野球をやっているこども達に好きなスポーツは?と聞くと迷わず「Baseball!」と言ってくれます。
開発途上国ではボール一つでできるサッカーが人気であり、カンボジアもサッカーはプロのリーグがあります。これまでの写真や動画を見て頂いた方は子どもたちが着ているウェアを見て、サッカーのユニフォームだと気が付いたはずです。カンボジアのマーケットではどこに行ってもユニフォームが置いてあるくらい簡単に格安で手に入ります。そのためほとんどの子どもたちがスポーツをするときのウェアとしてサッカーのユニフォームを着ています。
一番こども達の目に触れることが多く、人気があるサッカーよりも野球が好きと言ってくれるのはとてもうれしいですね。
しかしカンボジアの母国語は英語ではなくクメール語です。
そう、カンボジアにはまだ野球、Baseballに当たる言葉がありません。
サッカーには母国語としての言葉があり、野球にはない…それだけカンボジアでは野球の認知度はまだまだ低いということです。
僕らがこういった活動を継続していくことで、こども達が「野球って面白いんだ」「野球ってすごいスポーツなんだ」「一緒にやろうよ」とこども達の中で輪が広がっていき、こども達のお父さん・お母さんにも「野球を始めてから挨拶がちゃんとできるようになった」「人と協調して物事を行えるようになった」「最後まであきらめなくなった」と野球が持つ教育的側面にも気づいてもらえたらなと思います。小さな事かもしれませんがとても大事なことだと思っています。実際に僕も小学校から大学まで野球を通じて多くのことを学び、多くのことができるようになりました。学校で学んだことよりも大切なことを学べたとも思っています。
そして今後の継続的な活動により小さな輪から少しずつ大きな輪となり、野球をする人、応援してくれる人がもっと増えていったらいいなと思っています。
カンボジアには経済的な理由で学校に通えない子どもたちがいます。
カンボジアの子どもたちは夢や目標がなく、うまくいかなければすぐにあきらめてしまう子が多いです。
恥ずかしがり屋で挨拶ができなかったり人前で何かをするということができない子もいます。
そんなこども達にも野球を通じて学校では学べないことを学び、人として大切なことを学び、夢や目標を持つ機会を作ることによってカンボジアの中で野球というスポーツが国民的なスポーツになっていったらいいなと思います。
そして、僕は近い未来カンボジア語で野球の意味のある言葉が生まれることを楽しみにしています。