プロジェクトPART3(最終回)を開始します!
いつもanother standardをご利用頂きありがとうございます。
これまでのCAMPFIREプロジェクト
『テキスタイルエンジニアが作る「ちょっと変わったカットソー」』(旧題)は、
支援者様、並びに、プロジェクトの周知にご尽力頂いた皆様のお陰を持ちまして、
沢山のご支援を賜ることができました!
心より厚く御礼申し上げます。
そして、7月はタイトルを一新し、
最終回としてプロジェクトを実施致します。
引き続き、ご支援を宜しくお願い致します。
初めまして、another standard(アナザースタンダード)と申します。
2023年より本格始動した小さなのアパレルブランドです。
ファーストプロダクトは、
シルクの特性と快適なストレッチ性を融合した、
オリジナルのシルクストレッチデニムパンツを作成し、
その肌触りと穿き心地で、ご好評頂いております。
・SSD Regular Tapered Pants 〈AGP-0122〉
・SSD Relax Tapered Pants〈AGP-0123〉
デザイナーはテキスタイルエンジニア(繊維技術開発者)として長年経験を積みました。
これまで、国内外の誰もが知る超有名ブランドから、
知る人ぞ知る拘りのブランドまで、
主に合成繊維を使用した多種多様な生地の開発を請け負ってきました。
各アパレルメーカーより参考となる生地のサンプルを受け取り、
それを顕微鏡など様々な器具を用いて分解・解析します。
作業で得た素材、糸、生地の構造や加工方法など、
全ての情報を纏め、織物設計書を作成します。
その設計書を基に原糸手配、糸加工、機屋・染色工場へ作業依頼し、試験反を作成。
仕上がった試験反を各メーカーへ納め、
各社で製品サンプルが作成されます。
これまで分解・設計した案件はざっと3,000件を超えます。
そんな作業の積み重ねで得たノウハウや経験から生まれる
技術者視点のアイデアを自らデザインした洋服に落とし込み、
製作したいと思うに至り、
このanother standardを立ち上げました。
another standardは、合成繊維を軸に
素材構成からオリジナルアイデアでものづくりしています。
今回、ブランド第2弾の製品として、
カットソーが完成しました。
テキスタイルエンジニアとしての最高・最善のアイデアを
詰め込んだこのカットソーのプロダクトオーナーを募集致します。
是非、ご支援頂ければ幸いです。
オーバーサイズのカットソーで、
製品の仕立て映えや保形性を考えると、
ある程度厚く重い生地(≒形が崩れにくい生地)を使わなくてはなりません。
それにより、どうしても製品自体が重たくなってしまいます。
これを合成繊維のチカラで解決したいという思いがアイデアの原点です。
そこで、応用しようと考えたのが、
一般的に言われる「ナイロン塩縮加工」です。
ナイロン素材に特殊な薬剤を反応させ、
繊維に極端な収縮を発現させる事で、
生地の硬化を促進し、風合いにハリコシを付与する加工です。
この手法は殆どの場合、長繊維織物のアウター素材に施されます。
その硬さの強弱は薬剤の濃度などで調整可能ですが、
最もハードな物は、床に立てたジャケットが自立する程の硬さです。
今回はカットソーの定番である綿天竺などの丸編み素材に、
ナイロン長繊維を組み合わせ、
綿の肌触りを立たせながら、
適度な硬さを出して生地の骨格を形成し、
製品の保形性と軽量感を得ようというアイデアになりました。
素肌に直に触れるカットソー。
作るからには、素材にも拘りたかったので、
綿糸はきめ細かい風合いが特徴である
超長綿にすると決めていました。
世界に数多存在する超長綿の中で、
数種類の超長綿糸をナイロン塩縮の試験加工で適正を調査した結果、
今回はインドの南端、タミル・ナードゥ州のみで栽培される
「綿の宝石」SUVIN GOLD(スビンゴールド)の紡績糸を選定しました。
全世界の綿品種の中でもトップクラスに繊維が長く細いSUVIN品種。
一説ではその元祖であるシーアイランド品種に繊維長では劣るものの、
繊度(細太)ではシーアイランド品種3.2μg/inchに対して、
SUVINは3.1μg/inchとも言われています。
