”文化”を取り巻く課題を見つめ、持続可能な在り方を提案する。
ワークスペースやシェア型書店、イベントスペースなどを取り入れた「複合文化交流施設」のオープン。
はじめまして、Sanzuiの沖と申します。
プロジェクトに興味をもっていただきありがとうございます。
また、ここ数日ではDIC川村美術館の閉館といった驚くべきニュースも入ってきました。
本は売れない、ミニシアターや演劇、美術展には客は入らない、公共文化施設は常に集客に課題を抱える…。「基本的に貧しい」というのが、文化的なビジネスに関する一般的な認識であると思います。。
売上を確保するためにエンタメに置き換えたり、行政の補助金を頼ったり、文化施設・関係者はそれぞれのやり方で生き残るすべを探しています。
さて当プロジェクトは、こうした”文化”を取り巻く課題を見つめ(あるいは課題そのものを見直し)、解決のためのアイデアを出し、持続可能な在り方を提案することを目指すべく立ち上がりました。
ここ神戸長田の街にてワークスペース・イベントスペース・シェア書店の入った…複合文化交流施設を立ちあげたいと思います。
「複合文化交流施設」の詳細
早速、施設の詳細をお話いたします。
まず場所ですが、兵庫県神戸市・長田エリアにある物件を予定しています。
JRでは新長田駅、神戸市営地下鉄海岸線では駒ヶ林駅の辺りにあります。
既に物件は建っているのですが、都合により具体的な場所や実際の写真をお見せすることができません。
イメージCGパース画像を頂戴しましたので、そちらを掲載いたします。
2階建てのとても広々とした開放的なスペース・内装で、人々が集うにはうってつけの建物です。
駅からも近くアクセスもそこまで悪い場所ではありません。
さて、次にフロアマップと複合文化交流施設内で行われる具体的なサービス内容をご紹介します。
・オープンスペース:椅子などがある休憩エリア。読書や会話をゆっくり楽しむことができます。
・クリエイティブ&D.I.Yワークスペース:文具や工具が置いてあるワークスペースです。日曜大工から作品制作までそれぞれの用途に合わせて自由に使うことが出来ます。
・イベントスペース:ワークショップやトークイベントなどを定期開催するイベントスペースです。開催している各イベントに参加することが出来ます。
・シェア型書店:複数の棚・区画を異なる棚主が担当出品しながら、みんなで運営する書店。施設内でゆっくり本を読むことが出来ます。
さて次に交流スペースのシステムをご紹介いたします。
この施設はまず入場料をお支払いいただきます。その後は滞在時間に対して課金されていくというシステムです。以上が「複合文化交流施設」のご紹介となります。
なぜ「複合文化交流施設」をやりたいのか&自己紹介
ここで一度自分たちの紹介をさせてください。そして、その説明の中で施設立ち上げに至った過程もお話しします。
改めましてこんにちは、大阪を拠点に活動しているSaznuiという小さな企業の代表である沖と申します。
読んでいただきありがとうございます。
今は大阪に住んでいるのですが、沖の出身は神戸です。
神戸は自分にとっても思い入れが深い街で、海も山もありとても好きな街です。
そんな神戸で施設の立ち上げに繋がる、さまざまな経験をしてきました。
話は高校時代にさかのぼります。夏休みに、神戸のアートセンターであるKAVC(現:新開地アート広場)での演劇プロジェクト「Go Go high school」にたまたま参加することになり、アートセンターというものの存在を知ります。そこから関西エリアの文化施設やアーティストを調べ、見るようになり、元町にあるミニシアター・元町映画館での学生による映画宣伝隊「映画チア部」、須磨パティオにあるユースプラザKOBE・WESTでのライブイベント企画運営など、さまざまなプロジェクトに参加していくようになります。
”文化活動を通じて、ひととまちが繋がる”ということを肌で感じる10代でした。
そんな折、神戸長田にある「ふたば学舎」という地域人材育成を目指した交流施設と親しくさせていただく機会に恵まれ、共にプロジェクトを進める立場になっていきました。また、某アートセンターに勤めたこともあり、神戸の街の性質から公共文化施設の役割、具体的な仕事などを知っていく中で、魅力的な面だけでなく課題も見えてくるようになりました。
まず僕が単純に思ったのはこうした施設が「本当に文化をひらく拠点」になっているのかということです。
アートセンターや交流施設というのは基本的には”文化をまちにひらき”ます。しかし、”ひらく”という言葉の割には来場者や利用者の少なさが目立ちます。加えて、来場してくるのは僕やアート関係の同業者のような常連ばかり。地域に住む知り合いに話を聞いてみる限り認知力もそこそこ低いのではないかと感じました。
