2024/06/16 00:16

今回は、令和2年度 公徳会 詩の部門応募作品を紹介します。当時高等部1年生の部員作品です。


「アンサンブル」

     熊本県立盲学校 高等部 1年

アンサンブル

それは少人数での合奏のスタイル

私はアンサンブル部の一員


私は目が見えないので 楽譜がよめない

先生が教えてくださるリズムやメロディーを

記憶して演奏する

時々 音を覚えられず 思った音が

出せないときは とてもつらい

だけどそんなとき 周りのみんなが

もう一回やろうと 声をかけて

何度も一緒に演奏してくれる


指揮者のいないアンサンブルでは

リーダーのスッというブレスを聴いて

演奏を始める

この瞬間が 最も緊張する場面だ

周りの息づかいを聴きながら

テンポを整えていく

周りの音を聴きながら

自分の音を重ねていく

研ぎ澄まされた この瞬間

日ごろの雑念が 飛んでいく


音楽に込められた作曲者の思いや主張と

演奏する一人一人の解釈とが

ぴったり一致したとき

素晴らしい演奏が生まれる

アンサンブル 私のやりがい

アンサンブル