※“The Cotton Makers Studio”HP参照
そのSUVINの中でも、
1番摘み、2番摘みの綿のみを、「SUVIN GOLD」と区分しており、
今回のカットソーで使用している紡績糸の原綿は
平均繊維長が39.5mm、繊度は3.0μg/inchとなっています。
故に肌触りは極上で、
蝋分や脂肪分が多いので、
独特のしっとり感があり、
洗濯による風合い変化が少ないというも特徴も有ります。
一般的な綿品種よりも生育期間が長く、害虫に弱い。
また手摘みで、収穫量も極めて少ない為、
SUVIN GOLDが世界市場に出回る量は綿全体の0.003%程度。
正に宝石並みに貴重な品種です。
SUVIN GOLDの相方となるナイロン長繊維も、
それに負けない程スペシャルを用意しました。
綿糸は紡績糸(短繊維)である為、
単純なナイロン長繊維との組み合わせでは
生地の質感や外観などに強い違和感が出てしまいます。
そこで考えた方法は、タスラン加工糸を合わせることでした。
「タスラン加工」とは、
糸の外観に紡績糸の毛羽を模した微細なループを有する加工糸で、
主に長繊維に施されます。
芯糸(軸となる糸)と鞘糸(外観ループを作る糸)の2本の糸で構成され、
外観も質感も紡績糸と親和性が高い加工糸です。
一般的にこの芯鞘の2本の糸は、
同一品種である事が普通で、
所謂、市販品も様々な物があるのですが、、
今回は、原糸メーカーも光沢区分も、
更に最小単位1本あたりの太さも異なる2本を使用しました。
芯糸は光沢が強いブライトタイプで最小単位の1本が太い物を、
鞘糸は光沢が最も鈍いフルダルタイプで最小単位の1本が比較的細いものを使用しました。
異なる2本のナイロン糸が1本の糸の中に混在する為、
染色後の発色に差が生まれ、
より緻密な色の深み表現が可能になりました。
また、今回、芯糸に使用したメーカーのナイロンポリマーは、
経験上、ナイロン塩縮加工による収縮挙動が最も大きい事を認識しています。
故に、ナイロン以外の異素材が混ざる構成でも、
塩縮加工の効果が得易いという利点もあります。
SUVIN GOLDとオリジナルのナイロンタスラン糸。
この2本を撚り合わせて1本の糸にし、
コンセプトのメイン素材としました。
勿論、この撚り合わせ条件も最善を考え設計しています。
また、製品の着脱時などで生じる生地の伸びに対して、
戻る力(キックバック)を高める為、
ポリエステル系のストレッチ糸も生地に組み込んでいます。
シルクストレッチデニムで使用したストレッチ糸と同じタイプで、
ポリウレタン繊維とは違い、経年劣化の心配が有りません。
このSUVIN GOLDと2種類のナイロンという構成を活かせる色として、
今回はチャコールのような少しフェードしたブラックを目指しました。
綿とナイロンでは、染まる染料が異なるうえ、
2種類のナイロンにも色差が発生します。
結果、生地の外観は、3種類の異なる色が混じり合う事になります。
「NIGHT」と名付けた今回の色は、
SUVIN GOLDは純粋な黒、
タスラン加工の芯糸は光沢が強い黒、
そして鞘糸はやや青みがかったグレーで染まっています。
このミクロレベルでの色差が生地色の奥行きと深みになっています。
一見、古着の様なフェード感がありますが、
古着やユーズド加工では表現し得ない複雑な色合い。
光源や見る環境によっても変化するその不思議な色を
是非、楽しんで頂きたいと思います。
試行錯誤を経て完成した生地の風合いは、
SUVIN GOLDの肌触りの良さが際立ち、
小慣れたオチ感(ドレープ)が特徴的です。
その中にナイロン塩縮加工によるハリコシが感じられ、
コンセプト通りの軽量感と製品の保形性も実現できました。
本能的に触れたくなってしまうような心地良さ。
唯一無二と言える生地が出来上がりました。
ラフに着て頂けるリラックスシルエットのカットソーを
H/S(半袖)とL/S(長袖)の2型、フリーサイズ、1カラーでご用意しました。
手の込んだ作りですが、日常使いできるうえ、家庭洗濯可能です。
〈DETAIL①〉
ブランドコンセプトである
“Textile Engineering for Functional Beauty”
