JR巣鴨駅、南口。
白山通りをすすむと、次第に鼻先をくすぐる魅惑の誘いに心奪われ、思わず本来の目的を忘れて"ある店"に足を向けたくなる。
朝の街にひろがる、香ばしく甘い小麦のかおり。
宝飾品のように工夫が凝らされた、目にも美味しい季節の彩り。
ひとくちごとの幸せが、ふわふわの生地いっぱいにギュッと詰まっている、"パン"。
そんな巣鴨のしあわせのパンを45年間、皆様におとどけしてきた店こそが
「ブーランジェリー・トースト」です。
<以前の店舗>
今年7月末、地元に愛されて長年営業を続けてきた「ブーランジェリー・トースト」は、たくさんのお客様に惜しまれながらひっそりとその幕を閉じました。
*
はじめまして。
私は製造チーフとして「ブーランジェリー・トースト」に関わってきた廣瀬 堅如(ひろせ たかゆき)と申します。
6年間フレンチ料理人としての人生を歩んだのち、フレンチとは切ってもきれないパンとの縁に魅了されてパン職人の道を歩み始め、これまで11年という月日を「ブーランジェリー・トースト」と共に過ごしてきました。
突然ですが私は、パンが大好きです。
食事にもおやつにもいくつもの異なる表情を見せてくれ、あらゆる食材とも相性が良いフラットな性格。
そうかと思えば、ときには強い個性を主張することもある、ユニークな存在。
そんなパンは日常になくてはならない食事の一つとなり、常に私の食生活を支えてくれています。
なかでも「トースト」のパンは素材にこだわり、美しくも小麦本来の素朴さを損なわない豊かな味わいで多くの方に愛されてきましたし、私自身がとても愛してきたパンです。
そんな「トースト」を、閉店することになった、と私が聞いたのは、5月のことでした。
オーナーご夫妻は、この街で45年間、愛されるパンづくりをつづけてこられました。
始めた頃は30代。円熟をかさね、とうとう店舗の営業は難しくなった、との判断でした。
当然、私はとてもさびしく感じました。
これまでオーナーご夫妻が築き上げてこられた「トースト」が、この街から消えてしまうのか・・
毎日店におとずれる、たくさんのお客様の顔をひとつひとつ思い浮かべながら、私はグッと込み上げるものを抑えていました。
オーナーご夫妻も、きっと同じ想いだと思ったからです。
キメ細かくしっとりふんわり焼き上げられた食パン、すがもトースト。
バターを贅沢に使って焼き上げた、ビッシュ。
たっぷりの野菜とスパイシーなソーセージがのった、シチリア。
頭に浮かぶ数々のパンは、どれをとっても「トースト」のハートであり巣鴨にとってもなくてはならない一部でした。
そして、私自身にとっても、もはや人生の一部でした。
継承の道を探って
「トースト」が閉店する。
さびしさとともに、少しずつ別の感情が生まれたのは私にとって自然なことでした。
これまでオーナー夫妻とともに、私も製造チーフとしてたくさんの「トースト」のパンを世に送り出して来ました。
私なら、「トースト」の名前をのこせるかもしれない。
私なら、「トースト」のパンを、巣鴨のみなさんに届けつづけることができるかもしれない。
そうした想いは、1日1日と大きく膨らんでいきました。
かといって、こんなに愛される店舗を、私が引き継いでいけるだろうか・・
簡単には即決できないほど、「トースト」は地域の皆さまに愛されていたのです。
悩み抜いた末、それでも私はお店を継承することを決意しました。
パンは、発酵やベンチタイムを何度か経て、その特徴を変えながら焼成へとたどり着きます。
「トースト」も、オーナー夫妻がオープンした頃が"捏ね"だとすると、"一次発酵"し、時には"ベンチタイム"があったり、"二次発酵"を経て"成形"され、"焼成"されたのが今なのではないでしょうか。
数々の工程を経たからこそ、こんなにも愛される店舗となったのだと思います。
私が始めることで、「前のトーストとはちがう」ことももしかしたらあるかもしれません。
しかし私は私なりに、発酵や成形、時には失敗も経て焼成を目指していけばいい。
パンも一つとして同じものがないように、私も「新しいトースト」を自分の手でつくりあげていけばいいのではないでしょうか。
決意をつげたときにオーナーご夫妻がとても喜んでくださったのも大きく後押しして、だんだんとそんなふうに思えるようになりました。
ここから、新しい巣鴨の「トースト」を、みなさまと一緒につくっていきたい!
私の人生をかけた、「トースト」継承の道が始まりました。
このプロジェクトで実現したいこと
継承することは決まりましたが、ビル自体が売却された関係で、旧店舗は離れることになりました。
幸い、旧店舗からほど近い場所に新しい店舗となる物件を見つけられたので、これまで足を運んでいただいたお客様にも引きつづき無理なくご来店いただけることになりました。
このプロジェクトでは、この新しい店舗の改装費用を賄いたいと思っています。
また、週末には遠方からもファンがおとずれる「トースト」の新たな門出を、多くの皆さまに知っていただく機会にもなればと思っています。
改装費用は昨今の社会情勢により工事費が高騰し、想定より多くの費用がかかることがわかりました。
1日でも早い「トースト」の開店と、末永い運営の礎が早く固まりますように、皆さまのお力を貸していただけますようお願いいたします。
お客様からの声
常連のフランス人のお客様からのコメントです!
「Toujours un régal chez Toast !
Ma maman adore quand elle vient nous voir au Japon.
(トーストではいつもパンを買っています!母は日本に遊びに来るとき、トーストのパンをとても気に入っています。)」
merci!
新店舗で継承するパンの種類は、
・米粉食パン (雑穀入り!)
・ライ麦パン (定期購入の方多数!)
・フォカッチャ (TVで放送あり!)
・ロングソーセージパン (これがないとトーストと言えないっていうくらいの定番商品です!)
・メープルメロンパン (1番人気!)
・フランスパン (本場のフランス人のお客様からも定評があります!)
どれも旧店舗からお客様に愛され、ロングセラーとなっているトーストならではのパンたちです。
新店舗のオーブンの都合上サイズが変わる商品もありますが、基本的には旧店舗の味を受け継いでいきますので、以前からお越しいただいているお客様にも安心して通っていただけると思います。
現在の準備状況
オープンを目指して、現在店舗の改装作業中です。
以前の店舗よりもだいぶ小さくはなりますが、地元のお店も移転オープンを歓迎してくださり、いろいろなコラボレーションもご提案くださっています。
フレンチシェフの経験を活かした新しいパンの開発や、旧トーストのSNSの引き継ぎなど、楽しいお店となるよう私もワクワクしながら店舗準備を進めています。
リターンについて
・感謝状
・「トースト」で使える商品券
・【店舗受取限定】ロングソーセージパン
・感謝のお名前掲示(店舗内表示板)
をご用意しております。
スケジュール
令和6年
9月18日 工事着工
11月23日 プレオープン
☆現在まで様子を見つつ、プレオープンを数回続けています。
工事の手直しが必要なため、オープンまではもう少し時間がかかる見込みです。
最後に
「トースト」は、多くの方々に愛されてきた地域密着のパン屋さんです。
大手チェーンのパン屋さんだけでなく、これからも巣鴨の街に地元の味を残していけることを、私自身、大変誇りに思っています。
多くの皆さまのご来店と、再始動に向けたこのプロジェクトの応援を、どうぞよろしくお願いいたします!
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