歴史ある南紀白浜椿温泉の湯治文化を未来に継承したい
紀州藩の武士や近郷の農家の湯治場として、江戸時代から親しまれてきました。2004年に世界文化遺産に登録された熊野古道で、大辺路を訪れた多くの旅人を、今も癒しています。しかし、全盛期には20軒ほどあった宿は、倒産や廃業で現在は数軒となり、湯治宿は創業70年になる旅館しらさぎのみになっています。
旅館しらさぎの女将は、何百年間も多くの方を癒してきた湯治文化を絶やすまい、未来に継承したいと、今も発信を続けています。そして、椿温泉に通いファンになった有志も共鳴し少しずつその輪が広がりつつあります。
私たちは、多くの方に湯治を知っていただき効果を実感してもらうことが、湯治文化を継承するためには大切であると考え、今回のプロジェクトを立ち上げました。皆様湯治文化の継承に、どうかお力をお貸しください。
1300年の歴史を持つ熊野古道~海の見える大辺路~
椿温泉は、豊かな自然に囲まれた人口500人ほどの小さな町にあります。この温泉は、2004年にユネスコ世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である熊野古道の大辺路沿いに位置しています。熊野古道は中世期に日本最大の霊場として隆盛した熊野信仰という一貫した目的のために、1000年以上も使われ続けてきました。熊野周辺は、日本書紀にも登場する自然崇拝の地であり、熊野三山は、天皇から貴族、庶民に至るまであらゆる階層の人々の信仰を集めてきました。
特に大辺路は田辺から那智勝浦を結ぶ海辺の道で、美しい海の景観が特徴的で庶民に愛されてきました。加えて、近代以降の市街化や道路開発を免れた部分が多く残されており、自然も多く、旧状が比較的よく保たれており、古の人々が実際に歩いた当時を偲びやすい道となっています。
[熊野古道大辺路 山] [熊野古道大辺路 海]
江戸時代から続く椿温泉の湯治文化
その昔、足を痛めた白鷺(しらさぎ)が、噴出していた天然の温泉に度々飛来し、足を治したという故事が残っています。この白鷺の噂が普門寺の住職、湛海和尚の耳に届き、湯の湧き出る所に湯船をつくり「サギの湯」と名付けたのが、椿温泉の始まりと伝えられています。
時は江戸、天保10年(1839年)徳川家慶の時代、紀伊続風土記に椿温泉は名湯として紹介されており、「村の南八丁に椿谷あり、湯小温にして水清く、唯柔なり。浴する時は肢体に油を注ぐごとにして、すこぶる心地よし・・・(村の南2.4キロメートルほどのところに椿谷があり、湯の温度は低めで水は清く、非常に柔らかい。入浴すると、体に油を塗ったかのようになめらかで、とても気持ちが良い...)」と記されています。
さらに、嘉永4年(1851年)の温泉番付である『諸国温泉効能鑑』には西前頭16枚目に「紀州大ぜち(大辺路)の湯」として紹介されています。以来、紀州藩の武士や近郷の農家の湯治場として親しまれてきました。
美白の湯とも言われる椿温泉旅館しらさぎの泉質と18種類の効能
旅館しらさぎの泉質は、pH10以上を誇る強アルカリ性の単純硫黄泉。クレンジング作用で肌の汚れをとり、古い角質を落としスベスベに。効能は豊富で神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、慢性消化器病、痔疾、冷え性、 病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、美肌効果と18種類もあります。
しらさぎには、海を眺めながら入る源泉かけ流しの大浴場と、地元で採れた果物や薬草が毎日変わる日替わり壺湯があります。1日3回の入浴で温浴効果を高め、老廃物を排出してスッキリデトックスと美肌・美白効果も期待できます。
南紀熊野湯治文化を守る会企画メンバー
旅館しらさぎ女将 熊野 幸代
