自己紹介
こんにちは
浅井和英です。
2008年アンコールクライマーズネット活動を開始してから2年後、2010年よりプロジェクトに参画し、2016年アンコールクライマーズネット代表理事に就任。約14年間カンボジアと関わってきました。
活動の傍ら、日本、カンボジア、世界各地でクライミングの開拓、各地の岩場を登ってきました。
日本では長野県佐久市でクライミングを通した子供たちの自立支援活動「子供クライミングクラブ」を主催しています。
最後まで目を通していただけたら、とても嬉しいです。
今までの活動
カンボジアで、クライミングは今、大きな変革期を迎えています。
2008年から始まった私たちアンコールクライマーズネットの活動は、2010年シェムリアップでのクライミングウォール建設から活発化し、2013年には日本山岳協会のバックアップを受けて富山ジュニアオリンピックに出場しました。
その後は、カンボジア国内でクライミング大会の継続的な開催、岩場の開拓、首都プノンペンにも新たにクライミングジムが建つなど、更なる盛り上がりを見せ、2023年にはイタリア、オーストリア、スイス、ヨーロッパ各国へのワールドカップに出場。NOCCカンボジアオリンピック競技委員会。CCHFカンボジアクライミング&ハイキングフェデレーションの設立などを経て、現在は国技の1つとしてクライミングがカンボジア政府に認められました。
とはいえ、ここまで私たちが歩んできた道のりは決して平坦なものではありませんでした。
クライミングを見たことのない子供達は無邪気に登ります。そんな子供たち、カンボジアの人たちに「クライミングを楽しんでもらいたい」という気持ちがこの活動の原点です。しかし、クライミングの見た目の危険さから敬遠する大人が多く、子供たちを練習に参加させるのには保護者の説得に多くの時間を費やしました。
岩場の開拓では、地雷や不発弾、マラリアやデング熱を媒介する蚊への対策。それから子供たちのアウトドアクライミングのワークショップでは人身売買組織の活動にも注意を払う必要があります。そういった数々の困難を乗り越えて16年、ようやくここまで来たという実感があります。
カンボジア人がカンボジア人の手で、自分達でクライミングという文化を楽しみ、次の世代につなげることができた時、私たち組織はその役目を終えます
今、カンボジアでは、かつての生徒たちがメディアに出たり、諸外国への大会に参加したりと目覚ましい活躍を遂げています。私たちは、ここでようやく最後のプロジェクトを仕上げる時に来ました。それは活動の原点「クライミングを楽しんでもらいたい!」という思いです。本来、クライミングとは日本の登山のように知識と技術があれば誰でも自然の中で楽しめる文化です。
私たちの目標
次の目標は、クライミングを通してカンボジアの自然環境を守ることに挑戦します!
アウトドアクライミングでは、まず自然の岩場にクライミングルートを開拓します。開拓にリスクはつきものです。岩の脆弱性や、滑落の可能性など、全てが未知の状態からクライミングルートを作ります。
開拓されたルートはその後、他のクライマーが登ります。ルートの数が増えるとクライミングエリアとして確立し、初登攀者はルートの命名権を得ます。ルートの質が良ければ再登者は増えていきます。
それと同時に、冒険的要素がリスペクトされるクライミング文化において開拓者は最もリスペクトされます。
開拓者へのリスペクト、岩場を大切にしたい気持ち、それらが織り混ざると相互扶助の気運が高まり、岩場保全意識が芽生え、結果的に環境保護活動へとつながります。「ゴミを捨ててはいけない」といったルール的義務ではなく「ゴミを捨てたくない」というアイデンティティを育てるアプローチです。
当時の代表(故)伊藤忠夫はカンボジア各地でクライミングやルート開拓を進めていました。まだカンボジアにはクライミングを知っている人は少なく、数少ない外国人グループによって細々と開拓は進行します。時には、金属製のボルトやハンガーがお金になると盗まれてしまうこともあったようです。
我々が開拓したルートも、開拓後ゴミだらけになってしまい近寄ることが出来無くなってしまったものもあります。
他にも、リゾート開発を名目に木々の伐採、岩場の掘削や整地により立ち入ることが出来なくなってしまったエリアもあります。不動産投資ビジネスは、資金の枯渇と共に工事が中止されることは多々あります。カンボジアでは、使われなくなった学校、骨組みだけのマンション、伐採されただけの広い敷地など、それらを目にすることは難しくありません。また、国境付近の山岳地帯には未だに地雷のリスクがある場所もあります。
ACNの活動は人工壁を建て、村の子どもたちに声をかける所からスタートしました。人身売買が横行している情勢の中、家族や保護者は私たち外国人(日本人)に子どもを預けることを簡単に許してくれません。しかし、何度も掛け合うことで私たちの思いは伝わり、徐々に子供達の数は増えていきました。
時には子供たちの練習時間を確保するために、農作業の手伝いをしたこともあります。私たちはそうして草の根的な活動の中でカンボジアの人々と友好関係を築いていきました。
カンボジア政府にクライミングが国技として認められ、オリンピックに出場できたことは、カンボジア国内に大きな影響を与えました。
当時学生だった彼らは、現在はカンボジアでクライミングを通して活躍しています。
ワールドカップ出場や、彼らの日々の練習の成果により、インドアクライミングはカンボジア国内で評価されるようになりました。
↑大会のインタビューで現地の様子をアップしています。
インドアに注目されている今こそーー
アウトドアクライミングの楽しさを再認識し、岩場の保全活動を行うことで、カンボジア全体の環境保護意識向上のきっかけになればと考えています。
なぜ、クライミングが環境保護につながるのでしょうか?