大衆・市民のこと、届ける相手のことをもっと観察して、企画だけでなく従来の施設の運営の段階でももっと人と関わろうと頑張る、工夫する。そうしないと”ひらかれない””必要とされない”のではないか。と考えるようになりました。
ローカルとグローバル、単発イベントの運営と継続的な箱の運営、民間と行政、公共性と私的領域、アナログとデジタル…そうした対比の関係が生まれる場所に身を置き、”文化をひらく”とは何かが自分の中でテーマになっていきました。
そして、Sanzui立ち上げ後、初イベント「ふたばZINEフェス」。個人制作の出版物=ZINEをはじめとして、出版社や書店、まちで活躍する作家等が集う一日限りのフェスイベントを開催しました。
基本的には好評の声をいただきましたし、来年度以降もまちのイベントとして継続して行っていきたいと考えています。しかし、イベントにはイベントならではの課題や限界があり、公共文化施設の限界というのもあります。
そこで改めて、民間として収益をあげたり、実験をしたりできる場を作って、”文化をひらく”ことを考える。そんなことをしなければならないと思い至り、「複合文化交流施設」のプロジェクトが始まりました。
”文化をひらく・持続するため”のシステム、この施設でどんな実践をしていきたいのか。
その1:”滞在時間に対して課金する”集金モデルとそれにまつわる運営方針の導入。
この施設で最も特徴的なのは、”滞在時間に対して課金する”という集金モデルです。僕は施設の運営において、この集金モデルとそれにまつわる運営方針を導入することが、文化におけるいくつかの課題を解消し、持続可能なものにしていくのではないかと思っています。まず、このシステムを導入している理由は3つです。
1.イベントの価値・効果を高める。
2.若手作家・インディーズ支援
3.考える時間をつくる。文化の啓蒙活動
1.イベントの価値・効果を高める。
文化交流施設の運営において、必ずと言ってよいほど開催されるのはイベントです。イベントの開催はまちおこしにもつながりますし、若手作家などの支援、市民活動推進の側面もあります。また小規模であれば結構気軽に開催ができるというハードルの低さもあります。一見いいことづくめのようにも思えますが、蓋を開けてみると、集客に困っていたり、盛り上がらないなど、それぞれが課題を持っているような気もします。
当施設でもイベントの開催を行いますが、上に記載したイベントにまつわる背景を踏まえて、仕組みを変えて実践する必要があると思っています。
特に僕が注目し、変更を加える必要があると思うのは、イベントにおける”開催時間”です。
イベントをつくるとき、我々は無意識に、また施設の営業時間や料金体系、人件費、利益の面から”制限時間”を設けてしまいます。しかし経験上、イベントにおける”制限時間”は参加者・登壇者共に、あまりいい経験をもたらしません。
トークイベントであれば”これから盛り上がるかも!”というところで強制終了してしまうし、ワークショップでは”要領得てきてもっとチャレンジしたい”というところで終わってしまう…。基本的には、イベントの盛り上がりや学び、考える時間を阻害するものとして機能してしまうからです。しかし本来は、トークイベントで登壇者がもっと喋りたいなら4.5時間でも話せるようにするべきですし、ワークショップで参加者と講師のコミュニケーションによって、想定してないレクチャーがはじまったら第二部を始められるようにすべきではないでしょうか。
「みんなが疲れたら帰りたくなったら終わる。」というのがリアル空間のイベントの本当のあるべき姿だと考えています。
イベントというのは”生モノ”なので、本質を考えると脱線に対応する環境を作っておき、そのうえで作るのが非常に大切だと思います。
”盛り上がらなかったら早めに切り上げる。”
”盛り上がったら延長する”
”二次会や感想戦もその場で出来る”
”疲れたら帰る、疲れるまで滞在できる"
などなど…。
というわけで、当施設はイベント開催において”体験を妨げる”ことがないように作っていきたいと思っています。具体的には「〇時間なので、○○という内容で○○円だ」といったイベントの作り方をしません。その代わり施設(イベント会場)の滞在時間に対して課金します。それにより、開始時間を決めても終了時間を決めないイベントの開催が可能になり、それぞれの都合でイベントの参加時間を決定できるため、進行における脱線に対応ができ、よりイベントの価値や効果が深まると考えています。そのうえで売上も期待できます。
