はじめに・自己紹介
ページをご覧になって頂きありがとうございます。
1984年から1985年の間に撮影された、黒澤明監督の映画「乱」の撮影に立ち会い、ドキュメンタリーの撮影を許可され、150時間にも及ぶ撮影動画の一部70時間を元に2022年「Life work of Akira Kurosawa 黒澤明のライフワーク」を公開しました、映画監督の河村と申します。
ドキュメンタリー当時の私は23歳、現在63歳となりました。
そして冒頭から少しショッキングなお話になってしまいますが、申し訳ありません。
私は2020年2月に胃癌、悪性リンパ腫を宣告されました。
一旦は回復したものの、2023年に小腸ガンにて悪性リンパ腫が再発。現在も通院という形で抗がん剤治療を行っております。
今回のプロジェクトは黒澤明監督に誰よりも人生に影響を受け、狂わせて頂いた人間として、私の命の残す限りの時間を使って彼の生き様、映画への向き合い方、そして人との向き合い方を後世に残すために起案しました。
150時間の現場記録の中で、2006年に当時の最新技術で復活した70時間のデータ、そして後に見つかり手付かずのままになっていた30時間のテープ、合計100時間分をHD画質で復活します。
そしてその100時間のデータを元に私が手がけた黒澤明のドキュメンタリー映画『Life work of Akira Kurosawa』を、アナハイム大学と共同でハリウッド映画監督を起用してリメイク。
英語版を製作・公開、その先に“人間黒澤明″の生き様を全世界に紹介し、彼の偉大な功績を後世に伝えたいと考えています。
ぜひご支援のほどよろしくお願い致します。
黒澤明監督「乱」と河村光彦「Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク」
まずはじめに黒澤明監督の「乱」、そして私河村光彦の「Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク」についてご紹介させてください。
第58回アカデミー賞4部門ノミネート/黒澤明監督「乱」
黒澤明監督の映画作品「乱」は、第58回アカデミー賞では監督賞を含む4部門でノミネート。
日仏合作で作られたこの映画「乱」は9年の構想期間の上、日本映画では当時最大規模の29億円の製作費をかけて作り上げられました。
乱は人間界の不寛容を神の視点で描いた作品。「なぜ人間は仲良く良心的に生きていけないのか」という黒澤明監督の嘆きを表現しています。
当時既に74歳となっていた黒澤明監督は「乱」が自身にとって最後の作品になると考えていました。
それまで映画づくりについて語ることは好まず
「作品自体で評価されるものである」
「言葉で説明するものではない」
と考えていたので、部外者の立ち入りを嫌っていましたが、自身の映画づくりを若い世代に伝えるため「乱」のロケではインタビューや取材に対しても積極的に応じ、ビデオカメラの立ち入りも一部に限り許可してくださったんです。
この現場に同行させて頂き、現場風景の撮影を行わせて頂いたのが私、河村です。(写真右)
映倫「次世代への映画推薦委員会」推薦/河村光彦「Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク」
続いて、黒澤明監督の映画「乱」の撮影現場を記録した映像を元に、私が作ったドキュメンタリー映画「Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク」についてご説明させて頂きます。
乱の撮影現場で撮影された150時間の内、70時間の録画テープを2006年に当時の最新技術で復活、2022年に映画化されたこの作品。
メディアの印象操作によって「怖い監督」とされていた黒澤明監督の姿はここにはありません。
まるで教師が生徒に教えを諭すように演技指導を行う黒澤明監督の姿、そして映画に対して真摯に向き合う姿は国内・国外問わず評価され、映倫「次世代への映画推薦委員会」に推薦されました。
失われた40年間の空白、復活の理由。
なぜ40年前に撮影された映像がこれまで世に出てきていなかったのか、それには訳があります。
「乱」の密着取材の現場で撮影された録画テープは150時間。このテープは乱の撮影が終了した後、黒澤エンタープライズにより所有・保管。
