◆ご挨拶◆
私たちは、社会派エンターテインメント作品を創り出すために、専門家や実際に行動をされている方々・現場の方々などをお呼びし、創作家のための勉強会を開催しています。
日常のその先、その少し先にあるはずの問題が、「社会問題」となった瞬間に、自分達から遥か遠くの、見知らぬ誰かの話になってしまいます。
私たちは、この社会に溢れる「いつの間にか誰かの話になってしまった自分の話」を創作家の皆さまと丁寧に創り上げたいと思い、シバイバという「場」を立ち上げました。
「難しいことを深く、柔らかく、ときに鋭く、人々の心に届く作品を作っていただきたい」
そう願い、権威主義的要素のない開かれた可能性の中で始めたこの「場」で、「日常と社会問題」「人々と社会」を結び付けるきっかけとなるような、18個の作品が生まれました。
私たちが掲げた想いに賛同してくださった4名の先生方、そして受講者の皆さまとの出会いがなければ、生まれることのなかった作品達です。
脚本家・演出家、そしてこの作品を形にしたいと参加してくださる俳優の方々や舞台スタッフの方々の力によって、これから演劇という形となっていきます。
この舞台を観てくださる皆さまにこの作品が届いた時、どのような現象が起こるのか、楽しみです。
6月末の演劇祭、そして今後のシバイバの活動に、ご支援・ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。
◆このプロジェクトで実現したいこと◆
今回の演劇祭では、上演にあたり、舞台を観るということに障壁がある方達に対して、その障壁を取り除くための工夫を可能な限り行いたいと思っています。
それぞれが異なる障壁を持っているということを前提に、こちらから押し付けるような形の配慮ではなく、知りながら、学びながら、当事者の方々との対話の中から必要なことを見つけ出していきたいです。
1.聴覚障害者の出演者、及び観客のために
今回の作品の出演者に、ろう者の方がいます。
シバイバとしては出演者の当事者性も大切にしていきたいという想いから、ろう者である俳優の方に出演していただくことにしました。
その際に必要なのが、稽古及び本番に同行してくれる手話通訳です。
俳優の出演料とは別に、手話通訳の費用がかかります。この部分に関しては、4月から内閣府より義務化されている「合理的配慮」に基づき、ろう者の俳優やスタッフも安心して創作活動ができる環境を作りたいと思っています。
また、観にきてくださるお客様の中にもろう者、難聴者の方がいらっしゃった場合を想定し、その方達にも安心して楽しんでいただける公演にしたいと考えています。
具体的には字幕再生のタブレット端末の無料貸し出し、またトークショーの手話通訳の手配などを検討しています。
2.ハラスメントのない稽古場作り
演劇の稽古場という狭い空間の中では、残念ながらあらゆるハラスメントが起きやすいと言わざるおえない状況にあります。また、どのような人も、ハラスメントをする側にも、される側にもなる可能性があります。自分の行動や言動が相手に不快な思いをさせる可能性があります。
そのことを理解し、自らの行動や言動が他人を不快にさせていないかに関して注意深くありたいと思っておりますし、参加する皆様にもそうであってほしいと考えています。
そんな思いから、今回私たちは合同会社syuz'genの植松侑子さんにハラスメント防止講習をお願いし、参加者の必須項目としました。
3.多くの方に作品を届けたい
主催者として当然の事ではありますが、携わってくださった皆様に正当な対価をお支払いする責任が私達にあります。その為には収益を上げる必要があるのですが、舞台は座席数と公演数が決まっているため収益の天井は明確です。そうなると収益を上げるためにどうしてもチケット料金を上げざるをえません...。しかしチケット料金を上げると敷居が高くなり、舞台を観たことのない方や若い方たちに見ていただくことが出来ず、“より広くより多くの方に観ていただく”という目的を達成することが出来なくなってしまいます。
多くの小劇場の料金が上がっている昨今、採算を考えればチケット料金を前売り7000円としなければならないところですが、少しでも間口を広めたいという思いから、今回、前売り4400円に料金を設定致しました。観ていただいた方にはこの金額は決して高くはないと思っていただけると思います。
良質な舞台を作るためにはお金がかかります。しかし質は決して落とすことなく、間口を狭めたくないというのが私たちの強い思いです。
そして、あらゆる立場の方達への配慮を踏まえた稽古場作り及び上演をしていきたいです。
4.オンライン配信
シバイバの講義を通して、「社会問題に関心があっても、向き合うきっかけがなかった」というお声をたくさん聞きました。
そのため今回の舞台では、ご自身の環境や状況に影響されることなく、まずは「知る」という機会を一人でも多くの方にご提供したいという想いから、演劇祭のオンライン配信を行うことを検討しています。
自分の問題と社会問題を繋げて考えるきっかけになるような作品を一人でも多くの方に見ていただくことで、社会を良くする、変えていくという実際の社会へのアクションに繋げていきたいです。
また、演劇祭ではトークショーも企画しているのですが、海外在住のゲストの方にもオンラインでご参加いただきたいと考えています。そのための配信環境も整えたいです。
◆今後、実現したいこと
今回の演劇祭を成功させ、今後も継続して社会性のある作品を創り出していきたいです。
そして、社会への実際のアクションに繋げていきたいです。
