15年目のSave the Birthday開催に向けて奔走中の実行委員長 田井中。走り回り続けてばかりで地に足がついていない!ここはひとつ喝を入れてもらおう!ということで
関西チャリティーフェスの大先輩、COMING KOBE実行委員長 風次さんに縁あって彦根にお越しいただきお話を伺った。
—COMING KOBE、Save the Birthday共に長く続いてきたイベントですが、意外にもお二人はほぼ初対面とのこと。まずはご経歴から聞かせてください。
田井中:近江八幡時代のCOCOZA(※野洲→近江八幡→現在の彦根に移転)でブッキングマネージャーをしてました。ちょうどカミコベの前のGOING KOBEが始まったくらいの時期です。
風次:僕は神戸のSTAR CLUBにいて、そこから太陽と虎をやってます。もともとバンドをやっていて松原(COMING KOBE前実行委員長 2019年にがんのため他界)に出会って、おもろい奴おるやんってなってそこから一緒にやってきました。松原と僕は同い年で、常にどっちが面白いボケを考えられるかをずっとやってましたね。ライブの打ち上げとかでもそうやし、それ以外の時も。そういう遊んでる感じのノリがカミコベの色にも繋がってるような気がするな。
田井中:STAR CLUB、遊びに行かせてもらってました。地元バンドが出るので一緒にくっついていった記憶があります。
—Save the Birthdayはまさにカミコベチルドレン、滋賀生まれカミコベ育ち。田井中がGOING KOBEを見に行ったことがきっかけで生まれたイベントですよね。
田井中:そう、無料やし遊びに行こう、って行ったんです。それで会場行ってライブ見て、何というか言い表せない感じで衝撃を受けて。そこから自分でもやりたい!って友達を誘って始めました。正直真似です笑 ずっとお話はしたかったんですけど、勝手に真似して怒られるんちゃうかなって思って勇気が出なくって…
風次:なんなんそれ笑 絶対なんかタイミングあったはずやん、言うて来てくれたらええのに。もっと早く連絡してよ!笑
田井中:今更ですみません、ほんまに人見知りなんです笑 フェスを主催してて人見知りって全然信用してもらえないんですけど。松原さんのこともGOING KOBEを始められる前から知っててほんまにリスペクトしてたんですよ。松原祭りとかやっておられたのを真似して田井中祭りをやってました。
風次:それは遠目で特に何も言わずにやってた?
田井中:そうですそうです。
風次:笑 まあバンドも最初はコピーから始めるし、やっぱり誰かは誰かのパクりなんで。全然歓迎です。
—AIR JAMみてハイスタにはまった高校生がバンド始めてついにフェス主催!みたいなストーリーですよね。
風次:でもそこから15年続くってすごいですよ。生半可な感じではできないでしょ。
田井中:最初はまず5年続けようと思ってやってて、5年目終わってその次は10年は続けようっていつの間にか、って感じですね。東日本大震災が起こったのもすごい影響してます。東日本大震災をきっかけに始まったフェスと思われがちなんですけど、2010年に1回目をやってるんでそれより前なんです。その後翌年3月に震災が起きて。正直2回目は無理かなと思ってたんですけど、せっかくチャリティーのイベントやったんやし被災地の役にちょっとでも立つなら続けようか、って。
風次:なるほどー。みんながチャリティーに関心をもったタイミングに、チャリティーのイベントがあるというのが重なったんですね。
田井中:ですね。続けるきっかけになったのは間違いないです。当時も、東北は大変なことになってるのに僕らは普通にご飯食べて布団で寝て生活できてるのにフェスやっていいのかな、どうなんかなというのは何年も悩んでました。「やらぬ善よりやる偽善」って松原さんが言っておられたと思うんですけど、すごいその言葉に背中を押されましたね。
風次:カミコベもほとんど同じような形ですね。昔、ガガガSPが「弱男の夕」ってフリーライブをやって、それ見に行って音楽でこんなこと出来るんや、って衝撃を受けたんですよね。1回目は阪神淡路大震災から10年目の2005年なんですけどチャリティーでやるってことの意味をどう伝えていくのか、ずっと苦労してました。それで5年目が終わって東北で震災があって。そこから出演者であったりボランティアの方たちであったり、関わってくれる人たちに気持ちが届きやすくなった感触はあります。
