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私たちについて
私たち自治医科大学 消化器一般移植外科教室は、所属医師数106人(2024年1月現在)の比較的大きな教室で、栃木県内を中心に38人の外科医師を地域に派遣し、地域の病院に就職している教室OBの外科医師21人とともに地域の外科診療を支えています.
外科医師のなり手は減少しています
がん診療や救急医療を担う外科医師数は減少の一途を辿っています.日本の医師数は医学部定員増もあり1994年230,519人から2022年343,275人と26年間で約11万人増加しましたが、外科医師数は1994年の28,209人から2022年は27,634人と減少しています.栃木県内の病院に常勤している外科医師数も2018年373人から2021年353人と減少しています.
また、2036年の診療を担う外科医師を確保するには年間1,139人を養成する必要があると試算されています.しかしながら、2018〜2024年までの7年間、外科専攻医(外科専門医を目指す医師)は年平均837.3人で、必要な外科専攻医の73%にとどまっています.栃木県でも若手外科医師不足は例外ではなく、栃木県の外科医療を維持するためには毎年16〜23人を養成する必要があると試算されていますが、最近7年間の外科専攻医は年平均10.7人に留まっています.
外科医師の業務は外科手術のみならず病棟回診や外来診察、がん化学療法や緩和ケアなど多岐にわたり、過重な労働環境であることが知られています.私達現役の外科医師は矜持を持って診療をおこなっておりますが、研修医の皆さんにとって人気が低いことは事実です.
このまま外科医師数の減少が進むと、日本のがん診療が滞り、地域の救急医療が提供できなくなることが強く危惧されます.外科医師の仕事の魅力を医学生、初期研修医に伝えて、多くの若手外科医師を確保し、将来にわたり日本の外科診療の持続可能性(sustainability)を確保することは極めて重要なことです.
成熟した外科医になるために
外科診療は日々進歩しており、新しい技術を導入することや高度な技術の習得、また日常診療に有益な学習を続けてゆくことが必須です.医師の働き方改革関連法が発効した2024年4月以降は、限られた診療時間の中で医療の質と安全を担保した診療を今まで以上に効率的に行う必要があります.その一方で、特に若手医師は手術手技を中心とした多くの研鑽が必要であり、自己研鑽の時間を最適化して診療技術を高め、患者さんにより良い診療を提供することを目指さなければいけません.そのためには若手医師に向けた系統的なトレーニングシステムを構築することが急務です.
外科診療における自治医科大学の取り組み
自治医科大学附属病院に勤務する研修医には、外科の魅力を紹介するプロモーションを行うとともに、専門機器を用いた定期的なセミナーや指導医による講習会の開催を行ってきました。これらの取り組みにより、当教室に参加してくれた若手外科医師は、日本外科学会 新専門医制度が施行された2018〜2024年の7年間で28人(年平均4人)と、着実に若手外科医を育成することができました。しかしながら、栃木県の外科診療を支えるためには十分な数ではありません.
私達が考える外科診療の未来
栃木県の外科診療を守り、さらに発展させるためには、若手医師が適切な勤務環境で診療にあたる環境を整備するとともに、継続的な外科診療教育を行うことが必須と考えています.当教室ではすでに労働環境の是正や自己研鑽の支援、病院間のネットワークの構築に努めてきました.これに加えてハンズオンセミナー、トレーニングセミナーを企画して「外科診療の魅力」を医学生、初期研修医に伝えていきたいと考えています.
若手医師が外科医として成熟し、後進の外科医に指導できるまでに多くの研鑽と技術研修を必要とします.しかしながら、特に手術手技の習得には適正な器材、動物やモデルなどを使用する必要があり、これらの取り組みを自己資金や公的な補助のみで行うことは極めて困難です.そこで、若手外科医師のリクルート、育成を目的としたクラウドファンディングを立ち上げさせていただきました.
本趣旨にご賛同いただき、ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます.
本プロジェクトで実施する予定の内容
このたび、当教室で第86回日本臨床外科学会学術集会(会期:2024年11月21-23日、会場:ライトキューブ宇都宮、ホテル東日本宇都宮など)で開催を主宰することになりました.本学会において、県内外の外科に興味を持っている医学生、初期研修医に参加していただくハンズオンセミナー、海外の著名な講師を招いての講演やレクチャーを含めたイベントを企画しました.
また、長く本学卒後研修センター教授として学生教育、若手外科医教育に尽力された米国人外科医師のAlan Lefor先生の遺志を受け継ぐ「Alan Leforメモリアルセミナー」を2024年から再開しました.このセミナーでは「開腹手術」、「胸腔鏡・腹腔鏡下手術」、「ロボット支援手術」を動物を用いて実施する予定です。
※実施内容はやむを得ない事由により変更になる場合がございます。
最後に
私たちのプロジェクトは、若手医師たちの未来を支えるために非常に重要な取り組みです。皆様からのご支援があれば、彼らがより高度な医療技術を習得し、患者さんのために力を発揮できるようになります。どうか、彼らの成長を応援し、医療の未来をともに支えていただければ幸いです。ご協力を心よりお願い申し上げます。
自治医科大学の佐田先生をはじめ外科の皆さんがお考えになる、栃木県の外科診療を守りたいとの思いに強く賛同いたします。下野市では市民の健康推進の取り組みとして「健康しもつけ21プラン」を策定しております。本施策における取り組みにがんの早期発見があり、がん治療において手術治療は大きな柱の一つであります。若手医師の育成を通して、自治医科大学が今後も高度な外科医療を提供していただくことを期待しております。
住民が必要とする医療提供体制を維持するために、外科医師数の減少については、小山市といたしましても、危惧しております。この取組が、栃木県の外科医療を支える若手医師の増加につながることを期待いたします。
新小山市民病院のような急性期の地域医療の拠点としての役割を担う中核病院では、外科診療を中心に日々診療を行っています。患者さんに安全でより高度な医療を提供できるよう、新小山市民病院は小山市と栃木県の外科診療を応援しています。
栃木県医師会は栃木の外科診療を応援します.
佐田先生をはじめとする自治医科大学外科の先生の医療に対する思いを応援したいと思います。私が以前から医療や福祉に深い関心を持っており、下野市議会議員として福祉に関する政策の立案を行ってきました。自治医大をはじめ地域医療が充実している下野市は市民にとって安心できる街と感じています。今後も自治医大外科に若い力が集まって栃木県の外科医療を支えていただきたいと思っています。
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