・信愛塾のあゆみ
信愛塾は1978年秋、横浜市中区にある中華街の一角で生まれました。それは何よりも、子どもたちが自分たちの文化に誇りをもちながら自立してほしい、基礎学力をきちんと身につけてほしいという保護者たちの強い願いによるものでした。こうして信愛塾は在日外国人と日本人が出会い交流し、共に支え合い、共に生きる社会をめざす具体的な活動の場として成長してきました。
さらに、2004年には、日本に居住する外国人の教育生活相談や学力・進路保障事業などを行いながら在日外国人との共生社会の実現に寄与することを目的としたNPO法人の設立に至りました。
現在、相談センター・信愛塾は在日外国人の子どもたちを中心とした子ども会、学力保障の場としての補習クラス、母語クラス、日本語クラス、そして在日外国人の人権や教育・生活相談等、在日外国人とともに生きる社会を築くための様々な活動を展開しています。
・信愛塾のミッションと活動
団体発足から45年間、一貫して「子どもの命を守る」ことを使命とし、「差別を許さない、差別をなくす」ための行動を続けてきました。信愛塾では子どもの利益を最優先に考え、一人ひとりの「背景に寄り添う」姿勢で保護者も含めて支援を行っています。そして国籍を理由とした差別などに声を上げてきました。現在も様々な関係機関や団体と連携し、地域からの持続性のある共生社会の実現を目標に活動しています。
「居場所」を利用した学習支援事業
日本に暮らす外国籍及び外国につながる子どもたちを対象にした「居場所」利用による学習支援事業。学校や地域社会で緊張を強いられる子どもたちにとって、安全で安心に過ごせる信愛塾は、家でも学校でもない第三の「居場所」です。そこでは母語による学習支援や日本語指導を無償で受けることができ、学習が終わった後はスポーツ・音楽などを楽しむことができます。言葉の壁にぶつかり、学校や日常生活でストレスを抱える子どもにとって心を解き放つ場となります。また貧困などで安定して食事を取れない子どもたちを対象に、食育研究家の協力を得て食事を提供し、フードバンクや関係団体の協力を得て食料品や日用品の提供も行っています。
伴走型教育生活相談事業
日本に暮らす外国籍及び外国につながる子どもの保護者を主な対象に、教育・生活・人権などにかかわる相談を、常設・多言語対応・無償で行い、具体的な解決を目指す伴走型の相談・支援活動を行っています。対応可能言語は英語、中国語、韓国語、タガログ語などがあり、相談件数は年間1100件を超えます。DV、貧困、在留資格などが複雑に絡み合った相談が寄せられ、解決には専門知識や経験、ネットワークが必要であるため、学校、児童相談所、行政の関係セクション、弁護士、行政書士などとの連携が欠かすことができません。こうした相談活動を行う中で複合的困難を抱えている在日外国人の自立を促し、内包する活力を地域社会に発揮出来るように努めています。
・社会的背景
出入国管理庁によると、2023年末時点で日本に在留する外国人は341万992人になり、前年に比べ11%増え、過去最多を更新したと発表しています(図1)。出入国管理庁発表資料によると在留外国人の国籍別では ①中国(821,838人) ②ベトナム(565,026人) ③韓国(410,156人) ④フィリピン(322,046人) ⑤ブラジル(211,840人) ⑥ネパール(176,336人) ⑦インドネシア(149,101人)の順となりますが、特にベトナム、中国、ネパール、インドネシアから来日した人が急増していることが分かります。また、在留資格で見ていくと ①永住者(89万) ②技能実習(40万) ③技術・人文知識・国際業務(36万) ④留学(34万) ⑤特別永住(28万)の順となり、中では技能実習(+79,616)、技術・人文知識・国際業務(+50,385)や留学(+40,245)が急増しています。
日本社会は、少子高齢化が急速に進行しており、それを補うような形で外国人人口が増大しています。企業は不足する労働力を、アジア各地からやってくる労働者に依存せざるを得ず、留学生や技能実習生としてやってきた人々を労働力の供給源としています。単純労働は受け入れないというのが政府の建前ではありますが、やがて結婚したり子どもができたりして、生活基盤を持った住民としての定住化が進んでいくことは目に見えてます。
現在、横浜市の外国人住民は約12万2千人で、およそ市民の31人に1人が外国人となります。横浜市が公開する市内在住外国人の統計を確認すると、2020年〜21年にかけて新型コロナウィルスの影響などを受け減少していた外国人の人口が、 2021年以降、再度上昇傾向にあり、2021年〜24年7月にかけて約22.9パーセント増加しています(図2)。こうした市内在住の外国人の7割以上は、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ネパールといったアジアの国々の出身者であることがわかります。
