joojiについて
どんな色でも自在に表現できる技術力の高さから「塩基性カラーの魔術師」と称されたjoojiは、 10年にも及ぶ歳月をブリーチオンカラーの専門家として活動し、 数千人の髪にブリーチや、オンカラーを施術するなかで蓄積された膨大なデータを基に、 独自のブリーチオンカラー理論を確立しました。
卓越した技術力と緻密に計算されたブリーチ理論を駆使して表現される彼のカラー作品は、 サイモン・エリス(元ヴィダルサスーン総責任者、現シュワルツコフ インターナショナルクリエイティブディレクター)をして 「ヨーロッパの大きなヘアショーのレベル」とまで言わせしめるほど、 単にヘアカラーの領海を飛び越え、アート作品としても十分に通用するほど感度の高いものでした。
また、サイモンはjoojiの死に対し 「日本の美容を進化させるチャンスだったのに」とその死を悼んだといいます。
サイモンだけではありません。 昨年8月に死してもいまなお「ブリーチの神様」(中村太輔氏)や「ブリーチ界の天才児」、 「ブリーチの魔術師」など彼を称賛する声はやむことがありません。
joojiが残したブリーチオンカラー理論は、 第2章と銘打つ彼のホームページ(http://jooji99.com/)上に、順次公開されており、反響も大きく、 昨年9月の公開から延べ4万3698人(2018年6月4日現在)が閲覧に訪れています。
そもそも、joojiはブリーチやカラーに関する知識を誰かに教わったことはありませんでした。
すべては独学で、「サロンワーク」という実践の場を通じて習得したものなのです。
ときに彼は、思い通りのカラーができず「へこみまくる日々もたくさん過ごしてきた」といいます。
一つの失敗は小さな発見をもたらし、その小さな発見が積み重なることで、一つの確信へと生まれ変わり、やがて彼の作品を支える確かな理論へと結実していくことになります。
joojiの作品は一見すると、複雑難解な技法を使っているように思えますが、その技法を支えているのは、10年という歳月の中で極限までに無駄をそぎ落とし、ぜい肉を落とし切った、極めてシンプルな理論なのです。
joojiはよくブリーチやブリーチオンカラーの説明において「常に物事を難しくしているのは自分自身だということを忘れてはならない」ということを繰り返し語っています。
ブリーチを難しくとらえすぎ、失敗を繰り返し続けた過去の自分への戒めとして、joojiは常にシンプルに、わかりやすく、誰もが使いこなせるように、ブリーチやブリーチオンカラーの独自の理論を精査し、体系づけてきました。
私たちは、joojiが美容人生そのものをかけて追求し、そして体系化したブリーチオンカラー理論と、その理論により生み出された作品を一冊の本としてコンパイルすることで、ブリーチ専門家としての使命を自らに課し、「継承、伝達、育成」をテーマに、死の直前まで「次世代へと繋がるカラーの研究や確立」を目指したjoojiの思いを、より多くの美容師さんへ伝えていきたいと考えています。
ここが凄い! joojiブリーチオンカラー技術の特徴
①ペールイエローからホワイトへと至る超高明度領域(15レベル~20レベル)を0.5レベル刻みでコントロール
いろんな色を思い通りに表現するには、アンダートーンを18レベルまで上げる必要があります。
ただし、明度が上がれば、それだけダメージや断毛、切れ毛のリスクも大きくなるため、普通の美容師さんは、15レベルを一つの基準とし、それ以上の領域に踏み込むことを躊躇しがちです。
joojiの凄さは、この普通の美容師さんが躊躇する15から20レベルの「超高明度」と呼ばれる領域を極めていただけでなく、超高明度領域を0.5レベル刻みで完全にコントロールしていた点にあります。
jooji本では、思い通りのカラーを表現するために必要な「ブリーチコントロール力」に照準を絞って、コントロール力を養うためのノウハウをご紹介します。
②透明感のあるパステルカラー表現
パステルカラーなどの淡い色は、根元から毛先までアンダーのトーンに1レベル以上の誤差があれば、色むらとして視覚化されてしまうことになります。
とくにマニックパニックなどの塩基性カラーをトリートメント希釈したものについては、アンダーのトーン差は0.5レベル以内に抑える必要があります。
つまり、ベースブリーチが均一でなければ、透明感のあるパステルカラーを表現することはできないのです。