2.若手作家・インディーズ支援
イベントの話の延長線上になりますが、この仕組みは若手作家やインディーズへの支援にもつながります。例えば、作家の個展やワークショップなどはそれぞれ集客・売上面での課題があると思います。若手作家になればなるほど動員は難しい。
また参加者にも同じことが言えます。「よく知らない人のイベントやワークショップに参加して、損しないだろうか、果たして面白いのだろうか…。」「○○円も払って参加する価値があるだろうか…」とよくわからないものには、なかなか足を運びづらいと思います。
これは”あるある”だと共感してもらえるのではないでしょうか。
そこで解決策として有効なのは、単独のイベントやワークショップの参加費で集金せず、滞在時間による売上から分配するというシステムです。(まだ具体的な制度は設計していませんが)
そのためチャレンジもしやすくなり、売上・集客の課題も多少改善されるのではないかと思います。
参加者にとっても参加しやすい土壌が出来上がっていると思います。
特に魅力的なのは、イベントの外部でも”若手作家・登壇者”と”参加者・聴衆”がビジネスとしてコミュニケーションできるというところです。
若手作家あるあるの一つとして、個展などでお客に絡まれやけに長話をしたけど、消耗しただけで何にもならなかったということがあると思います。またトークイベントなどでも、既にイベント時間は終了しているのに、参加者がずっと残っていて対応に追われるなど、参加者との距離が近いとそういったことがよく起こります。
特にトークイベントでお金を稼いでいる文化人は「言葉そのもの」を売り物にしているため、話すこと自体を換金できないと自分のビジネスが曖昧になってしまいます。
これは嫌々対応される参加者にも、「これって仕事??」と渋々対応する作家にも、両方にとって不幸なことだと思っています。
しかしこのシステムであれば、施設内でのコミュニケーションは全て金銭が発生していますので、作家・登壇者も仕事として対応する必要があり、自分の知識を惜しみなく話す必要がありますし、それによって参加者の満足度も向上します。なんなら参加者を引き止められれば稼げるようになっています。
3.考える時間をつくる。文化の啓蒙活動
文化の啓蒙においては”考える”という工程が非常に重要だと思います。ですので、文化施設は来場者にとって”考える経験・時間”を提供しないといけない。それがどんなプログラムよりも重要です。しかし、考える経験を提供するとはなにか。これを考えないといけません。
僕としては3つ外せないものがあると思います。それが”時間・相手・言葉”です。
繰り返しますが、考えることにおいて”時間”を区切ることは”好奇心の妨げ”としてしか機能しません。だから施設運営方針としてはなるべく妨げる要素を省く(時間を確保できる)ようにシステム設計をすべきだと考えます。ですから、先ほどのイベント運営方針やシステムは時間を確保できるように作っています。本当は営業時間に関しても常にオープンしている方が良いのですが、それはあまりに現実味がないので営業時間と定休日は設定します。しかし、なるべく夜遅くまで出来るように考えています。
その2:バーやスナックのような在り方、空間づくりをヒントにしてソフト面を充実する。
上記の続きですが、”考える経験・時間”の提供として、時間の確保に加え、他者と言葉を交わして議論や対話を盛り上げられるように居心地のよいスペースを設計する必要があると思っています。
そこで僕が参考にするのはバーやスナックです。”滞在時間に対して課金する”と繰り返し述べていますが、これはバー・スナックなどのビジネスモデルとよく似ています。
僕も昔、バー運営のお手伝いをしていたのですが、常連やスタッフのコミュニケーションや新規の人が心を開いて盛り上がっていく、友情が芽生えていく様子を見ていて、他者と言葉を交わして、話を深めていく関係性の作り方のヒントというのは実はバーのようなところにあるのではないかと考えることが多くなりました。
「複合文化交流施設」というと、アートセンターやデザインセンター、美術館、古書店のようなものがイメージされると思いますが、実際のところこれらの施設は若干緊張感があり、気軽に入って、気軽に盛り上がってということ難しいのではないかと思っています。文化をまちにひらくというミッションが実践されているのかというクエスチョンもあり、自分がやるときは別の角度で箱の作っていこうと決めていました。ですので、僕は”バー”のような角度から、人と人を繋ぎ、コミュニティを作り、議論の活性化を生み出し、考える空間を提供していきたいと考えています。
