最近はすっかり寒くなってまいりました。皆様はお体の調子はいかがでしょうか?最近の私は喉をやられてしまい、治ってきたかな?と思ったらまたぶり返して咳が止まらない、という悪循環が一ヶ月近く続いております。体調管理は大事ですよね、皆様もお気を付けください。さて!体調管理も苦労しますが、今回は製作において苦労した話をしたいと思います。【wiggle】ウィグレ。最初は学生さんが書いた図面からスタートしました。相手部品があるわけでもなく、同じものを組上げるだけ。ですが、手触りの感触はいいか?変にカドばるところは無いか?仕上げは大変にならないか?微々たる部分であっても、一つ一つ確認して図面を仕上げました。実はこの仕上げ工程まで想像して考えるのがとても大事になります。一つ一つは大きく手間がかからないにしても、たくさん数を作り合わされば、その作業は膨大になります。金型は、その大元です。これからスタートします。これくらいならたいしたことないよ!と思っても、そこは妥協せずにできるだけ手間のかからないようにする必要があるわけなんです。その代表として、給湯を流し込むゲートの位置などはその重要ポイントだったりします。また、今回の製品はブロック状の塊です。通常、ダイカストはケース形状などで、もっと薄肉で構成されます。肉厚部に関しては「肉盗み」と呼ぶのですが、その肉盗みでごそっと補助的な形状で基本的には無くすようにします。でも今回は肉盗みをしてしまうと、ブロックとしてデザインの面白味が欠けます。なので肉盗みをせずこってりとした塊に。ですがそれはそれで、今度は冷えるまで時間がかかり鋳造のショットサイクルが長くなります。今回はそういう普段はやらない形状だったため離型性なども含め、何気にいつもと異なる難易度になりました。ですが、鋳造屋さんにも助けてもらい、なんとかその苦難を乗り越えることができました。本当にありがたいです。今でも新型で、初めて製品を鋳造する時はドキドキなんです。無事に鋳造できた時は本当にホッとします。そしてバリ取りなども、一つ一つ丁寧に手作業で行っています。機械化してしまうと、どうしてもカドばった部分が出てしまいます。手作業だからこそ、全品検査状態となり、一つ一つのブロックを手に持った時に違和感なく受け入れていただけるのです。そういう細かいところまで気を回すかどうがが、今なお職人技として必要とされる部分ではないでしょうか。ダイカスト業界では当たり前のことではあります。が、そうやって一つ一つ大切に魂をこめています。機械で大量生産するだけとか、そんな生易しいものではないのです。お手元に届いた際には、そのあたりの事をなんとなくでも想像していただくと作り手として嬉しく思います。大高