私は和歌山県の椿温泉にある旅館で生まれ育ちました。 湯治のお客様に可愛がっていただき大きくなりました。 「痛みが和らいだ。楽になった」そんな声を聞くたび嬉しくて幸せな気持ちになりました。宿とお客様の温かな人間関係が湯治文化には根付いています。 これこそが未来に残したいものです。 ですが常連さまの高齢化が進み湯治のお客様が激減しています。 危機感を抱いた私は15年前から湯治を未来に継承するため発信を続けています。 その姿に共感し応援したいという皆さんが会を作り若い世代に湯治が浸透するよう新しい湯治体験プランを共に考えてくれました。その中でクラウドファンディングを提案して下さいました。 こうして支えてくれる皆さんに感謝し椿温泉の湯治文化を未来に残せるようがんばってまいります。 どうぞよろしくお願いいたします。
辻田友紀
女将さっちゃんの活動を応援しています。
日本山岳ガイド協会公認山岳ガイドで紀伊半島の大峯山脈、大台ヶ原、四国の石鎚山や剣山が専門のエリアです。 他に南紀熊野ジオパークガイド、高野山金剛峯寺境内ガイド、四国八十八ヶ所霊場会公認先達、和歌山県世界遺産マスターとして活動しており、所属は奈良山岳自然ガイド協会です。
今回、歩いて頂く熊野参詣道大辺路の飛渡谷(とびやだに)道は20年前に私達のグループが復興させました。 当時は深い藪に覆われていましたが、2004年3月12日の復興作業で写真の敷石を全て掘り出し道幅を確定して周囲の藪も刈り払い整備しました。 2016年10月に他の大辺路の古道四ヶ所と共に世界遺産に追加されました。 ただの山道なのですが(笑) 国指定の史跡で文化財保護法によって保全されています。
古道から海は見えないのですが、時折り、潮騒が聞こえたりしますし、国道に降りる辺りでは周りの樹林の間に太平洋が望めます。本州最南端の潮岬に近く、温暖な気候なので真冬でも歩いて頂けます。当日、楽しみにしております。
髙田伸吾
冷泉・白浜椿温泉・旅館しらさぎで、湯治の魅力にはまり、ゆるむ♨ 白浜の椿温泉で湯治体験をした。1人用の湯船に、熱い温泉と冷たい温泉を好きに入れて、自分の好きな温度にして、15〜20分ゆっくり湯船に浸かってる人を見た。湯治とは、これだと思った。自分も試してみた。身体が、心が、ゆるんでいくのを感じた。湯治文化を勧めたいと思った。椿温泉は、冷泉。熱い温泉は適温にするために加水し温泉が薄まるけど、椿温泉は冷泉なので、熱いお湯は沸かすだけ、冷たい温泉は源泉そのもので、温泉が薄まること無し。
岩嶋有里
椿温泉女将熊野さんの湯治文化を未来へ繋げる取り組みに、感動しました。私たち有志は、新しい世代にその素晴らしさを届けるための努力を応援するために南紀熊野湯治を守る会を立ち上げました。この情熱が多くの人に伝わりますように!
うちゅーすきー
しらさぎの湯につかり、眼下に広がる海を眺めると、まるで自分が宇宙と一体化したような気分に包まれます。南紀熊野の自然も素晴らしく、また人も温かく、この土地と文化を末永く残していきたいと感じました。
杉眞里子
椿温泉、旅館しらさぎとのかかわりは、2021年の紀南アートウィーク以来です。
(参考)紀南アートウィーク対談企画 湯治文化の継承を目指して https://kinan-art.jp/info/898/ 紀南アートウィークは、和歌山県紀南/熊野を舞台とし、地域の歴史・文化を再度捉え直すアート・プロジェクト。その中で、湯治文化の継承を大切にされている、旅館しらさぎ女将の熊野さんとアートウィーク実行委員長藪本さんとの対談が実現しました。私は、紀南アートウィークの副実行委員長として、紀南の多くの方々との対談に立ち合いましたが、コロナ下で宿泊施設の問題が深刻化するなか、旅館しらさぎの熊野さんの湯治文化継承への熱量と前を向いていく姿勢は、とても印象に残りました。そこで、2021年のアートウィーク会期中に「湯治×アート」を企画させていただきました。(参考)旅館しらさぎ×紀南アートウィーク:特別旅行企画!「湯治」x「アート」五感で感じる癒しの旅 https://kinan-art.jp/info/2907/ 参加いただいた方々との新たな出会いも楽しいつながりとなりました。
その後、しらさぎのやわらかなお湯と、女将さんの人柄の魅力にひかれて、定期的に旅館しらさぎに行くようになりました。お肌つるつるの温泉と頼れる優しいおかあさんのような女将がいて、いつでも「おかえりなさい」と迎えてくれてる旅館「しらさぎ」。椿温泉の周辺が、少しずつ、さびしくなっていく中で、いつまでも、みんなを癒し続ける貴重な存在。湯治のできる宿しらさぎをずっと応援しています!