—カミコベは20年、セブザバは15年、それぞれ積み上げてきたものがあります。周囲からの期待も大きくなってきたのでは。
田井中:お客さんから来年も来ます、って声をかけてもらえたり、ここ数年地元の若手バンドから「セブザバを目標にやってます、出れるように頑張ります」って言ってもらえることが増えて、本当にありがたいです。その分プレッシャーも感じてます笑
風次:オーディションもこの前やってたよね。
田井中:そう、昨日一昨日(※対談時は6/24)でやってました。彦根の楽器店TiedMusicとCOCOZAで制作をしている、俺たちのステージへの出演をかけたオーディションです。2日間で20組の応募があって、枠は2バンドしかないんで勝ち取ってもらうしかなくって。仕方がないんですけど心苦しいなって気持ちはあります。
風次:僕らはバンド続けてたらいずれみんな出れるよ、みたいなスタンスで、出たい人がいつかは出れる、地元のバンドが初めて出れるフェスでいたいなと思ってて。発射台としてカミコベを使ってほしいなと。残念ながらオーディション落ちた子たちが、次の年に上がってきたりとかしてくれるのはすごい嬉しいですね。地元で戦える場があるってのは良いことやと思います。
—両フェスともチャリティーで入場無料にこだわり続けています。金銭的には当然ハードですし、有料にしたらいいのにという声もあると思いますが、そこへの想いは。
風次:カミコベも含めチャリティーでやってるフェスってそんなにたくさんあるわけじゃないし結構珍しい部類やと思ってるんで、セブザバは何を思ってやってるんかなっていうのは僕も知りたいですね。
田井中:僕自身が子どもが好きで音楽も好きで。それで子どもに向けた支援をしたい、今ちょっと懐がさみしいなって人でも参加してもらって、後々もし余裕が出来たら協力してもらえたらいいなという想いで、入場無料でチャリティーは死守してます。もう1つ大きな柱としては、自分がカミコベに与えてもらったきっかけと同じように、セブザバが滋賀の若い子たちに対して、チャリティーへの関心でもいいしバンドやりたいでもいいし、何らかのきっかけを提供できたらいいなと思ってます。セブザバ見て僕もフェス企画したんです、みたいな子が出てきたらめっちゃ嬉しい。
風次:クラウドファンディングもやって資金面で苦労はしてると思うけど、本来ならチケット買ってもらってやることを敢えて無料でやるっていうのはやっぱり人の気持ちがあるってことやから、うまく伝えていけると良いよね。
田井中:本当にそれは強く思います。僕が口下手の人見知りなんで苦戦しています笑
風次:もっと人を頼った方がいいよ笑 来年から色々やり合いましょ。同じ関西のチャリティーフェス同士、お互い良いことがあると思う。
田井中:ありがとうございます、ぜひよろしくお願いします!
15年の時を経て遂に繋がった関西のチャリティーフェス、カミコベとセブザバ。Save the Birthday開催に向けたクラファンの終了まで残り2日。なんとか15周年を成功させて未来に繋げたいです!
皆さま最終日まで応援宜しくお願いします!
PROFILE
風次 (FUUJI)
一般社団法人COMING KOBE2代目代表理事 / music zoo KOBE 太陽と虎 園長。2005年から続く日本最大級のチャリティーフェスCOMING KOBEを20回続け、ライブハウス現場KOBE太陽と虎の最前戦で出会ったミュージシャンを1年かけブッキングし続ける。
脳動脈解離で脳の血管に瘤が発覚しやや離脱意味。後継者を探し中。断酒&断煙でまだ粘るヒト科。
田井中(たいやん)
Save the Birthday実行委員会 実行委員長2010年から滋賀県彦根市でチャリティーロックフェスSave the Birthdayを開催。天性の不器用さと人見知りを発揮しながら、気合と根性で15年目を迎えた。
体力の衰えと戦う39歳サラリーマン。