『平岡手帖』の定期購読者を募るクラウドファンディング
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『平岡手帖』について。
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1年のうち300日以上を美術に出会うために歩き回っている平岡希望さん。
ここ数年は、毎年600カ所以上の展覧会に足を運び、その空間とそこにある作品1つ1つを熱心に鑑賞している。その動向はSNSでなんとなく目にしていた。最近では、かなり長い文章で美術との出会いを克明に記している。しかし、平岡さんの全貌は謎に包まれている。日々どんな生活をしていて、どんなふうに動いて、なにを考えているのか。そして、その美術への熱量はどこからくるのか。僕はずっと気になっていた。
美術と出会うために、全てを注ぎ込んでいるような人。そんな人が、1人くらいこの世の中にいてもいんじゃないか。いや、いてもらいたい。そして、そんな生き方を応援したい。そんな思いを数人と話しているなかで、平岡さんの手帖を公開して、日々の美術との出会いを記録発信していく『平岡手帖』という企画は面白いんじゃないかという話になった。平岡さんに話してみると、ぜひやってみましょう、という事になった。
展覧会とは、オーロラのようなものだ。その時その場所に行かないと出会えない。そして、その一瞬の会期が終わると風に吹かれた塵のように消え去ってしまう。そんな儚い展覧会というもののアーカイブとして、この「平岡手帖」が、もし5年、10年、続く事ができたならば、未来において日本の美術シーンを語るうえでの重要な資料になるのではないかと夢想する。
そして、美術に出会うために自らの全てを注ぎ、歩き回っている1人の人間のドキュメンタリー・ノンフィクション小説として読むことも出来るだろう。平岡さんの1ヶ月を1冊の小説のような形にまとめて、それが1年間12冊、毎月送られてくる。今回のクラウドファンディングでは、そんな『平岡手帖』の定期購読をしてくれる人を募りたい。
この「平岡手帖」を定期購読するという事は、少し大げさかもしれないが、美術という1つ1つの小さな出来事を、1人の存在を通して美術史に小さく書き残していく、そんな事への協力になる。ぜひ、多くの方に平岡さんのそんな生き方を応援してもらいたい。
きっと今日も平岡さんは美術に出会うため歩き回っている。こんな人この世の中になかなかいないと思う。だからこそ。ぜひ『平岡手帖』の定期購読をしての応援、よろしくお願いいたします。
(平岡手帖制作委員会_佐塚真啓)
【平岡さんからの自己紹介】
平岡希望(ひらおか のぞむ)と申します。現代美術、より広く言えば同じ時代を生きる方たちの作るものに興味があって、美術館/ギャラリー/オルタナティブスペースなどを一年中巡っています。そうして作品を見る、展示を見るということは、もちろん作品そのもの、展示そのものを見ることでもあるのですが、その日、どういうルートでその作品の前までやってきたのか、晴れているのか雨降りなのか、ほかのお客さんはいるのか、いたらどんな感じのひとたちなのか…ということすべてが、ひとつの経験として大事なもののように感じています。
私は普段、指の第1関節ほどの付箋1枚ずつに展示の情報(タイトル、会期、場所、休廊日…)を書いては、A5判の手帖、そのカレンダーの上に貼ったりはがしたりして、ひと月に巡る展示のスケジュールを決めています。そして、展示に行ったら該当の付箋を剥がして、カレンダーのその日の欄に、緑のボールペンでタイトルを記入する…ということを繰り返しており、ひと月が終わると、カレンダーは真緑になります。
そうして真緑になったカレンダーを見ていると、例えば1月9日に、ワタリウム美術館で「糸電話」を見たけれど、15日に行ったムサビ卒展でも「糸電話」を見かけたな…という具合に、ひと月に見た展示が、日付とは違う繋がり方をしていきます。そこには、展示だけではなく、その間にあった私的な出来事や、そこから考えたり思い出したりしたこともごちゃまぜになっており、そうして、一篇の“小説”みたいな心持ちで書いたのがこの『平岡手帖』です。もしお手元に届いた際は、ぜひぱらぱらとページをめくってみたり、カバーをはずしてみたりしてください。平岡は1月9日にこんなものを見聞きしたり、考えたりして過ごしたようだが、私はどうだったかな…という風に、その日を、ひと月を、一年を振り返るきっかけとなっていければ、嬉しいです。(平岡希望)