このパステルカラー表現においてjoojiの技術がいかに突出したものであったかは、日本を代表するカラーリストの中村太輔さんがインタビュー記事で語ってくれていますので、以下抜粋させていただきます。
「彼(jooji)について特筆すべきなのは、塩基性カラーへのこだわりから生み出される透明感のあるパステルカラー表現。やったことがある人はわかると思うのですが、塩基性カラーを薄めて、思い通りの色を出すことほど難しいことはありません。それをjoojiさんは、どんな色でもコントロールしきって、ひとつの頭の上で、何色もミックスしてヘアデザインをつくるのです。
実際彼は、コンビニのデザートについてくる小さなプラスチックスプーンをつかって、ミリグラム単位でヘアカラー剤を調合していました。それがどれほど細やかなことか。joojiさんのレベルでハイトーンカラーをコントロールする人は、後にも先にもいないだろうと感じています」。
jooji本では、サロンワークでの実践を念頭に入れ、ブリーチの基礎を習得後、最終的には透明感のあるパステルカラーを表現できることを目指してレシピの公開を含め、joojiの理論をわかりやすく解説します。
③ダメージを最小限に抑えた艶感のあるカラー表現
ブリーチにつきもののダメージを最小限に抑えた艶感のあるカラー表現もjoojiのブリーチ技術の高さを物語る重要な要素です。
そこで、jooji本では、ブリーチ時の髪へのダメージを最小限に抑えるためのテクニックを紹介するとともに、ダメージレスなブリーチのマストアイテムとしてファイバープレックス攻略方法もあわせてご紹介いたします。
④退色後も綺麗が続く
ベースブリーチが均一になされていることに加え、カラーへの圧倒的な経験値により、色落ち過程も考慮したカラー施術を行っているので、退色後も綺麗が続き、可愛いの賞味期限が長いのもjoojiのブリーチオンカラーの特徴の一つです。
jooji本の構成
joojiブリーチオンカラー本は大きく3部構成をとります。
1部:ブリーチオンカラーカタログ
カラーデザインの見本帳としてお使いいただけるように、髪の長さに応じてjoojiの作品全100点を収録。
カラーデザインの豊富なバリエと、他に類をみない色彩感覚から「魔法使い」と愛されたjoojiのカラーワールドをお楽しみください。
2部:joojiのブリーチオンカラー理論
ブリーチオンカラー理論では、ブリーチ初級者から上級者まで幅広く対応できるようベーシック編と、アドバンス編の2部構成をとっています。
ベーシック編では、ベースブリーチを均一に行うためのブリーチコントロール力を身に着けるために必要な知識をわかりやすく解説します。
アドバンス編では、ベーシック編で身に着けたブリーチコントロール力をサロンワークで実践・応用できるよう、joojiが得意としたハイトーンブリーチを中心に具体的な施術工程を解説し、最終的にはリアルホワイトや透明感のあるパステルカラーを表現できることを目指します。
3部:継承
joojiブリーチオンカラー本の最終章は、実際にjoojiの理論や精神を継承し、ハイトーンブリーチを得意とする気鋭の美容師6名による撮り下ろし作品各2点とその施術工程を全て公開いたします。
joojiの理論に、6名それぞれが確立させたブリーチオンカラー理論を融合させることで、ブリーチ時代に必要な技術や知識を余すことなく伝えることを目的とします。
【参加いただく6名の美容師さん】
中村太輔さん(stair case):日本を代表するカラーリストの一人。joojiを「ブリーチの神様」と称賛するなど、誰よりもjoojiの技術力を高く評価。joojiの死後展開される「第2章」プロジェクト(joojiが残した理論や技術を次世代に伝える活動)の陰の立役者で、中村氏の尽力なくしてはjoojiのhp「jooji99 Color Bible」は完成しなかったといっても過言ではない。また本書第3部の「継承」ページは中村氏の発案によるもので、彼の呼びかけのもとハイトーンブリーチシーンを牽引する5名の美容師が集結。「2018年は間違いなく彼の時代になるはずだった。だからこそ語りたい。そして多くの美容師に知ってほしい」。
ワタロ―さん(CODE+LIM):大阪時代から交流があり、流行に流されない独特のセンスとガッツで、病床に伏したjoojiが東京のお客様を託した若手スタイリスト。「上手い美容師さんはたくさんいるけど、凄い人は彼(jooji)が唯一無二」といい、joojiブリーチオンカラー本への参加にあたり「自分らしくジョージさんのセンスを噛み砕いて頑張っていきたい」と抱負を語る。