2024年7月末現在、横浜市の人口全体に占める外国人の割合は約3.2パーセントで、国の人口全体に占める外国人の割合が約2.8パーセントであることを考えると、横浜市に暮らす外国人の割合は国全体の割合よりも若干高いことがわかります。また、外国人住民の半数以上が18区ある行政区の中でも、中区、鶴見区、南区、神奈川区、港北区の5区に暮らしており、横浜市内でも一部の地域に外国人住民が集中して暮らしていることがわかります(図3)。
こうした人口統計からも分かるように、外国人住民が集中している地域(中区と南区の接点)に信愛塾があり、外国につながる子どもが6割にもなる近隣校などと同様、外国人との共生の真っただ中にあることがわかります。この地域で抱える課題は近未来の日本社会が抱える課題のさきがけともいえるでしょう。
・信愛塾が果たす役割
今、信愛塾では年間1,100件を超す外国人からの相談が寄せられ、相談スタッフのスマホにかかってくる相談はひっきりなしの状態です。現実は極めて厳しいと言わざるを得ません。
例えば在留資格や言語、家族関係、貧困などの様々な要因が複合的に絡み合って、DV、ネグレクト、セクハラ、医療、貧困、自死願望など様々な問題が起こっています。日本社会からの視線、外国人に対する理解不足や偏見もあります。このような背景を抱えた子どもたちは多くの困難を背負わされて暮らしています。子どもたちが安心して安全に過ごせるスペースは彼ら彼女たちの「居場所」であり、そこは学びや遊びや仲間がいる場だけでなく、時には食事の提供を受けるなど家庭でも学校でもない第3のスペースとしての役割を果たしています。また「居場所」を利用しての外国人相談は子どもたちの背景にある困難さを解消するための実践的な活動そのものです。困難な課題は関係機関と連携をとるなどして解決まで結びつける、そんなセーフティネットの役割まで果たしています。このような活動は外国人が増えてきている地域には極めて需要が高いと考えています。
行政はこうした地域活動を支えるためにNGO・NPOへのスペースの提供や財政支援などをもっと真剣に考えていかなければならないと思います。将来を見据えた外国人市民との共生のための施策はもはや「待ったなし」です。
・解決したい課題
このような担いきれないほどの需要に応えるためにはどうしても専従スタッフを増やすことが必要で、信愛塾で育った若者をこの2月からスタッフとして採用しました。大変大きな決断でしたが、何としても乗り越えていきたいと考えています。信愛塾が活動していくためにはスペースの維持管理、スタッフの人件費、事業の運営費、教育や生活面で困難を抱えている子どもたちへの直接的・具体的支援など諸々の費用がかかります。助成金申請なども行っていますが財政的には厳しい状況であることは変わりません。
収益を伴う事業がない信愛塾が45年間も活動を続けてこれたのは、多くの方々の熱いご支援があってのことです。私たちの活動にご理解をいただき、「共に生きる」社会を築くためには、そして未来を担う子どもたちのためにはどうしても信愛塾という「場」が必要になり、この「場」を維持を続けていきたいと考えています。
・資金の使い道
下記の費用の一部として使用させていただきます。
・人件費
・消耗品費
・印刷費
・広報費
・事務所賃貸料
・理事長からのメッセージ
・センター長からのメッセージ
・応援メッセージ
・スケジュール
2024年
10月 クラウドファンディング開始
12月 クラウドファンディング終了
2025年
2月 リターン実施
最新の活動報告
もっと見るクラウドファンディング終了致しました!
2024/12/17 11:09クラウドファンディングが終了致しました!皆様のご支援により86万円の集めることが出来ました。目標金額まで達成出来ませんでしたが、ここまで集めることが出来たのは皆様のおかげです!本当にありがとうございました。またリターンにつきまして、2025年2月より順次に配布していきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。 もっと見る
本日よりクラウドファンディングを開始します!!
2024/10/15 12:39いよいよ始まりました!!信愛塾の初めての試みクラウドファンディング!!応援をよろしくお願い致します!! もっと見る
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