■はじめに
はじめまして。熊本県益城町にある津森神宮の甲斐晃徳です。津森神宮は約1500年の歴史ある氏神神社で、
私の父は59代目宮司の甲斐喜三男です。物心ついた頃から、父と共に神社の運営や神事、祭りを見守ってきたため、神社や地域に対する思い入れは人一倍強いと思っております。この震災で被災した多くの神社に自分なりの手助けがしたい。そんな気持ちから立ち上げたプロジェクトです。
熊本地震の震源地でもある益城町の神社は、その多くが木造であるため、被害は特に酷いものでした。神社の維持や運営は、通常であれば、氏子と呼ばれる地域住民の方々の寄付によって賄われていますが、今回の地震では地域の方々も被災されており、神社復興に注ぐ余力はありません。また、文化財指定を受けている一部を除くと、国などからの補助金も出ないため、再建や修復の目処が立っていません。
■神社の被害状況
益城町にある神社5社(津森神宮、木山神宮、惣領神社、安永神社、潮井神社)でも、破損は、鳥居、楼門、拝殿、神殿、石碑など多岐にわたり、その修復には、宮大工や土木業者の方々の専門的な技術が不可欠です。
このプロジェクトによって、主要な鳥居と神宮の修復をスタートさせ、再建の目処を立てていきたいと思っています。神社によっては、宮司自身も被災をされ、また高齢であることなどから「再建を諦めたい」という声も聞こえてきています。今、誰かが頑張らなければ、歴史と伝統がここで途絶えてしまうのです。木造の厳かな神殿と自然豊かな境内、そして鎮守の森を救うには、今、誰かが手を打たなければいけない状況なのです。
■コミュニティーの中心となっている神社を再建することが、地域の絆を保つ上でとても大切
一方で震災以降、当神宮にも、多くのボランティアの方々が来ていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。境内で炊き出しを実施してくださる団体もあり、そこには多くの地域住民の方々が集まりました。神社とは、このように、地域の方々の集まる“場”であり、それがどんな小さなものでも、田舎町の住民の“よりどころ”なのです。神社が荒れているのと、きちんと綺麗に整備されているのでは、住民の精神面に与える影響は大きく違います。
比較的被害の少なかった津森神宮では、6月30日に夏越の大祓茅の輪くぐりが執り行われました。これは、一年の真ん中の日に、半年間の罪やけがれを茅の輪をくぐってお祓いし、残り半年の無病息災を祈願するものです。地域の方々も多く集まってくださり、「久しぶりにみんなの顔を見ることができた」「気持ちが引き締まった」などの声も聞かれました。宮司である父が常々語っていた「節目ごとにある神事は、きっちりやらなくてはいけない」という言葉の意味を改めて実感した瞬間でもありました。
■資金の使い道について
150万円 : 主要な5社の鳥居または神殿の立て直しや、応急処置的な修復費
(宮大工や土木業者に依頼)
50万円 : 石垣用の石やコンクリート、または木材といった材料費
(ボランティアの方々の力を借りながら、自力での修復作業)
■リターンについて
資金提供をして頂いた方々には、神社の境内に寄付者として名前を掲示します。また、神社のお守りや御朱印、地域の氏子さんの作る日本茶、芋焼酎などを用意しています。合わせて、津森神宮59代目宮司による、被害状況のご案内なども予定しています。
■さいごに
地域の伝統文化を伝え、より所となり、住民の絆をつないで来たのはまさしく神社です。益城町の心のよりどころである神社をしっかりと再建し、地域の住民の心を励ますお祭りをこれからも続けていきたいと思っています。熊本の地震はまだ終わっていません。被災し、なお困難な日々を送る益城町の方々を勇気付けるために、皆様の志しが集まることを期待しています。
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