自己紹介
こんにちは。ソフトウェアエンジニアをしております、kura と申します。
みなさん、誹謗中傷というと何をイメージされますでしょうか。著名人が誹謗中傷で自ら命を絶ったことをニュース等で見た方、誹謗中傷の被害に遭われた方、自分にはあまり関係ないと思われる方、様々なお立場の方がいると思います。僕は昨年から今年にかけて、誹謗中傷に遭いました。900 件を超える X のツイート、20 件のブログ記事、そして YouTube まで。これはたった一人の攻撃者によるものです。これらには多くの嘘が混ぜ込まれ、悪質な侮辱が毎日のように投稿され、ときに僕の妻や子供にまで「死ね」との言葉が投げられました。僕は 11 年続けた仕事をやめ、自分が受けた被害の回復に注力することにしました。下図は僕が予定している裁判の訴状です。全部で 1,200 ページほどあります。

僕は、誹謗中傷の被害者になることがどういうことなのかを、身をもって知ることができました。ふとインターネットを眺めれば、誹謗中傷をあちこちで目にします。僕は、被害者の方々がじっと我慢するばかりの現状を、改善するための活動をしたいと思うようになりました。
誹謗中傷をとりまく現状
「誹謗中傷を受けた経験がある」人は 40.7%、「誹謗中傷をしたと思う」人は 40.6%です(出典)。誹謗中傷は身近に存在し、誰もがその被害者になり得ます。誹謗中傷を受けた人のうちそれを「放置した」人は 54.3%、誹謗中傷をした人のうち「正当な批判・論評だと思った」人は 51.1% でした(出典)。誹謗中傷がいかに気軽な加害行為であるかがこうした数値からわかります。
誹謗中傷の被害者が、被害を回復させるために採るべき実質的な手段は、弁護士に相談することです。しかし、被害者は尊厳を毀損された状態にあるのです。「この程度のことで相談して良いのか?」「自分が受けた被害をちゃんと説明できるだろうか?」という心理的ハードルを超えなければなりません。そればかりか被害者は、このハードルは "これから超えなければならない多くのハードルの、最初の一つに過ぎなかった" と、後になって知るのです。
ただでさえ被害者は心理的負担が晴れない状態にあるというのに、弁護士費用などの金銭的な負担、打ち合わせ等にかかる時間的な負担があるのはもちろんのこと、裁判で勝つ保証もありません。仮に勝ったとしても賠償金が支払われない可能性があり、全てが終わった後にも攻撃者からの報復の恐怖が残ります。このように、被害者は誹謗中傷対策のスタートラインに立つだけで、いくつもの不安要素を抱えざるを得ないのです。これは大変な心労を伴います。こうした話は YouTube で細かく話したのでよろしければご参照ください。
法曹の業界に目を向けてみましょう。この業界は IT 化が遅れています。最近になってようやく進んできましたが、新しい技術は主に弁護士事務所に向けて投入されています。被害者に向けた被害者のための IT は、何も無いと言っていいような状態です。
悪質な誹謗中傷に対し、裁判所、弁護士、行政、捜査機関などが門戸を開いてくれています。しかし向こうから手を差し伸べてはくれません。なぜなら、誹謗中傷は、そうした第三者が勝手に介入すると被害が大きくなる性質があるからです。誹謗中傷の被害者は自分で動かないといけないのです。誹謗中傷と戦う気持ちを持てる人、誹謗中傷と戦う余裕がある人でないと、被害の回復には至らないというのが現実なのです。
このプロジェクトでやりたいこと
被害者の心理的な負担を最小化するとともに、被害者の尊厳を取り戻すこととを究極的な目的とし、本プロジェクトでは、その達成をサポートする iOS アプリの開発を行います。アプリの名前は「Fronts」です。

以下に、Fronts の特徴を4つ示します。
1. スクリーンショットの撮影
被害者が Fronts を使ってスクリーンショットを撮ると、Fronts は撮影日などの情報とともにこれを保管します。Fronts は、撮り溜めたスクリーンショットに基づいてイエローカード(警告)画像を出力します。この画像は、被害者が攻撃者に対し、不快の意思を表明するために用いるものです。攻撃者の一部はこれを提示するだけで誹謗中傷を止めます。もちろん(Fronts ではなく)自分で撮ったスクリーンショットも利用できます。

