「かずおさん、サキュバスシーシャやろう、サキュバスシーシャ。淫魔がお給仕してくれるやつ」何を言ってるんだこのおじさんは・・・。この一年ほど仲良くやっている占い師のおじさんは、こういうお店やりたいらしい。淫魔・・・?淫魔がシーシャを出してくれるお店は風営法適応外らしい。確かに人じゃなくてサキュバスだしな・・・。なるほどそういう解釈もあるのか、さすが魔都歌舞伎町。沖縄も全く風営法機能してなかったし、エッチな悪魔がタバコを持ってきてくれても問題ないのかもしれない。それで怒られないならさかなクンの帽子を被らせた女は魚類だから5時まで営業できる・・・?思考が堂々巡りを始めたところで俺は考えるのをやめた。サキュバスシーシャ。申し訳ないけど淫魔の友達がいないんだよね。「サキュバスのおしr・・・じゃなかった、しっぽを見ながら水タバコ吸って5000円!めちゃくちゃ安くないですか?」その高名な占い師はまだサキュバスシーシャの良さを語ってる。奥さんに強めに怒られて欲しい。しかし、すこしシーシャ屋は気になるな。20歳くらいの頃、中島らもにかぶれて下北沢の大麻堂でボング作成キットを買ってきて、酒瓶で水タバコを楽しんでいた。今思えばめちゃくちゃいがらっぽい味だった。でも、タバコをほぐして詰めライターを当てながら吸う水タバコは、普段吸っていたマルメンライトと違って怪しい雰囲気がして、なんとも言えない楽しさがあった。下北沢の狭いシーシャ屋で深夜にAKIRA読みながら吸うシーシャも美味かったなぁ。最近はおしゃれな店も増えて、必ずしもサブカル系の若者だけの楽しみではなくなってるらしい。ああいうまったりできる店がポートフォリオにあったらいいな・・・。そんなことを考えていた4月の深夜1時、占い師のおじさんから一通のLINEが入った。続く。
1日目朝からの大雨は激しさを増すばかりだ。アーケードは収集を待つゴミが野良猫に荒らされ散乱しているが誰も気に留めない。いつも通りの清々しい高円寺の朝だ。今日の作業は解体。まずは既存の天井と前店舗がDIYで作ったカウンターを壊す。カウンターも木材で出来ているし、天井も石こうボードだという事は事前に確認済みなので簡単な作業だ。そう、思っていた。ドアを開けるまでは・・・。わぁ、全然片付いてない。今から解体するんだよ?天井落とすんだよ?これ大事なやつじゃないの?ねぇ割れるよ!?ダンボールとか空きビンは捨てておこう?小学校の工作の授業で急に必要になるから取っといてたりするの!?既存利用するソファもでーんと真ん中に置きっぱなしだし!解体屋さんが来る前に急いで片付けないと・・・とりあえず入るだけの物は手を付けない既存UBの中へ。大きいモノは工事区画では無いトイレ側の廊下へ。ん-、大物ソファは動かしながら工事するか。一旦奥へ動かそう!Wi-Fiの機械とかとりあえず一旦全部引っこ抜こう!設定とかよく分からんけど後で後で!ふぅ。何とか片付けた。本格的に始まった梅雨の湿気の中動き回ってもう汗だくなんだけど・・・。そこへ解体屋さんが到着。解体範囲を指示。「コレ、ハ?」「壊す!」「コレ、壊ス?」「残し!」パワフルさが売りのいつもの中国系の解体屋さん。とりあえず天井を落として内装イメージを変えるつもりの計画だけど、中がどうなってるのか分かっていなかったのでボードを剥がしてもらう。ああ、下地は軽天(軽量鉄骨を骨組みに使った天井の事)か。下地はそのまま生かして使えそう・・・あまーい。なんか奥から木材の野縁(天井の骨組み)でてきたーーーー!軽天と木材のハイブリッドォォォオォォォ!!なんだそれ!これだから古ビルは嫌だ!骨組みも一部を残し撤去に変更!現場の状況は常に動き続ける。現場は生モノ。とりあえず天井は撤去完了。はーん、なるほど。天カセのエアコンを軽天の下地ぶった切って無理やり木の野縁で吊ってたのね。続きはまた次回!