平岡さんのSNS
『平岡手帖』のinstagram
https://www.instagram.com/hiraokatecho/
【プロジェクト立ち上げの背景】
平岡手帖っていうの思いついたんだけど…どうです?と尋ねられたのは、たしか昨年(2023)9月22日金曜日のことで、その8・9月と、“国立でも奥多摩でも美術館でもない”国立奥多摩美術館では、南壽イサムさんの個展『花粉の季節』、そして佐塚真啓さんの個展『おばけ館_美術やしき』が同時開催されており、この日は最後の見納めをするべく最寄りの軍畑駅を降りた(2日後の24日には終わってしまうから)、ふたりの展示を訪れるのは、この2か月で4回目だった。奥多摩美術館に着くと、受付では、在廊中の佐塚さん(奥多摩美術館の館長でもある)と、このアトリエの一角で、「額縁工房 片隅」を営んでいる三熊將嗣さんがちょうど話していて、話を遮るように、私は挨拶しながら受付へ進む。と、三熊さんが、平岡手帖って…という冒頭の一言から始まるアイディアを話してくれて、私は、ええ、ええ、と他人事のように聞いていた、そこから『平岡手帖』は始まり、こうしてクラウドファンディングまで、自分の人生で絶対に関係ないと思っていたのにやっています。(平岡希望)
『平岡手帖』は「ハンマー出版」から発行されます。
○ハンマー出版(HAMMER PRESS)は2018年に設立された東京を拠点とするインディペンデントの出版社です。展覧会の記録集やフライヤー、作品集、アーティストブック、zine、などの制作をおこなっています。「紙の本を作る/残す」ことの意義についてアーティストと協働で検討し、編集、デザイン、印刷、販売といった工程を進めることによって独自の方法を模索し制作してきました。
https://www.instagram.com/hammer_press/
https://hammerpress.thebase.in/
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ハンマー出版は、平岡手帖制作委員会と共に企画から携わり『平岡手帖』のデザインと制作を担当しています。
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【『平岡手帖』を読むことは一筋縄ではいかない。】
平岡さんは、ここ数年の生活のほとんどを作品をみることに費やしている。日々歩き回りじっと作品と対峙し、それらの経験からイメージや思考が連鎖し、時間や場所が交錯しながら、一本の文章を書いていく。(12ヶ月分が連続で毎月本になり、それらの文章も一本になっていくだろう。) 読者はページをめくりながら、平岡さんの身体を借り、本の中を歩き回りじっと作品と対峙しイメージや思考の連鎖を(ページを)行ったり来たりしながら、時間や場所が交錯していく様を、体感することになるので、『平岡手帖』を読むことは一筋縄ではいかないわけである。 これらは文章が「紙の本」になることで、手で本の重さを感じ、ノンブルがときに地図の役割を担い、ページをめくり/もどることが手掛かりとなって、一人の人間が身体をとおして経験した時間を体感することができるのだと思う。 (ハンマー出版代表_下山健太郎)
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70名以上の方々から応援のメッセージをいただきました。このクラウドファンディングページに記載してしまうと、とんでもない量になってしまうので、上記のGoogleドキュメントURLからジャンプして、ぜひ読んでみてください。(随時追加予定。)
・『平岡手帖』定期購読>>8,500円(数量無制限)
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・『平岡手帖』定期購読への勧誘のお手紙>>3,000円(数量無制限)
・ 平岡さんからのお手紙>>10,000円 (数量無制限)
