今回は、令和4年度 【矢沢宰賞創作詩 応募作品】奨励賞を受賞した当時高等部3年生部員の詩をお読みください。
「アンサンブル」
熊本県立盲学校高等部3年
しんと静まりかえった会場
鼓動が早まり 高まる緊張感
そこに響く演奏開始の合図 ブレス
ドドドドドーン
いよいよ演奏のスタートだ
六月四日 私は熊本県立劇場にいた
私は盲学校アンサンブル部の一員だ
この部には指揮者はいない
すべての演奏の始まりは ブレス
スーッス
お互いの息づかいを聴きながら
ひとつになっていく 心と演奏
私たちが生み出す世界観
私は三年ぶりに舞台に立っている
長く人前で演奏できなかったことや
体調を崩せないというプレッシャー
様々な思いが込みあげてくる
その気持ちをいったん落ち着けて ブレス
さあ
観客をアンサンブルの世界へ誘うのだ
しんと静まりかえった会場に
響きわたる 一人一人の音色
これが高校最後かもしれない
大舞台での演奏
何年もの間 積み重ねてきた練習
このメンバーで作り上げてきた絆
きっと大丈夫
私の青春 アンサンブル
これからもずっとずっと続いてほしい
盲学校アンサンブル部