢二展「VALUE The 賢二 2023」 『平和を世界に』を見つめる高校生

鈴木賢二、どんな作品を制作?

1935年~1938年頃作「木のぼり」

鈴木賢二(以下賢二)は1906年(明治39年)、銀行家 父鈴木宗一郎、母キミの次男として栃木県栃木町(現栃木市平井)に生まれました。東京美術学校(現東京藝術大学)の木彫科に学びながら、在学中から “プロレタリア美術運動”に傾注、戦前は主として彫刻を、戦後は版画を中心に作品を制作、作品のモチーフはいつも社会の底辺に生きる労働者や農民であり、女性や子供でした。1987年、81才で生涯を終えるまで、賢二は一貫して”正義の実現”と”平和の希求”を作品に刻み続けました。


原水爆禁止世界大会と「平和を世界に」

1958年作「平和を世界に」展示用版
1954年、日本は広島・長崎に続き三度目の被爆をすることに。米国の水爆実験によりマグロ漁船「第五福竜丸」が“死の灰”を浴びたのです。この事件が契機となり、原水爆禁止の世論は国内外に拡がり、1955年「第1回原水爆禁止世界大会 広島」開催に結びつきます。賢二は1958年の第4回大会で、40葉の木版画からなる『平和を世界に』長尺版画絵巻(12m)を発表、参加各国代表は作品下部に原水爆禁止の決意を込め署名をほどこしたのです。加えて賢二は、帙入りの同作品を各国代表に贈り、その決意を共にしました。

「平和を世界に」帙入り携行版(各国代表に寄贈)


原水協から賢二への ”感謝状”
 ”感謝状” 全文

『版画絵巻「平和を世界に」は第四回大会を記念して、原爆の被災と原爆禁止を求める日本国民の念願を広く世界に訴えるために、鈴木賢二氏が三ケ月余の日時と私財を投じて、精魂傾けてつくりあげた作品です。この絵巻は第四回世界大会の会場で外国代表に贈呈され、また場内に展示されて、内外の代表たちに大きな感動を与え、また絶賛を博しました。いまや世界人共通の念願になっている原水爆禁止という問題を日本独自の版画という手法をもってまとめ上げたこの作品は、その芸術性と共に、この大作に打ち込まれた作者の運動に対する献身的な情勢が高く評価されました。この作品は外国代表によってもち帰られ多くの国で展示されて大きな反響をまき起こして行くことでしょう。同時に国内においても、この絵巻をもっともっと沢山のひとたちが鑑賞できるような方法が講ぜられねばなりません。その一つとして、出版することなどが考えられていますが、それに先立ち北海道の各地で展示会が独自に開かれることになったことは誠に喜びに耐えません。

この展示会は原水爆禁止運動を進め発展させるうえで、必ずや大きな役割を果たすでありましょう。日本原水協はこの展示会の成功を心からお祈りしてやみません。』

1958年9月20日原水爆禁止世界協議会  印


「平和を世界に」その今日性とは

1960年作「この子を返せ」


核兵器保有国は現在、広島・長崎に落とされた原爆の数千倍の破壊力のある核兵器を保有していると言われています。ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した戦争では、核が攻撃用兵器として使用される危険をはらんでいます。2023年5月~6月開催の「鈴木賢二展 VALUE The 賢二 2023」には、版画絵巻『平和を世界に』も展示され、多くの来館者の関心を引きました。同時に、この作品の借り入れの要望を複数受けましたが、制作後66年を経た作品の更なる劣化を考慮、お断りせざるを得ませんでした。



皆さまの”力”をお貸しください

作品「家族」を背に、鈴木賢二54歳頃   

1954年に3000万筆余もの原水爆禁止への国民の意思、そして1958年に賢二が『平和を世界に』に込めた決意、私たちはこれらの思いを受け止め、後世に引き継ぐ責務を負っています。核兵器としての原爆・水爆の使用が現実味を帯びている今こそ、原水爆禁止の意思を世界に発信しなければなりません。版画絵巻『平和を世界に』の修復とレプリカの制作に皆さまのお力をお貸しください。


応援団体・個人
このプロジェクトは、栃木県栃木市の「鈴木賢二作品室  如輪房」と、
その仲間たちが立ち上げ、以下の団体・個人の応援をいただいております。

・鈴木賢二研究会(栃木県栃木市) 代表 飯田昌夫

・ネットワークとちぎ(栃木県栃木市) 代表 佐山正樹

・とちぎ歌麿シアタープロジェクト(栃木県栃木市) リーダー 大木洋

・太平山麓九条の会(栃木県栃木市)