椿温泉と湯治文化の衰退
優れた効能を誇る椿温泉も、平成以降、老舗宿の倒産・廃業、保育園・小学校の閉鎖など、衰退の兆しを見せていました。さらに、新型コロナウイルスの流行が追い打ちをかけ、壊滅的な打撃を受けました。旅館しらさぎも例外ではなく、予約表の大半がキャンセルを示す赤線で埋まり、売上が例年の4割ほどに落ち込み、存続の危機に瀕しました。
この状況下で、女将の熊野さんは新たな名物づくりに奮闘しました。サポート女将と共に「幸せの釜飯」を考案し、InstagramなどのSNSを活用して情報発信に努めました。椿温泉で湯治を提供する宿がしらさぎだけになってしまっても、その文化を守り続けようと尽力しています。
しかし、湯治には「長期滞在が必要」「退屈で時間を持て余す」「費用がかかる」「若者向けではない」といった一般的なネガティブイメージがあり、従来の形での普及には苦戦を強いられていました。また湯治を行う方が主にご高齢の方が多いため、長く続けていく・文化を継承するという意味では、より若い方に知っていただく必要性も感じていました。
そこで、椿温泉の魅力に取りつかれた有志メンバーが熊野さんの思いに共感し、現代の忙しいライフスタイルに適した新しい湯治のあり方を一緒に模索しました。これらの懸念を解消できる方法として、今回の新しい湯治体験を企画したのです。
「聖地熊野で過ごす心と身体の湯るみ旅~自分と向き合う2泊3日~」湯治体験のご案内
湯治の抱える様々な問題に関して話し合った結果、大自然の中ゆっくりと自分に向き合い、短期間の湯治でリフレッシュ。香りで記憶を蘇らせることで、帰宅後も自分の原点に立ち返ることができる湯治体験が適しているのではないかと考え、新しい湯治体験を企画しました。
今回はまずパイロットプロジェクトとして、2泊3日で湯治、熊野古道探索、ミカンのお香作りを通して自分と向き合える湯治体験を10名様限定でご用意いたしました。湯治は本来数週間という長期間にわたって行うものですが、忙しい現代人にとってそれだけの長期の休みを取得するのは至難の業です。しかし湯治の片鱗だけでもまずは味わっていただきたいと考え、2泊3日の湯治体験といたしました。
リターンについて:椿温泉で湯治文化の体験に参加いただいたりすることで、湯治文化の継承を支援する
リターンは以下の5つをご用意しました。
1. 【限定10名】聖地熊野で過ごす心と身体の湯るみ旅~自分と向き合う2泊3日~湯治体験参加チケット 7万円
- 下記の湯治体験に限定10名様がご参加いただけます。
- 心と身体を癒し、自分自身を見つめ直す、特別な2泊3日をお楽しみください。
- 湯治体験内容:
・2泊3日で旅館しらさぎにご宿泊し、湯治を体験していただきます。- 1日目夕食、2日目朝夕食、3日目朝昼食付。
- ・ゆっくりと自分を見つめなおすワークショップへのご参加
- ・女将熊野さんとしらさぎオリジナルコーヒーを飲みながら、お楽しみ交流会
- ・熊野古道大辺路散策ツアー
- ・和歌山名物、乾燥させたミカンの皮を使ったお香づくり体験
- ※こちらのリターンにつきましては、湯治体験が2025年1月23日(木)~25日(土)開催の予定です。1月25日までの提供とさせていただきます。
※当日参加が難しくなった場合、2泊4食または1泊2食つき×2回分で旅館しらさぎにお泊りいただくチケット、椿温泉しらさぎオリジナルコーヒー ドリップバッグ 5袋 、オリジナルトートバッグをお送りします。 - 期限:1年間。
2. 湯治文化応援 2万5千円
- 湯治文化を体験したいが、上記の日程が埋まってしまっている場合、1泊2食付きで旅館しらさぎにお泊りいただくチケットをお送りいたします。ぜひこの機会にお泊りいただき、湯治の可能性を感じていただければ幸いです。
- ※ツアーではございません。
- 期限:1年間。
3. 湯治文化応援 1万円
- 湯治文化を体験したいが、上記の日程が埋まってしまっている場合、椿温泉旅館しらさぎに日帰り湯治体験(入浴+釜飯御膳)ができるチケットをお送りいたします。炊き立ての海鮮釜飯や新鮮なお造り等をご用意してお待ちしております。ぜひこの機会にしらさぎにお越しいただき、湯治の可能性を感じていただければ幸いです。
- ※ツアーではございません。
- 期限:1年間。
4. 湯治文化応援 5千円
お礼として、椿温泉しらさぎオリジナルコーヒー ドリップバッグ 5袋 またはオリジナルクラウドファンディング限定トートバッグをお送りします。各々には、オリジナル缶バッジ(柄の指定はできません)を1個ずつ付けさせていただきます。