さらに、編集作業などで何度も移動が繰り返されるうちにマスターテープの所在がわからなくなってしまったのです。
そして時間は経ち、きっかけは1998年、88歳でこの世を去った黒澤明を偲ぶ会にて再会した当時の関係者と昔話をしているときでした。
このときのマスターテープ150時間のうち70時間だけは関連会社に保管されていることがわかったのです。
そして2006年、回収した70時間のテープを当時の最高画質で再現してDVDに。このときは自分の思い出として保存しておけばいいと思っていました。
あっという間に時間は経ち2020年、私は癌になりました。
自身の命に限りがあることに改めて気付かされたとき、残された自分の時間でできること、すべきことは何かと自問自答したときに出てきたのがこのテープの存在。
私の人生を大きく狂わせ、そして人生の指針をくださった「黒澤明監督の生き様、人との向き合い方」を後世に伝えたい。
こうして作られたのが、私の全てをかけた作品「Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク」です。
黒澤明監督の生き様、そして映画・人・人生への向き合い方を後世に伝えるために
私がLife work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワークで伝えたかったのは、決して黒澤明監督の映画製作における小手先技術の話ではありません。
作品の中で描かれているのは黒澤明監督の人と映画への向き合い方。それは黒澤明監督の生き様です。
黒澤明監督の映画への姿勢、そして人との向き合い方は全ての人にとって通じるもの。人生の指針を見出すことができるものだと思っています。
そして黒澤明監督が仰っていた言葉はLife work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワークにおいても表現されています。
そして私はこう思います。
黒澤監督が亡くなってからも世界の何処かで戦争は起きている
家族間の諍いも絶えない
「乱」に込めた願いが届いていない事をあの世で憂いているに違いない
黒澤明監督が「乱」を、そして映画と人生を通して伝えたかった思いをこの世に残し、そして世界に届けたい。
それが今回の『Life work of Akira Kurosawa』をハリウッド映画監督の手でリメイク、英語版を製作して全世界で公開したいという活動に至った想いです。
目標金額について
今回、クラウドファンディングの目標金額を300万円とさせて頂きました。
内訳として、既にDVD化された70時間と、後に見つかった30時間の合計100時間をデジタル化。
これらにかかる費用をクラウドファンディングのご支援という形で募らせて頂きます。
また、目標金額を越えて達成した際には映像化データの輸送費及びリターンの原価などに充てさせて頂きます。
今後のスケジュールについて
プロジェクト終了後、アナハイム大学との共同製作において、ハリウッド映画監督を起用し、英語版の製作に当たっていきます。
アナハイム大学は黒澤明監督の撮影に関する技術を学べる「Akira Kurosawa school of film」を創設した大学で、既にDVD化した撮影記録素材70時間分は既に教材として同大学で活用されています。
詳しくはこちらのYouTube動画をご覧ください。
2024年9月6日:クラウドファンディング公開(黒澤明監督命日)
2024年12月1日:撮影素材の再デジタル化開始(映画の日)
2026年3月23日:映画完成/公開(黒澤明監督ご生誕116年)
リターンのご紹介
続きまして、今回のクラウドファンディングのリターンをご紹介させて頂きます。
⚫︎未公開映像収録DVD1枚
⚫︎Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク日本語版DVD1枚
⚫︎Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク日本語版&英語版(未公開収録)Blu-ray1枚
⚫︎2024年2月8日(土)or9日(日)高円寺シアターバッカス上映会参加チケット
⚫︎オリジナルTシャツ「A」「B」