さて、長くなりましたが、上記の実践が文化をひらき・愛され、まちづくり、作家支援、市民の参加、考える場…として、持続可能なものに繋がると信じています。
新しい発見があれば柔軟にやり方を変えていきたいと思いますし、このプロジェクトがうまく軌道に乗りましたら、同じく場を作りたい作家やアーティスト、起業家への支援等も積極的に行っていきます。
今後の流れ、是非初期投資への応援をよろしくお願いします。
オープンは年内、11月頃を目指しています。
今回のクラウドファンディング目標金額は180万円です。集まった費用は初期費用・設備費用等の一部に充てさせていただきたいと思います。金額が集まれば集まるほど、ワークスペースにて利用者が利用できる工具や文具、デジタルデバイス等やイベント参加者の居心地をあげる家具等が充実していきます。
「複合文化交流施設」の設備が整っていくということは、インディーズの作家や市民がチャレンジしやすくなることも意味しますので、是非金銭面での応援もよろしくお願いします。
スケジュールは以下の通りです。
2024年11月:開店
2024年12月-2025年1月頃:リターン発送・実行
リターンとともに、「複合文化交流施設」の活動にぜひご参加ください。
【「複合文化交流施設」に参画・体験することが出来るプランです。】
-交流コース 4000円
(御礼メール+ドリンクチケット(10杯分))
-交流&おためし箱主コース 8000円
(御礼メール+ドリンクチケット(10杯分)+箱主1ヶ月+1ヶ月入場料無料)
-交流&じっくり箱主コース 14000円
(御礼メール+ドリンクチケット(10杯分)+箱主3ヶ月+3ヶ月入場料無料)
【「複合文化交流施設」内でのシェア書店の箱主コース】
交流施設内にある「シェア型書店」の箱主を募集します。通常の本屋・シェア型書店と異なるのは何といっても来場者の滞在率が長いことにあります。そのため、本を手に取ってもらう機会やコミュニケーションが他の書店よりも生まれやすくなっていると考えています。是非ご利用ください。
箱を利用して並べられるものですが、本や漫画、雑誌など書籍の他、雑貨やレコードなど基本的に種類は問いません。ただし、若手作家やアーティストの支援に繋げたいという施設の性質上、オリジナルの新刊ZINEや自費出版、アート作品・グッズ、オリジナル雑貨等の作家によって作られたオリジナル商品での使用を推奨しています。
・箱サイズ:幅40cm程度、高さ30cm程度、奥行き20cm程度を予定
・料金:月額3000円
・販売手数料:販売価格より15%
・使用は個人・法人を問いません。
・箱主は契約期間中は入場料が無料になります。
・兵庫県・関西圏外在住で遠隔にお住まいの方も箱主になっていただけます。送料はご負担いただきますが、スタッフによる代行販売と売上の連絡・振込等を行います。
・在庫の納品/返品にかかる送料等はご負担いただきます。
※店番等のシステムはオープン後に整える予定です。
※現段階ではインターネット等の販売は予定しておりません。
-箱主6ヶ月コース 3000円×6ケ月(18000円)
(御礼メール+箱主VIPカード(入場料無料+延長料金[1h] 平日800円/土日1000円 有効期限:6ヶ月)
-箱主1年コース 3000円×12ケ月(36000円)
(御礼メール+箱主VIPカード(入場料無料+延長料金[1h] 平日800円/土日1000円 有効期限:1年))
-箱主1年おまとめコース 5000円×12ケ月(60000円)
(御礼メール+箱主VIPカード(入場料無料+延長料金[1h] 平日800円/土日1000円 有効期限:1年)+館内モニター等での紹介やイベント時のショップカード等の配布などの箱主・制作物のPR協力)
【当プロジェクトをを応援するプランです。】
-応援だけコース 5000円(御礼メール)
-もっと応援コース 10000円(御礼メール)
-さらに応援コース 50000円(御礼メール)
-応援&記名コース 100000円(御礼メール+開業時の広報物・館内等にお名前掲載)
※応援だけコース/もっと応援コース/さらに応援コース は同じリターン内容となります。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
繰り返しますが、”文化”を取り巻く課題を見つめ、持続可能な在り方を提案する。ことが当プロジェクトが目指すことです。
皆さまの応援、支援金を大切に活用し、まちとひと、ひととひとを繋ぎ、真の意味で考え、人生を豊かにするための施設を作っていきたいと思います。
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