・広島文学資料保全の会(広島県広島市)

            代表 土屋時子
               永田浩三 四國光 大牟田聰 河口悠介

・川嶋均(自由と平和のための東京藝術大学有志の会)

・原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)  専務理事・岡村幸宣

・劇団「文化座」(東京都北区)  代表 佐々木愛

・認定NPO法人アウシュヴィッツ平和博物館(福島県白河市) 館長 小渕真理

・Sasquatchfabrix. Designer 横山大介

  順不同 敬称略

鈴木賢二 プロフィール

1906年 栃木県栃木市に生れる
1925年 東京美術学校入学(木彫科)
1929年 軍事教練反対のビラを学内でまき退学,日本プロレタリア美術運動に入る。

1929年 ”猩々” 東京美術学校”卒業”記念木彫作品。実際には卒業を前に退学処分に処された賢二ゆえ、この作品は幻の卒業記念作品となった。1932~44年 栃木にて、彫刻・版画・漫画等の創作活動の一方、地域に根差した文化活動に従事、”地域文化活動家”の 顔もみせた。

1938年日活「路傍の石」(田崎具隆監督)
栃木芝塚山ロケ隊記念撮影 妻子と共に

郷土の作家山本有三原作の「路傍の石」のロケ地誘致を日活にかけあい成功!撮影後、具隆監督とは終生の友に。

1945年 レリーフ「魯迅」制作

1945年作「魯迅」
  










魯迅に影響を受けて、賢二は戦後、創作活動の軸足を版画に置いた。中国版画の父と言われた作家、魯迅の影響を受け政治社会活動への版画の持つ力を教えられた。日本の戦後から高度成長期の政治経済の趨勢を顧みると、終戦の1945年に魯迅のレリーフを賢二が創ったのは、むべなるかなと思われる。

1946年 版画運動協会を結成
1954~58年 栃木県益子町に住み、陶芸・版画制作
1958年 『平和を世界に』制作  

1960年作「署名」(92cmX92cm)賢二が昨今の署名にまつわる、例えば2020年愛知県で起きた署名偽装事件を知ったら、こんな台詞をはいたに違いない。『あまりに“署名”を軽く扱っていないか』

1961~64年 東京雑司が谷のアトリエ・異人館に住み版画制作、国際文化交流活動等で多忙を極めた。
雑司ヶ谷「異人館」にて 1964年 脳梗塞に倒れ栃木に帰住、左手で版画制作。後にはスケッチ画「賢二とよしの花日記」を 亡くなる前日まで描き続ける。

1984年作「ぼたん」
1000点超の野草ペンスケッチを殘す
1987年 栃木市の自宅にて逝去、享年81歳
1997年 栃木市制60周年記念『鈴木賢二展』開催、同年 鈴木賢二研究会、発足
2000年 栃木県立美術館にて賢二作品を中心とした『北関東の版画運動展』開催
2007年 栃木市とちぎ蔵の街美術館にて鈴木賢二生誕100年記念『まなざしの先に』展開催
2017年 栃木市とちぎ蔵の街美術館にて『没後30年鈴木賢二展』開催

2018年 栃木県立美術館にて『没後30年鈴木賢二展』開催
「・・さまざまなイデオロギーのベールの向こうに、鈴木賢二の実に多彩で豊穣な表現世界が一つの全体像として浮かび上がる・・」当該展図録から引用

2022年 アパレルブランドSasquatchfabrix. (サスクワッチファブリックス)とのコラボ作品発表される。ブランドのデザイナー横山大介氏は、東京都現代美術館で賢二作品に遭遇、アパレル上に賢二作品をデザインし、自らのデザインフィロソフィーを世に問うた。

2023年 栃木市蔵の街市民ギャラリーにて『鈴木賢二展 VALUE The 賢二 2023』開催
賢二の生きた道程は、出会った対象をVALUE、大切にする彼の姿勢を見ずしては語れない。この姿勢で創作された賢二の作品が今日性を帯びているのはけだし、当然であろう。
賢二が額縁から跳びだしてきた!
リターンのコンセプト
・・・賢二を書き、持ち歩き、まとい、そして鑑みる・・・

・賢二木版画絵ハガキ8枚組セット
彫刻刀の先にはいつも女性、特に母親、そして子供,農夫、労働者がいました。戦前戦後の作品から8点を絵ハガキにしました。それぞれの作品に賢二らしいエピソードが隠されています。