岩屋真さん(TONI & GUY):「カラーに不可能はない」を哲学に、日本のみならず、ロンドンコレクションに参加するなどワールドワイドに活躍するブリーチマスター。実際にjoojiにあったことはないが、joojiが遺した作品に触れることで「カラーリストとして生きていく勇気と自信をもらいました」。jooji本では、「私もjoojiさんのようにサロンワークとクリエイティブを共存させたいと思う1人なので、少しでもそういった継承を通して、ワクワクする時代のピースになれればと思います」。
近藤康雄さん(電髪倶楽部 ):ハイトーンブリーチを一過性のブームで終わらせないため、カラー理論を体系化し誰もが学べるハイトーン専門のオンラインサロン「acwsm」を主催。1レベル刻みの従来のレベルスケールではスーパーハイトーンは作れないと孤軍奮闘していたところ、joojiが0.5レベル刻みでレベルスケールを提唱していることを知り「勇気付けられました。自分の理論に自信が付いたのです」。ハイトーンの火を消さないためにも、「ちゃんとした理論や経験に基づく」知識を伝えるため、joojiブリーチオンカラー本への参加を表明。
立花翔平(hana)さん(fuwat):「華があって品のある髪色」を「派手髪」と定義し、ゲストの魅力をより引き出し「なりたい」を叶える「派手髪師」として、失敗を恐れず定式化されたブリーチの常識に果敢に戦いを挑み続ける若手ブリーチオンカラー専門家。joojiの作品や理論に「とてつもない衝撃と感銘を受け」、いつか「僕もこの人の立つ場所まで登りつめたいと強く思いました」。joojiブリーチオンカラー本では「ジョージさんのような存在を目指し、越えたいと思っている一人の美容師として、全力で楽しませていただきたいと思います」。
黒木利光さん(シャウルデッサン):ブリーチ比率が72%を超える関西を代表するブリーチサロン「シャウルデッサン」を率いるブリーチマイスター。かつて世界大会での惨敗経験から日本のブリーチ技術の未熟さを痛感していたところ、joojiの存在を発見。日本人で世界を超えるアーティストがいることを知って以来、joojiがブリーチテクニックの向上の目標となる。黒木氏とjoojiの関係性は特異で、jooji名義で活動するはるか以前からjoojiと親交がありながら、以前のjoojiと現在のjoojiが同一人物であるとは思わず、彼の死後、joojiと旧交があったことを知り、愕然としたという。現在でも、ブリーチの神joojiを超えることを目標としており、今回、joojiの功績を後世の美容師に伝えるべく参加を決意した。
第3部最終章「共鳴」
西海洋史さん(CALON)
日本ヘアカラーの第1人者であり、ブリーチ専門家となるはるか以前からjoojiが憧れた伝説のカラーリスト西海洋史氏によるブリーチオンカラー理論および、そこから派生する作品・施術工程を掲載します。
【jooji profile】
大阪府出身。グラムール美容専門学校卒業。2000年、2001年、 2003年、2004年にはJHA(ジャパンヘアドレッシングアワー ズ)においてRISING STAR OF THE YEAR(2004年はエリアスタイリ スト)ファイナリストに選出。2007年にブリーチ専門店「gris」をオープンし、ブリーチに魅せられ、ハイトーンカラー表現の技術と理論を極め、SNS にて数多くの作品を発信。2014年にブリーチ専門店を閉めた後、フリーランスの美容師として東京に進出。2017年からは「第2章」と銘打ち、継承、伝達、育成をテーマに、 ブリーチ ワークショップの開催や上海での中国人向けセミナーの開催など後進育成の活動を開始するも、2017年8月、病により永眠。
●WEB 「jooji99 Color Bible」 ( jooji「 第2章」となるHP)
●Instagram @jooji99/@jooji_color
●Twitter @jooji99
本の仕様
サイズ:A4変形
ページ数:100ページ (フルカラー)
発行予定部数:2,000部
お届け日:2018年10月中旬から11月初旬予定
自費出版となります。
資金の使い道
ご支援いただいたお金は以下の項目に大切に使わせていただきます。
①本の印刷代
②撮影代(モデル代、スタジオ代、カメラマン代etc.)+制作代
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