「NGO被災地恊働センター増島さんと共に、能登の未来を共創する」能登半島地震発生直後から現地入りし現在も七尾市中島に留まり被災地支援の最前線で活躍する増島さん(写真前列右から2番目)。瓦礫撤去、生活支援、コミュニティ活性化、ボランティア受入など、その活動は多岐に渡ります。増島さんの活動は、地域住民やボランティアから厚い信頼を得ています。また、多くの学生ボランティアが彼女の元で活動に参加し、その後休学してまで活動を続ける学生も複数いるほどです。私たちReGenerationも、震災の影響で中島のキャンプ場の再生活動計画の停止を余儀なくされました。しかし、増島さんをはじめとしたボランティアの精力的な活動に触発され、能登ウェルネスリトリートの再始動を後押しされました。増島さんの活動は、物質的な被災地復興だけでなく、精神的(人の)再生にも繋がっています。これからも、ReGenerationは増島さんをはじめとしたボランティアの方々と共に能登の未来を共創していきたいと考えています。
キャンプ場 の付いた活動報告
被災地NGOセンター 代表 頼政良太被災地NGO恊働センターの頼政です。私たちは、七尾市中島町に拠点を置いて被災地の支援活動をおこなっております。キャンプ場の片付け作業も一緒におこなっています。私たちは、緊急的な災害支援だけでなく復興を見据えた中長期の活動をおこなうことを大切にしています。復興には、目の前の瓦礫を片付けるということだけではなく、被災された方々の生活にさまざまな「豊かさ」を取り戻すことが重要です。そのために、地域コミュニティの再生や地域活性化につなげていくための交流人口の増加も非常に重要な要素になります。このキャンプ場でのプロジェクトは、そのような復興の足場となるようなプロジェクトだと感じています。これまで、私たちが活動してきたさまざまな被災地でも、外部からやって来るボランティアの方々と被災された方々が交流し「出会う場」があることで、新しいアイデアや復興に向けた活力が生まれて来る現場をたくさん見てきました。このプロジェクトも復興のための「出会いの場」となるような素晴らしいプロジェクトだと感じています。ぜひ皆様、応援をよろしくお願いします。プロフィール1988年広島市生まれ。2007年、神戸大学に入学。同時に能登半島地震の被災地で災害ボランティア活動を始める。その後、中越沖地震、兵庫県佐用町水害、東日本大震災、熊本地震など計25以上の国内の災害救援活動に従事。2011年4月より被災地NGO恊働センタースタッフ。2015年5月より同代表。2023年3月兵庫県立大学減災復興政策研究科博士後期課程を修了。2023年4月より関西学院大学人間福祉学部社会起業学科助教。神戸学院大学非常勤講師。平成30年度兵庫県「若人の賞」受賞。
瓦撤去と再利用を通して感じたことこの度、能登復興留学に参加中の日本大学危機管理学部の井上さん、専修大学法学部の榎本さん、大阪経済大学の経済学部の鍋井さんと、兵庫県のボランティア団体「播州復興隊」の皆様と共に、七尾市中島の解体される納屋の瓦撤去を行いました。他のボランティア団体の方々と協力し、貴重な能登瓦を丁寧に撤去。これらの瓦は、能登ウェルネスリトリートにて再利用されることとなりました。ボランティアに参加された学生の生の声今回の活動に参加された榎本さんと井上さんの感想をご紹介します。榎本さん(専修大学法学部)初めて出会った人と共に協力しながら作業するというのは、私が想像していたボランティア活動であるので、貴重な経験をした。作業を共にするには、コミュニケーションが大切なことを学んだ。能登瓦はもう造り手が少なく、貴重なものであるので、この能登ウェルネスリトリートで再利用するように、色々なところで再利用した方がいいと感じた。能登の観光と結びつけて再利用、例えば瓦チップにして穴の空いてしまったところに敷き詰めたり、瓦の照明なども作れるようである。井上さん(日本大学危機管理学部)家の瓦撤去を行った。最近、能登では水被害がみられる。それにより、川がたびたび氾濫し周辺地域に影響をもたらすときがある。実際に風水害の被害を受け撤退することが決まった家の瓦はがしを行った。 また、海原さんが運営するキャンプ場に視察に行くこともできた。能登島・七尾市で今まで見た中で大きな被害を受けたと感じた場所だった。甚大な被害を受けているコテージがあり、隣のコテージの被害とは大きな差を感じ不思議に思った。管理棟も甚大な被害を受けていたが、オープンダイニングにしたいという願望や家屋を預かって有効活用したりなど今後の構想がしっかりと言語化されていてすごいと感じた。活動を通して得られたもの今回の瓦撤去活動を通して、学生たちは単に作業をするだけでなく、以下のことを学びました。地域とのつながり: 地域の方々との交流を通して、能登の現状や課題を肌で感じることができました。協力の大切さ: さまざまなバックグラウンドを持つ人々と協力し、一つの目標に向かって取り組むことの大切さを学びました。循環型社会: 廃棄物となるはずだった瓦を再利用することで、循環型社会への貢献を実感しました。災害の現実: 震災の爪痕を目の当たりにし、災害の深刻さを改めて認識しました。
皆様、引き続き温かいご支援をありがとうございます。能登ウェルネスリトリートでは、被災地支援とキャンプ場再生を両立させる取り組みを進めています。地震の影響で、能登地域では倒壊した家屋や庭の瓦礫処理が大きな課題となっています。そこで、ボランティアの方々が近隣で発生した瓦礫を回収し、キャンプ場再生に役立てています。七尾市中島に拠点を置く、被災地NGO協働センターのリーダーシップによりボランティアの方々が住宅の瓦礫や破損物などの撤去などに出動します。倒壊した建物から瓦を撤去。倒壊した家屋の庭の灯籠をはつり機などでトラックで運べる程度の大きさまで砕きます。回収された瓦礫が当施設に搬入されます。回収した瓦礫を人力で砕石へとくだいていきます。陥没し車両が通れなくなっていた施設内の舗装道路をこの砕石で補修し、車両の通行が可能になりました。(左)瓦もこのように砕石として補修に再利用今回の取り組みは、廃棄物となるはずだった瓦礫を資源として有効活用するだけでなく、ボランティアの方々との連携を深める良い機会となりました。これからも、地域と連携し、被災地支援とキャンプ場再生の両立を目指して活動してまいります。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
私たちは災害時の緊急支援団体として、元日から能登半島最北端の珠洲市に入り、行方不明者の捜索や物資支援などの活動を実施しました。現在、被災した地域で立ち上がった有志団体や災害支援のNPOと連携して、独自の復興支援プログラム「NPOパートナー協働事業」に取り組んでいますが、深刻な人手不足が被災地の復旧・復興の大きな足かせとなっています。未だ手付かずの家屋もあり、生活再建の道筋を見通せない人もいます。そうした中、被災前から計画されていたReGenerationの事業が、震災を機に地域の復興のために改めて開始されると聞き、希望を感じました。地域の事情を理解する人々の手によって、被災地とボランティアをつなぐ拠点を目指すこのプロジェクトが、地域の人たちとともに実施され、一日も早い復興につながることを願っています。公益社団法人Civic Force 代表理事根木 佳織<プロフィール> ねき・かおり 京都府宇治市出身。大学卒業後、NPOの職員としてアフガニスタンで難民支援に従事。国連機関に出向し、イラクの人道支援などにも携わった。2009年に災害時の緊急支援を専門とするCivic Forceを設立し、2022年から現職。佐賀市在住。