・ハンドタオル
1950年代中頃、地元の業者に頼まれて”手ぬぐい”に「鶏」をデザインしました。美術作家でありながら、地元の中小零細業者に頼まれれば商品デザインを気軽に引き受けた賢二でした。この「鶏」をハンドタオルにしました。

・Tシャツ「花と女」
健康な女性の美しさが際立った版画作品をTシャツにデザインしてみました。
・Tシャツ「花かご」
1961年頃制作の、賢二の代表作のひとつ。大型の作品(102.5X93.5cm)をTシャツにデザインしました。彫刻刀による繊細な線が、籠や農婦の衣服、花々に見られます。
・額入り複製画「花かご」
上記作品を縮小複製し、額装しました。
1961年頃作「花かご」

・額入り複製画「たきぎとり」
ドイツの詩人、ツェーザル・フライシュレンの詩の一説「こころにたいようをもて・・くちびるにうたを・・・」。小説『路傍の石』などを書いた小説家、山本有三(賢二と同郷の栃木町出身)がこの詩を翻訳、賢二がこれを版画に刻みました。複製を額装しました。
・「平和を世界に」レプリカ展示利用権
2023年5月、栃木市において企画展「鈴木賢二展 VALUE The 賢二 2023」を開催し、「平和を世界に」を公開しました。多くの来館者がこの作品に大きな関心を寄せ、作品の貸し出し要請の声をいただきました。今回のクラウドファンディング発想の端緒です。レプリカを制作し、その利用機会の向上を期待します。

注)当該「平和を世界に」レプリカ展示利用権は下記の条件により運用されます。
1)利用権の利用期限:2025年8月31日迄
2)一回当たりの利用期間:8日間(作品の搬出/搬入日を含む)
3)移動に係る費用:作品の移動に係る費用は利用者の負担とする
4)利用日程:作品の利用日程を支援金決済時にご連絡下さい
4)その他:作品の取り扱いを含め、その他詳細については別途協議する


ご提供の支援金は修復等、下記の用途に活用いたします。

・作品「平和を世界に」修復費      
¥  700000

・作品「平和を世界に」レプリカ制作費
¥1400000

・作品お披露目会展示会とパフォーマンスイベント開催費用
¥  200000

・リターン関連費用            
¥  400000

・クラウドファンディング運用諸費用
¥  250000

・その他雑費用              
¥    50000

・自資
▲¥  500000
                                                    
 合計 ¥ 2500000


「平和を世界に」修復・レプリカ制作・お披露目  スケジュール

2024年4月5日 作品修復、レプリカ制作開始                              

6月3日 クラウドファンディング開始
7月20日 クラウドファンディング終了

8月中旬    作品修復・レプリカ制作終了”完成お披露目展”と ”パフォーマンス祈り” 

2023年「鈴木賢二展 VALUE The 賢二 2023」より9月~ リターン郵送開始                    

最後に

   1960年作「ひまわりと鳩」

このプロジェクトは、単に賢二作品を修復し保存するだけでなく、版画絵巻『平和を世界に』を通じて、原水爆禁止というメッセージと平和の希求という普遍的な価値をみなさまと共に強く共有していこうという試みです。一人でも多くのかたが『平和を世界に』に込めた鈴木賢二の熱い思いを共有されることを期待いたします。力強いご支援を心よりお待ちしております。

希望のシンボル「ひまわり」、平和のシンボル「鳩」。子どもをこよなく愛した賢二らしいほほえましくも、強い意思が伝わる作品です。


  

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

  • 広報/宣伝費

  • リターン仕入れ費

  • イベント運営費 作品修復費 作品のレプリカ制作費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

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  • 2024/06/29 17:02

    版画絵巻「平和を世界に」の修復作業と並行して、作品の貸し出しニーズに応えられるレプリカの制作も併せて進行中です。7月の中旬には制作業者さんから引き渡しを受ける予定です。今回は制作の一作業場面を写真でご報告いたします。レプリカは、修復オリジナル作品と共に、8月15日の終戦記念日に、栃木市の文化会...

  • 2024/06/12 12:05

    “二人のおときさん” 当該企画のプロジェクトオーナー鈴木解子(すずきときこ)は鈴木賢二の四女。大学で演劇学を専攻し、卒業後も地元でアマチュア演劇を主宰していた。当時、1975年頃、彼女たちが取り組んだ演目の一つに小山祐士作「泰山木の木の下で」があった。今年2024年1月、解子はある案件で賢二の...

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