コーヒーは、ホタル舞う美しい環境の農園で育てた、安心安全で高品質な豆を使用して作りました。専属の焙煎士が、温泉に浸かっているようなゆったりリラックスできる香り味わいをテーマにしらさぎと開発したスペシャリティコーヒーです。
5. とにかく湯治文化を応援 3千円
- 旅館しらさぎの女将より湯治文化を応援していただいた皆様に、メールにて感謝のメッセージを伝えさせていただきます。
※発送商品は少人数で行っておりますので、クラウドファンディング終了後(1月初旬~中旬)準備ができ次第順次配送させていただきますので、余裕をもってお待ちいただけますと幸いです。
【スケジュールについて】
2024年12月中旬 クラウドファンディング終了
2025年1月23日~25日 湯治体験実施
2025年1月初旬中旬 リターン発送
リターンの使い道に関して
いただいた資金は、主に以下の目的で活用させていただきます:
- 今回の新たな湯治体験の企画・運営経費
- 将来的な湯治体験の企画・開発費用
- 若い世代向けの湯治文化啓発活動
- 湯治文化の継承と普及のための広報活動
これらの活動を通じて、湯治文化のファン層を拡大し、特に若い世代に湯治の魅力を伝えていきます。長期的には、湯治を体験する人口を増やし、この貴重な文化を次世代に引き継ぐことを目指しています。皆様からのご支援は、この大切な文化を守り、発展させていくための草の根活動に充てられます。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました。ぜひ椿温泉の湯治文化継承にご協力いただけますと嬉しく思います。
最新の活動報告
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2024/11/07 16:12湯治は心も身体もゆったり過ごすことが大切。まさにゆるみ旅‥湯るみ旅なのです。コーヒーの香りと美味しさでさらに豊かでゆったりした時間を過ごして欲しいと作ったのが「しらさぎオリジナルコーヒー」そのためには焙煎士が必要!そう思い、コーヒー愛に満ちた焙煎士を探しました♡コーヒー豆を見る目がまるで子供を見るみたいに優しくて、この人だー!!って思ったんですよね。専門的なことがわからない私は「ゆったりした味わい」「落ち着く感じ」みたいな表現で伝える(笑)それを豆選びから焙煎具合で形にしてくれます。ホタルの舞う美しい農園で育つコーヒー豆。愛情が詰まったスペシャルティコーヒーです。ご支援をいただいた皆様のお気持ちに感謝しながら焙煎させていただこうって話してます。100万円達成しましたら焙煎士と相談してしらさぎオリジナルコーヒーの焙煎日を決めてお届けします。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。 もっと見る
45%達成。皆様のおかげです。
2024/11/07 15:40皆様ありがとうございます。45%達成しました。夕陽も喜んでいます。この素敵な夕陽を皆さんと楽しめる日を楽しみにしております。皆様のお力をお貸しください。引き続きどうぞ、よろしくお願い致します。 もっと見る
皆様本当にありがとうございます(^^)/
2024/11/06 11:15皆様本当にありがとうございます。受験勉強中の息子と「バンザーイ!!」って大喜び♡クラファンを初めて3日目。胃が痛い私のために会を立ち上げてくれたメンバーのことを思う。ご支援をしてくれた皆さまのことを思う。達成できるのかなぁ。不安と大きな責任を感じて胃が痛くておかいさん笑さつま芋のおかいさんを炊きました。ホッとする味に落ち着きます。そんな一日の終わりに7万円の湯治体験(2泊3日)のご支援をいただきました!!!!嬉しい。嬉しすぎる。忙しい現代人にむけた湯治体験。お湯で体を清め熊野古道を歩いた歴史とお湯で心身を癒してきた温泉文化。昔からある良さをベースに若い世代に向けて作った湯治体験。地元をよく知る語り部さんや農家さんも参加者の心に寄り添ってくれます。寄り添うというのがこの旅のテーマ。ゆるんでほしいのでね。心身をゆるませる湯治体験。これを実施したい!ぜひチェックしてみてださい。1月23日(木)~2泊3日です。おすすめです。 それからその他にもご支援をいただきました皆さまありがとうございます!本当に嬉しい。温かい応援のお気持ちが染みます。明日もがんばります。 もっと見る
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