以上の理由から、このプロジェクトにご賛同頂ける方に資金のご協力をお願いするべく今回クラウドファンディングに至りました。
◆演劇祭の情報◆
公演期間:2024年6月25日-6月30日
会場:築地本願寺ブディストホール(東京都中央区築地3-15-1 築地本願寺内第一伝道会館2F)
◆公演スケジュール◆
公演の種類はチーム A からチーム Fまで6種類あります。
それぞれの公演は、3つの演目の上演(各 20 分以内)とゲストを招いてのトークショウ(20 分)で構成されます。
◆シバイバの活動について◆
シバイバに集まった創作家たちは、これまで次の4つの講座でいろいろなことを学んできました。
今回の演劇祭では4つの講義で学んだことをテーマにシナリオを書いています。
全てのシナリオは、各講師と対話や討議をした上で完成しています。
【三浦まり先生クラス】
まず上智大学教授の三浦まり先生のクラスでは、先生の著書「さらば、男性政治」をテキストにして、現在日本の、男性ばかりで行われる政治(=男性政治)によって、どんな問題が生まれ、とくに女性や子供たちやトランスジェンダーや、男性社会になじみにくい男性たちがいかに不利益を被っているか、そしてそのことが、ジェンダーに関わらず未来に生きる人々を苦しめる可能背があるのかを学び、それをどうやって変えて行ったらいいのかを、いち早く男性政治から抜け出している諸外国を例に学んできました。
【将基面貴巳先生クラス】
「従順さのどこがいけないか」というご著書のあるニュージーランド・オタゴ大学の将基面貴巳教授からは、民衆がいかに権力や権威に対して「従順になりやすいか」を学び、その結果としてどのような悲劇が生まれてきたかを学び、またその悲劇を避けるために、どのようにして「従順さ」をかなぐり捨てて、権力や権威と戦うべきなのかということを、そのような場面が描かれる名作映画を検証しながら学びました。
【稲垣諭東洋大学教授クラス】
「くぐり抜け」の哲学」というご著書のある東洋大学の稲垣経諭教授からは、「共感」に含まれる加害性を意識することを学び、そのうえで共感の「不」可能性を知りながらも諦めずに他者に歩み寄る姿勢を続けることの重要さを学び、おずおずとさしのべる臆病な手によってしか触れることのできない傷つきやすい現代という時代の核心に触れる方法を学びました。
【小説家・大前粟生氏クラス】
大前粟生さんの作品「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の主人公は他人を傷つけてしまう可能性のある自分自身の男性性に苦しみます。そういった男性の姿はこれまでの小説では描かれてこなかったものでした。本講座の参加者たちは、そのような姿勢を持つ大前さんと共に沢山の小説を書きながら、時代の変化を敏感に察知しそれをエンターテイメントの中に溶け込ませる方法を学びました。
▼学んできたものをどうするのか映画や演劇やドラマ、そして小説や漫画などにおいてもそうですが、重要なのは「物語」です。
シバイバでは学んできたことを「物語」にしていくことをまず行いました。
どれだけの参加者たちが物語を作ってくれるのか分からず、もしかしたら、2個とか3個とかだったらどうしようと不安の中で待っていたところ、なんと、49個もの企画が提出されて嬉しい悲鳴をあげることになりました。とはいえ、49個全部を作品にするのは非現実的すぎます・・・というので、皆で互いの作品を読み合って、講師も一緒になり、どれを作品にすべきかの投票を行うことにしました。そして、選ばれたのが、18個の「傑作の種子」たちです。今回、シバイバでは、この18個の企画を1つ20分程度の短編演劇にしてご披露いたします!
そして、次は見に来た沢山のお客様に選んでほしいのです。どれを一番長編にしてみたいのかを。その18個の「傑作の種子」たちを披露するのが、その名もまさに「SEED」未来のための種子を披露する演劇祭です。
【目標金額】
今回、目標金額 150 万円を目指します‼
ご支援いただいた費用は、「このプロジェクトで実現させたいこと」の実現のため、そしてより良い作品作りのために使わせていただきます。
【スケジュール】
◆6月25日から6月30日本番
◆7月の最終講座日
・7月4日18時-20時(稲垣先生)
・7月6日10時-12時(将基面先生)
・7月7日18時-20時(大前先生)
【最後に...】
演劇祭で上演する18作品は、17人の脚本家が書いています。
エンターテインメント業界にいらっしゃる方もいれば、まったく違うお仕事をされている方、高校生もいます。
シナリオという形のものを書くのは初めてという方もいらっしゃいました。
そのように背景がまったく違う方々が、シバイバの試みに主体的に関心を持って参加してくださったこと、そしてご自身の力で創意工夫しながらシナリオを書きあげてくださったことは、私たちにとって大きな希望となりました。
それはきっと、どなたかにとっては、ご自身が抱えている問題が自分だけの問題ではないのだと知るきっかけになったり、今のこの日本社会が抱える問題をご自身の問題として捉えるきっかけとなり得るのではないかと思います。
この「希望」を、一人でも多くの方に受け取っていただけたら嬉しいです。
皆さま、ご支援・ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。
ここまでお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
【公演概要】
公演情報も随時 SNS で発信しています。
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