岩場を大切に思う気持ちが、自然を大切にする気持ちにつながると先に書きました。しかしそれだけでは不十分です。今までは、外国人が開拓したルートをカンボジア人が登って楽しんできました。これからは彼ら自身が自分の国であるカンボジア国内にルートを開拓するのです。
外部から情報や資源を与えられているうちは、全ての文化的要素を受け取ったとは言えません。自分たちでルートを開拓し、愛着を持ってクライミングに接した時、初めて自分達の国家であるカンボジアの自然を守ろうという思いに繋がると私たちは考えます。
かつて日本の尾瀬沼が大規模水力発電の開発事業計画の手から逃れ、今も美しい湿原地帯が保たれているのは、日本人が日本の美しい自然を守りたいという思いがあったからです。そしてその思いの土台には、日本の山岳文化があります。
具体的な今後の活動
*岩場の整備
カンボジアの岩場の情報を共有します。
クライマーが安全に、自然を守り、クライミングを楽しめるよう、岩場の情報をまとめたガイド「トポ」を作成します。
カンボジアでは現在、ACNカンボジア・ACNジャパン、その他団体の活動により、いくつかのルートがwebに公開されています。しかし情報が不十分であるものもあり、正しい情報の掲載が必要です。
現地を周り、安全性の確認と整備を行い、情報を公開します。
*ワークショップとツアーの実施
カンボジア内にある3つの室内ボルダリング・クライミング施設で、子どもクライミングツアー、岩場の開拓から維持まで/環境保護のワークショップを実施します。
同時に現地クライマーにはリスクマネジメントの講義と指導、アドバイスを行いながら一緒にイベントを盛り上げていきます。
現在はボランティア化してしまっている現地ガイドに、技術に対して正当な対価を支払い、新しいビジネスモデルを提案します。それにより次世代の育成、持続可能な活動を目指します。
*リードクライミング練習用設備の製作
現在シェムリアップ.Chiko family borderにはリード(ロープ)クライミングの練習壁がありません。人口壁で練習するには遠く離れたプノンペンに行くしかないのです。なので、シェムリアップにもリードクライミング設備を作成します。
大きな団体なのになぜお金の支援が必要なの?
カンボジアでは近年、スポーツクライミングのテレビ放送の影響も手伝って愛好家が増え始めています。
アンコールクライマーズネットに集まる会費の殆どはクライミング大会出場選手の育成や、遠征費に充てられているため、今回のプロジェクトに捻出する余裕がありません。
カンボジア政府機関、スポンサーなども今はまだ積極的に動き出す気配はなく、ルートセッターや看護スタッフは無償で働いている現実があります。
また、アンコールクライマーズネットの理事たちも今は年齢を重ねており、海外への渡航は厳しく、今は代表理事である私1人が主に現地に赴いています。今回のプロジェクトでは、私ともう1名のスタッフが活動する予定です。
今後のスケジュール
1月は、カンボジアの首都プノンペンのクライミングジム、プノンクライムでこどものアウトドアクライミングツアー、ワークショップ『ボルトの打ち方、チッピングとは?、地域と協力して岩場を保全する方法』を行います。
それから、南へ向かい、カンポット、シアヌークビルの岩場状況を確認し、現地で活動するクライマーに向けて、ワークショップを行います。
2月は、シェムリアップでボルダリング岩場の整備。クライミングジム、チコファミリーボルダーでワークショップ、子どもアウトドアクライミングツアーを行います。またリードクライミング練習用の設備を作ります。
あなたの支援が、カンボジアの未来を変える
私たちと一緒に、カンボジアの自然を守り、クライミング文化を育んでいきませんか?
ご協力よろしくおねがいします!
支援金の使い方
* ワークショップ開催費用
* ガイド育成費用(日本から指導員滞在費)
* 安全なクライミングに必要な道具の購入
* リターン費
ワークショップ(ツアー)開催費用
現地スタッフ賃金 $20×4人×3回 =$240
バス・ガソリン代 $80・$20×3回 =$300
招待ゲスト水ランチ代(ChicoFA・コンペ上位入賞者) $2×10人×3回 =$60
ガイド育成費用 日本からの講師滞在費用(2名、2ヶ月間) $400×2ヶ月 =$800
食費 1日$20×60日 =$1200
バイクレンタル 1日$10×60日 =$600
ガソリン代 1日$5×60日 =$30
通信費(1台のみ) 1月$180×2ヶ月 =$360
渡航費(2024.10web価格) ¥99,200×2人 =¥198,400
安全なクライミングのための道具購入(購入した道具は使えるものはそのまま寄付します) ロープ・ハンガーボルト・カラビナ等 =$1,000
リターン リターン用Tシャツ購入(アナコットカンボジア購入によるサポート) 1枚$15×30 =$450
合計(1ドル150円計算) ¥994,900
目標金額: ¥994,900
リターンについて
* オリジナルTシャツ
* カンボジアからお礼のポストカード
* カンボジアor日本、ガイド付きクライミング体験
を考えております。
オリジナルTシャツはご協力いただける【アナコットカンボジア】のTシャツをお送りいたします。尚購入費は支援金としてカンボジアの教師教育に当てられます。
現地協力
Chiko Familly Boulder Climbing Gym (シェムリアップ)
Power Up Climbing Gym(プノンペン)
Phnom Climb(プノンペン)
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