こんにちは。一般社団法人Possible代表理事の松本はるなです。
現在、Possibleには、身体障がい・知的障がい・発達障がい・精神障がいの方が50名以上在籍し、日本の全国各地で働いてくれています。
お仕事内容は、動画編集・撮影・企画・接客など多岐にわたります。それぞれが得意なことを活かして挑戦してみたいことに挑戦する場所、それがここ、Possibleです。
障がい当事者でも、当事者の家族でもない、私がなぜ?
障がいのある方々と一緒に働き、彼らの人生に携わっていきたいと思ったのか・・・。
そのきっかけは、大学生のころに訪れた、ベトナム・ホイアンにある、とあるカフェでした。
ベトナムのホイアンは観光地としても有名で、とてもにぎわっている街です。
そんな中にポツンとあったカフェ。それが"reaching out tea house"でした。
ここで働いている方は、全員が聴覚障がい者。耳が聞こえず、音声で話すことが難しい方々です。
訪れたお客さんは、ブロックや筆談を用いて注文を行います。お客さん同士の音声会話もNGとのことでした。
そこで私も静かに友人とお茶を楽しみながら過ごしました。
そしてその時にふとこう感じたのです。
そこで働いている方々は、世間でいう「聴覚障がい者」のはず。
しかし、「音」を取り除いたこの環境において、彼らにはなんの”障がい”もありません。
そこで働いている人たちはみんなが生き生きと働いており、障がいだから・・・などと自分の可能性に蓋をしている様子は一切ないように感じられました。
「あ。環境次第で障がいってなくせるんだ」
そんな気づきを得た瞬間です。
この体験をきっかけに、私は障がいのある方の人生に携わり、彼らの雇用促進、そしていきいきと働ける環境を作っていこうと決意しました。
そんな私の念願が叶って今春ついにオープンしたのが、大阪・中崎町の「SHOJOカフェ」です。ここは、“静寂をたのしむ”をコンセプトにした和カフェで、総席数は16席ほど。
店内に音楽などはなく、人が歩く足音、抹茶を点てる音、雨音など、普段はかき消されやすい音たちが主役となり、ゆったりとした時間が流れていきます。
スタッフは、耳の聞こえない・聞こえづらいメンバーを中心に10名以上が在籍しており、「音」のない空間でみんなが自分らしく働いてくれています。
当店では、声での会話は控えていただく「SHOJOルール」を設けており、注文などのやりとりも、 すべて筆談ノートや指差し、手話などを使ったコミュニケーションをお願いしています。普段、手話に馴染みのない方でもスタッフとのやり取りや『お抹茶体験』を通じて、気軽に手話に触れることができる場。これは、このお店ならではの魅力ではないかと思います。
一方で、8月10日オープン予定のSHOJOカフェ&バーは、デジタルを通じてコミュニケーションをはかるカフェバーです。
店内には、株式会社アイシンさまの手がける「YY文字おこし」のツールと、それをカウンター越しに見える化する透明ディスプレイを設置。聞こえる人と聞こえない人の円滑なコミュニケーション を目指します。
耳の聞こえない・聞こえづらいスタッフもさらに10名以上雇用し、昼飲みを楽しんでいただけるよう、新たにアルコール飲料の提供も開始します。
今回、クラウドファンディングを始めた目的に、SHOJOカフェ・カフェバーの「サスティナブルな経営」があります。
2つの店舗を立ち上げ20名以上のスタッフを雇用する中で、私がもっとも大切にしていきたいと思っていることは、この場所を”持続させること”です。
場所を作って終わりではなく、しっかりこの場所を持続させていく。そうすることで、彼らの雇用を永続的に守っていくことが可能だと考えています。
そのためにも、まずはカフェとカフェバー両店舗の売上をあげていかねばなりません。
実際に店舗に足を運んでくださるお客様以外にも、遠方から応援したいとお声をくださるお客様へ向けて、なにかサービスを展開したいと思い、このたびクラウドファンディングを計画しました。
さらに、まだ構想段階ではありますが、来年の春ごろには、車いすユーザーや下肢障がいを持つ方々が働きやすいカフェなども展開していく予定です。
車いすを利用されている女性から、面接の際に言われた言葉です。
今のSHOJOカフェやカフェバーでは、まだまだ車いすユーザーに対する環境の配慮はできていないと感じます。
誰もが、自分の人生に対して色んな挑戦ができるよう、少しの環境の配慮を通して、それを実現していきたいと考えています。
2024年6月 物件の契約完了
2024年8月 SHOJOカフェバーOPEN
2024年8月 クラウドファンディングスタート
2024年9月 クラウドファンディング終了
2024年10月 リターン発送
誰もが自分の人生に無限の可能性を感じられたらどれだけいいことか。私は常々思っています。
障がいの有無にかかわらず、できないことがあると「私はこの程度の人間だ」と諦めてしまうことって、往々にしてあると思うんです。
ですがそこで、いやいや!!と踏ん張れる自分でいるためには、「私は過去にこんなことを頑張れた!」「こんなこともできた!」といった成功体験や自信が、必要不可欠なのではないかと思うのです。
ただ、自分一人では、新しいことに挑戦したり、殻を破るのは難しいかもしれない。だからこそ、その人に合った”環境”を整えていく必要があると思いますし、それが私の使命でもあります。
誰もが自分の人生に青天井の可能性を感じてほしい。
互いが高めあい、自分の人生の可能性を見つけていくー。そんな場所を、これからもずっと作っていきたいです。
どうぞ応援のほど、よろしくお願いいたします!
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