2. スクリーンショットはクラウドに保存
Fronts はスクリーンショットのデータを、被害者の管理下にあるクラウド上へ保管します。具体的にいうと、被害者アカウントの Google ドライブです。
スクリーンショットの保管をクラウドでやる理由は3つあります。一つ目の理由は、常に被害者が自由にスクリーンショットを管理できるようにしておきたいからです。二つ目は、スクリーンショットは大事な証拠データですから、常に最新のセキュリティで守られるべきだからです。三つ目は、弁護士との相談を円滑にできるようにしたいからです。クラウドに置いておけば、弁護士にスクリーンショットを渡すためにいちいち印刷する必要も、メール添付して送る必要もありません。弁護士に閲覧権限を付与すれば良いだけです。

3. 思いを書き留めるエディタ
Fronts は、被害者が率直な思いを書き留めておくためのエディタを持ちます。このエディタでは、特定スクリーンショットへの引用マークが使えます。被害者が自ら誹謗中傷に対する思いを書き留めることは、誹謗中傷にただ我慢するだけの状態から一歩を踏み出して向き合うために必要なことです。
そして Fronts は、そうして溜まった文章を、まとめて、整形し、一つのファイルへエクスポートします。このファイルは、誹謗中傷で受けた被害を弁護士に説明するための相談資料になります。法律相談は口頭ベースで行われるのが通常ですが、その際に相談資料があると、事情の伝達がスムーズに行えるため、被害者と弁護士の双方にとって有意義なのです。

4. Fronts がやらないこと、サポートしないこと
・Fronts は非弁行為を行いません。例えば、誹謗中傷の内容を AI で解析して不法行為にあたるかどうかの判断を示すなどの機能は実装しません。
・Fronts は被害者から利用料を取りません。とはいえ、収益が無いと継続的なメンテナンスが難しいため、いずれ何らかのマネタイズは必要になると思いますが、いまは考えてません。
・Fronts は証拠等のデータを外部に送信しません。Fronts が扱うのは極めてプライバシー性の高いデータです。これらを例えば Fronts 専用サーバ等へ送信するような機能があったら、安心して利用できませんよね。だからやりません。
現在の準備状況
・iOS SDK(iOS アプリ開発で実際どれくらい細かいことが出来るのか)の調査をしています。
・画面仕様ワイヤフレームの検討をしています。
・開発作業としてはまだまだこれからというフェーズです。
リターンについて
・お礼のメッセージ(メール) ¥ 3,500
・お礼のメッセージ(X) ¥10,000
・お礼の動画にてお名前掲載 ¥25,000
・アプリ&お礼の動画にてお名前掲載 ¥50,000
なお、本プロジェクトは All-or-Nothing 方式で実施します。目標金額を達成した場合のみプロジェクトが成立します。
スケジュール
8月 クラウドファンディング終了。
9月 アプリ開発開始。
12月〜翌年2月頃 アプリ完成予定。
最後に
「なぜアプリ開発なのか。誹謗中傷には、すでに専用の相談窓口があるのでは?」「誹謗中傷が嫌なら SNS をやめればいいのでは?」と思われる方もいると思います。それら対応には、言った者勝ちの結果にしかならないという問題があるのです。弁護士に頼って対策をするケースにおいても、コストが見合わないという問題があります。でも、そもそも被害者は、裁判で儲けたいと思っているのではなく、誹謗中傷をやめてほしいと思っているはずなんです。
僕がやりたいことはいわば、誹謗中傷に向き合おうとする人に、はじめの一歩を踏み出すための靴を提供することです。そうして一部の人が歩きだせば、それを見た他の人の中から、また、一歩を踏み出す人が現れるはずです。あちこちでそうした変化が起きたら、たぶん、いまツイートを投稿するぐらいの気軽さで、いずれ誹謗中傷に No! の意思を示すことが出来るようになるのではないでしょうか。
皆様の温かいご支援で本プロジェクトを走り切りたいと思います。
最新の活動報告
もっと見るお気に入り登録ありがとうございます
2024/07/12 07:34誰もみてくれないかと思っていましたが、お気に入り登録してくれた方がいて嬉しいです。ありがとうございます!本プロジェクトと直接は関係しないですが、本日、裁判の手続きのため裁判所へ行ってきます。本プロジェクトと並行して、僕自身も、誹謗中傷被害と向き合う取り組みを進めていきます。 もっと見るクラウドファンディング公開
2024/07/11 20:23本日、クラウドファンディング公開しました。よろしくおねがいします! もっと見る




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