を生地同色で控えめにパックプリントしました。
〈DETAIL②〉
通常のTシャツなどで見られる肩から首裏までのタコバインダーを、
敢えて首裏のみで留め、肩裏には、別途パーツを配置しています。
肩の縫い合わせ部分の肌への干渉を防ぎ、
ショルダーパーツのシームが前後の身頃に映え、
デザインアクセントとしても効果があります。
〈DETAIL③〉
両製品の首回りと、長袖の袖口は、
ボディと共生地ではなく、
リブ調の編み地を作成し、パーツにしています。
本当に手間の掛かる仕様ですが、頑なに拘った部分です。
〈DETAIL④〉
今回のカットソー用に、新たにネームタグを用意しました。
白地にシルバーグレーでロゴを乗せ、
控えめながら密かに主張するタグになりました。
N/C BA H/S(Half Sleeve)TEE
COLOR NIGHT
SIZE FREE
¥26,400-(tax in)
N/C BA L/S(Long Sleeve)TEE
COLOR NIGHT
SIZE FREE
¥28,600-(tax in)
〈混用率〉
・本体:綿53% ナイロン36% 複合ポリエステル11%
・リブ:綿49% ナイロン32% 複合ポリエステル19%
〈製品寸法〉
・H/S:バスト130cm 着丈75.5cm 袖丈26.5cm 肩幅58cm
・L/S:バスト130cm 着丈75.5cm 袖丈63cm 肩幅58cm
※誤差が生じる可能性が有ります
〈生産国〉
MADE IN JAPAN
〈洗濯表示〉
・液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
・漂白処理はできない
・洗濯処理後のタンブル乾燥処理はできない
・日陰でのつり干し乾燥がよい
・石油系溶剤(蒸留温度150℃〜210℃、引火点39℃〜)でのドライクリーニング処理ができる。弱い処理
・ウェットクリーニング処理ができる。弱い処理
・底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げ処理ができる
〈取り扱い注意事項〉
・火気の接近による表面フラッシュにご注意下さい
・プリント部分へのアイロンは避けて下さい
・濃色の製品は洗濯や摩擦などで色落ち、色移りの可能性があります
・着用や洗濯、保管の際は白系、淡色系の物との接触にご注意下さい
・極度の高温浴など洗濯の状況により、若干寸法変化する可能性があります
・加工の特性上、濡れた状態や多湿の条件下で風合いが柔らかくなる可能性がありますが、 乾燥させると元の風合いに戻ります
・着用状況によってはピリング(毛玉)が発生する可能性があります。 発生した場合は無理に引きちぎらず、小さなハサミ等で切除して下さい
・当製品は最終工程にてタンブラー乾燥を行っています。 製品のヨレやねじれ、歪みや上下左右の寸法のずれなど発生している可能性がありますが、ご了承ください。
〜7月末:CAMPFIREにてクラウドファンディング実施
10月中旬〜末:リターン製品お届け
リターン製品作成費:約16.3万円
手数料(17%+税):約3.7万円
テキスタイルエンジニアとして、
考え得る最高を詰め込んで製品を作っています。
衣服として見た目にインパクトのあるデザインや特徴は有りませんが、
目に見えないミクロの世界から、
しかし確かに肌で感じる上質さを、
独自の素材の構成で作っています。
また同時にバックボーンを活かし、
合成繊維の可能性を更に広げて行きたいとも考えています。
他のアパレルメーカーとは異なる服作りへのアプローチですが、
是非、皆様ご自身で製品に触れて頂き、
ブランドコンセプト
“Textile Engineering for Functional Beauty”
に共感して頂ければ大変嬉しく思います。
少しでも多くの方々にanother standardを知って頂きたく、
情報拡散やご支援を賜れますと幸甚です。
何卒、よろしくお願いいたしいます。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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