・『平岡手帖』定期購読+ 平岡さんからのお手紙>>50,000円 (数量無制限)
・『平岡手帖』定期購読+ 平岡さんからのお手紙>>200,000円 (数量無制限)
・『平岡手帖』定期購読+『平岡手帖(2024年度分)』にスポンサーとしてクレジット>>500,000円(数量無制限)
・『平岡手帖』定期購読+平岡さんと一緒に行くギャラリー散歩>>19,500円(数量:2)
・『平岡手帖』定期購読+平岡さんを連れて行くギャラリー散歩>>19,500円(数量:2)
・『平岡手帖』定期購読+作家作品(しおりサイズ・約148×50mm)+額装割引チケット>>20,000円
・『平岡手帖』定期購読+作家作品(ポストカードサイズ・約148×100mm)+額装割引チケット>>25,000円
・『平岡手帖』定期購読+クラウドファンディングページ掲載の赤石隆明撮影写真ポスター>>60,000円(数量:3)
・『平岡手帖』定期購読+平岡手帖制作委員会 代表 佐塚真啓 作品>>60,000円(数量:1)
・『平岡手帖』定期購読+ハンマー出版 代表 下山健太郎 作品>>60,000円(数量:1)
・『平岡手帖』定期購読+奥多摩美術研究所がオーダーメイド本棚つくります>>150,000円 (数量:2)
・『平岡手帖』定期購読+額縁工房 片隅の額>>15,000円(数量:4)
・『平岡手帖』定期購読+平岡さんの選書が毎月届く>>30,000円 (数量:5)
・『平岡手帖』定期購読_12ヶ月+「ハンマー出版」の本10冊セット>>30,000円 (数量:3)
○2024年
04月01日クラウドファンディング開始。
04月30日クラウドファンディング終了。
05月末日「平岡手帖4月号」発送。リターン随時発送。
06月末日「平岡手帖5月号」発送。
07月末日「平岡手帖6月号」発送。
08月末日「平岡手帖7月号」発送。
09月末日「平岡手帖8月号」発送。
10月末日「平岡手帖9月号」発送。
11月末日「平岡手帖10月号」発送。
12月末日「平岡手帖11月号」発送。
○2025年
01月末日「平岡手帖12月号」発送。
02月末日「平岡手帖1月号」発送。
03月末日「平岡手帖2月号」発送。
04月末日「平岡手帖3月号」発送。定期購読継続のお願いのご連絡。
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1年間定期購読者の方々には
2024年5月末~2025年4月末まで毎月末、前月の号を発送予定。
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○印刷費:約54万円
○取材費:約36万円
○デザイン費:約36万円
○発送費:約36万円(300部12回発送_想定)
○クラウドファンディング手数料(17%+税):約30万円
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【平岡さんから最後に】
佐塚・下山・平岡の3人は、これまでに3度、各自の家に集まって打ち合わせをしてきました。初回は昨年11月22日で、私の家にふたりがやってきたのは、打ち合わせはもちろんですが私の本棚を眺めること、普段どんな本に囲まれながら過ごしているかを見るためで、文庫本の小説(保坂和志さん…堀江敏幸さん…池澤夏樹さん…)が“積読”されている空間から、今回の『平岡手帖』、その文庫めいた佇まいが自然と決まりました。
2回目は今年の2月5日、場所は工房のような(実際にアトリエでもある)下山邸でした。11月から2月と間が空いたのは、まずは平岡が本当に書けるのか?ということを検証していたからで、『平岡手帖 2023年10月号』『11月号』『12月号』『2024年1月号』を、この2か月ちょっとの間でずっと書いていました。
打ち合わせでは、手帖本文の面白さを損なわない、でもより読みやすくするにはどうしたらよいのか?ということを話し合ったり、文庫の判型にふさわしい、なるべく小説の手触りが感じられるような紙を選ぶべく、3人で色々なサンプルをひたすら、これじゃない、あれじゃない、と触ったりもしました(ぜひ実物をお手に取っていただきたいです)。