⚫︎【上映権付き】Life work of Akira Kurosawa黒澤明のライフワーク日本語版&英語版(未公開収録)Blu-ray1枚
⚫︎【上映権+河村同行付】日本語版DCPでの上映権(商業利用可)+河村同行つき
*Tシャツを含むリターンは上記のデザインと早見表を参考にお選びください
*配送が伴うリターンの発送は2024年11月を予定しております
最後に
ここまでページを読んでくださりありがとうございました。
最後とはなりましたが、私自身の想いについてお話させてください。
冒頭でお伝えさせて頂いた通り、現在私は癌の闘病を続けながら活動しております。抗がん剤治療の副作用で髪も抜けてしまいました。
こんな状態になってでもプロジェクトを思い立ったきっかけは、ある日に見た夢。
黒澤監督に「このドキュメンタリーの価値を伝えきれていない」と叱られたことも、このプロジェクトの原動力の一つです。
人によっては夢に出てきたことで動かされるなんて馬鹿げた話かもしれません。
しかし私が動き出すには充分な理由でした。
私自身の人生に指針をくれた、そして大きく狂わせてくださった黒澤明の想いを後世に残したい。
「なぜ人間は仲良く良心的に生きていけないのか」というテーマを描きたくて作品を作り続けたと仰っていた黒澤監督の精神を伝えたいと考えています。
そしてこれは、作品を通してしか語ることを好まなかった黒澤明監督にはできなかったこと、黒澤明監督の「姿勢」を撮り続けた私だからこそできることだと思っています。
このプロジェクトの目標は、黒澤明監督の真実の姿を世界中の人々に伝えることです。
このプロジェクトに共感し、支援していただける方々からのご支援を心よりお待ちしています。
あなたのご支援が、この貴重なドキュメンタリー映画を完成させ、多くの人々に感動と啓発を与える力となります。
ご支援のほど、よろしくお願い致します。
河村光彦
最新の活動報告
もっと見る池畑慎之介・ピーター(「乱」狂阿弥役)
2024/09/12 09:57このような映像が残っていることにびっくりいたしました。しかも大変な分量です!今年(2018年)デビュー50周年を迎えた私にとって、『乱』という作品は大きなターニングポイントです。ノーメイク、地毛での狂阿弥役。それまでの「ピーター」という「着ぐるみ」を黒澤監督が脱がせてくださいました。そして『乱』以後、役者としては本名の池畑慎之介を名乗っています。今回この映像を拝見し、撮影当時の数々の事・・・、ロケ現場の光景や思い出が次々に脳裏に浮かんできました。 今、デジタル化がこんなに進み、映画の作り方も変化してきています。そんな時代にこれだけのものが保存されていて、接することができるのはとても貴重な事と思います。「ありがとう!」 もっと見る
原田美枝子(「乱」楓役)
2024/09/09 16:26私は、『乱』撮影時の自分のところのメイキングが残っているとは、全く思っていなかったので、 今回それを見ることができたのは、新鮮な驚きでした。何度ダメだしをされても、なかなかそれに 応えられない自分がじれったく、黒澤監督の御苦労を思うと、胸が痛くなります。時間が経ち、 客観的に見ると、黒澤監督の繊細さがよくわかります。あらゆるパートに気を配り、最良のものに していこうとする集中力と忍耐力に、本当に頭が下がります。そして、全てのスタッフの動きの良さ!黒澤組の、あのピーンと張りつめた緊張感と、OKが出た時の喜びが懐かしく、今でも時々、黒澤組の現場に戻りたいと思ってしまうのです。そして、今の若い俳優さんやスタッフに、その現場を体験させてあげたいとも。 だから、このメイキングビデオが保存され、それを見るチャンスを残しておくことは、本当に貴重な財産になると思います」 もっと見る
音楽評論家のピーターバラカン氏
2024/09/08 09:49「ビートルズの「ゲット・バック」に負けない素材の量にびっくりします。とても面白い映画だと思います。役者からいい演技を引き出す黒澤明の力量、また作品全体のヴィジョンに改めて感銘を受けます。プロデューサー泣かせだったことが有名ですが、世界的評価に関して言えばいまだに彼を越える日本の映画監督がいないことはこの映像から十二分に伝わってきます」 もっと見る
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