そうこうしているとあっという間に21時過ぎで、集まった昼過ぎにはもう降り始めていた雪はすっかり、体感で5センチほど靴底が沈みこむくらいに積もっていて、世界的にも珍しいという、冬の雷まで鳴っていました。
このページに掲載されている写真は、写真家の赤石隆明さんに撮っていただいたものですが、赤石さんにお願いしたのは打ち合わせ3回目の3月11日、川べりで撮影するにはちょうどよい1日でした。その翌日は一転してまとまった雨でしたが、見本誌の『平岡手帖 2024年1月号』も刷り上がり、平岡家ではこの日から、家族総出でのカバー折りと、フライヤーの“緑の帯”巻きが始まりました(ハガキサイズのフライヤーには、本をイメージして緑の帯が付いています。まだの方はぜひ、吉祥寺・アートセンターオンゴーイングや、板橋・サブテレニアンにて配布中ですので、お手に取ってご覧ください)。
酷暑が徐々に落ち着きはじめた、それでも十二分に暑い夏の日の、まさに陽炎のように始まった『平岡手帖』ですが、コメントや、リターンや、写真を寄せてくださっているたくさんの方々のおかげで、形になりました。この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
そして、このページで初めて知ってくださった方にも、ぜひ“長いお手紙”として、『平岡手帖』をお送りできれば嬉しいです。よろしくお願いいたします。(平岡希望)
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企画:平岡手帖制作委員会、ハンマー出版、額縁工房片隅
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協力(順不同):
阿部龍一さん、赤木遥さん、池田諒さん、吉﨑有希絵さん、橋本優香子さん、松本玲子さん、齋藤春佳さん、小川希さん、東野哲史さん、柴田祐輔さん、山本篤さん、齋藤雄介さん、鷺山啓輔さん、阪中隆文さん、高石晃さん、うらあやかさん、小山友也さん、山下拓也さん、二藤建人さん、早川祐太さん、キンマキさん、渡邉洵さん、齋藤美卯さん、金丸知樹さん、高橋大輔さん、地主麻衣子さん、Aokidさん、ヤマモトオルさん、徳井志津恵さん、田中義樹さん、向井ひかりさん、南壽イサムさん、三熊將嗣さん、永畑智大さん、和田昌宏さん、古屋崇久さん、周山祐未さん、阿目虎南さん、谷口舞さん、上野悠河さん、東間嶺さん、吉川陽一郎さん、前田梨那さん、藤巻瞬さん、堀江和真さん、長廻亮さん、飯島剛哉さん、仁禮洋志さん、上田理絵さん、美秋 Meerkatさん、山岡さ希子さん、北山聖子さん、山﨑千尋さん、石田高大さん、赤井康弘さん、濵田明李さん、石川卓磨さん、工藤春香さん、杉野晋平さん、田中啓一郎さん、赤羽史亮さん、大橋鉄郎さん、山口法子さん、トモトシさん、三原回さん、ひだかもとさん、三木仙太郎さん、木下理子さん、矢野紗季さん、渡辺八畳さん、酒井一吉さん、李静文さん、青木野枝さん、赤池奈津希さん、見目はる香さん、中島水緒さん、KOURYOUさん、松岡はるさん、小山維子さん、佐藤熊弥さん、
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写真:赤石隆明
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---<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も計画を実行し、リターンをお届けします。
このクラウドファンディング終了後も
『平岡手帖』の定期購読はお申込みいただけます。
但し、その際は、12ヶ月(12冊)9,000円となります。
このクラウドファンディングで
お申込み頂くのが絶対にお得です。
ぜひ、よろしくお願いいたします!
このクラウドファンディング終了後、
例えば、2024年8月上旬にお申込みいただいた際には、
それまでに刊行している4・5・6月号を、
8月末にお送りする7月号とまとめてお送りいたします。
その後、随時毎号をお送りするという形になります。
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