10歳で旅立った娘が教えてくれたこと
はじめまして!合同会社SmallGearの代表、倉野博司と申します。
私は53歳を機に、岐阜県の最北端、飛騨市神岡町で、近年注目されているエコ燃料である、ペレットの製造へのチャレンジを始めました。
今までの職業人生では、ひたすら製造業に携わりながら数多くの技術開発や生産工程の改善に挑戦し、経験を積んできました。その中で、「このまま一製造員として働くのもいいが、もっと社会や地域の役に立つことができないだろうか?」という想いが芽生えてきました。
こうした想いは年々高まり、そんな中で様々なタイミングとご縁に恵まれ、ついに53歳で起業を決意し、このクラウドファンディングへも初挑戦しています。
皆さんに笑顔をペレットの魅力を知っていただき、この挑戦を、是非、応援よろしくお願いします!
社名SmallGearに込めた想い
背景には、私の最愛の娘、心希(ここね)の存在があります。彼女は10歳という若さで天国へ旅立ちましたが、地域の人々に愛され、多くの方を一生懸命支えていました。その生き様は、私にとって今も尚、かけがえのない大きな存在であり、挑戦への原動力となっています。
「小さな歯車が動くことで、大きな仕組みが動き出す。」
この考えは、私の娘、心希の生き方から生まれました。彼女は、小さな体でありながら、地域を灯す炎のような存在でした。
彼女を思い、私も社会の中で小さな存在であっても、誰かの助けとなり、より良い未来を作る歯車になりたいと願うようになりました。その気持ち、"Small Gear"=小さな歯車 という社名に込めて第2の人生を歩きはじめました。
忙しい仕事の合間に起業の準備を手伝ってくれた親友、私の思いを理解し受け入れてくれる家族、遠く離れていても私を応援してくれる仲間、人の優しさによって起業できた会社がSmallGearです。
脱サラから始まった新たな挑戦
私が生まれ育った岐阜県飛騨市神岡町は、自然が豊かであるだけではなく、『スーパーカミオカンデ』の最先端の研究がされていたり、高山ラーメンの有名な製造地であったりと、個性あふれる小さな町です。そこで目の当たりにしたのが、「耕作放棄地」の増加です。
美しい山々と清らかな空気に囲まれた素晴らしい自然環境が魅力であるはずのこの町ですが、過疎化や高齢化が進む中で、かつては作物を育てる人々の営みがあった土地が、次々と手入れされなくなり、荒れていくのを目の当たりにしました。
幼い頃に目にした、四季折々に彩られた美しい田園風景が失われつつあることに、私は大きな危機感を覚えます。このままでは大好きなこの町の魅力や暮らしやすさも失われてしまう、そう感じた私は、「耕作放棄地をよみがえらせることで、地域の未来を切り開く事業を興したい」と決意しました。
耕作放棄地を無くす第一歩だった、ぶどう栽培
耕作放棄地を何とかするため、「まず自分自身が農業を始めることが第一歩だ」と考え、仲間たちとぶどう栽培に挑戦しました。しかし、マンパワーの限界もあり、ごくごく限られた農地の改善にしか繋がりませんでした。これでは何年続けても、解決のスピードがあまりにも遅すぎることに気付きました。
「耕作放棄地を一つでも多く活用するには、もっと効率的で持続可能な方法が必要だ」と考え、農業を続けながらも別のアプローチを模索する日々が始まりました。
木質ペレットとの出会い
その転機は、ある友人の家を訪れた際に訪れました。暖房として使われていたペレットストーブの燃料、木質ペレットです。小さな粒状の燃料がエコで効率よく熱を生み出す様子を見て、『これかもしれない!』と、ビビッと来ました。
「木質ペレット」とは・・・木材を圧縮して作られたエコ燃料
【特徴】
- ・再生可能エネルギー:木材の端材や廃材を活用するため、森林資源の循環利用につながる。
- ・高効率な燃焼:安定した熱量を持ち、燃焼時のCO2排出量が少ない。
- ・環境への負担軽減:燃焼後の灰も有効活用できる。(掃除、肥料など)
さらに木質ペレットを調べていく中で、関東地方で行われていた「エリアンサス」という植物を栽培し、それをペレットに加工する取り組みに出会いました。エリアンサスは成長が早く、耕作放棄地を埋め尽くすように育つため、耕作放棄地の活用に適した素材です。しかし、実際にエリアンサスを育てるには、人手だけでなく収穫に必要不可欠な機械など初期投資が非常に高額になることが分かり、私一人で取り組むには現実的ではありませんでした。
菌床椎茸廃菌床との出会い
そのときに出会ったのが、「菌床椎茸」の栽培で発生する廃菌床という存在です。菌床はしいたけを育てる際に使われる培地で、広葉樹のチップを原料に栄養を補強して作られています。栽培が終わった後の廃菌床は、通常これといった使い道なく処分されてしまいますが、実は乾燥させるだけで良質な木質ペレットの原料になることを知りました。
この発見から、大きな可能性が広がりました。廃菌床ペレットは安価な原料を活用することで、エコな仕組みである「ペレットストーブ」に使う燃料代を抑えられるだけでなく、菌床はもともと栄養豊富であるため、ペレットの燃焼後に残る灰さえも農業資材として有効活用できるのです。
こうした仕組みを実現することで、耕作放棄地を埋め尽くす草木や害虫の問題を抑え、さらに農業への新規参入者も増やせるかもしれません。
ペレット製造という方法で、『地域を元気にしたい、世の中の役に立つことがしたい』という願いに向けた第一歩が見えてきました!
そして生まれた「はるまちペレット」
はるまちペレットの特徴・魅力
‐高い暖房効果‐ はるまちペレットの原料になっているしいたけの菌床は主に広葉樹からできています。広葉樹は高い燃焼効率が特徴的で、例えばオークやブナなどの広葉樹は燃焼時に多くの熱を発生させます。この高い熱効率により、少量のペレット
でも十分な暖房効果が得られます。
‐クリンカの発生を抑える‐ はるまちペレットは特殊な製造工程を経てクリンカ(燃焼時に発生する固形の残留物)の発生を抑えます。クリンカが発生するとペレットの燃焼に必要な空気穴を塞いでしまい、燃焼用の酸素が取り込めず不完全燃焼が起きてしまいま
す。しかし、はるまちペレットは市場に多く流通する針葉樹で出来たペレット比べて灰が多く出るものの、クリンカの発生が極めて少なくメンテナンスが手軽なことが特徴です。
‐優れたコストパフォーマンス‐ 廃菌床を原料に製造することで、ペレットを安価にお届けできます。さらに、前述の通りの高い燃焼効率により少ない量で長時間の暖房が可能となり、コストパフォーマンスに優れたペレットをご提供可能になります。
環境に配慮したペレットストーブという暖房を普及するためには燃料費を抑えられていることが絶対条件となると考え、コストパフォーマンスは今後販売していくうえでも重視していきます。
‐環境への配慮‐ はるまちペレットの原料をたどっていくと、元になっているのは広葉樹です。広葉樹は成長過程で大量の二酸化炭素を吸収しており、広葉樹から出来たはるまちペレットが燃えることで二酸化炭素が排出されます。
その二酸化炭素をまた広葉樹が吸収していきます。このようにはるまちペレットは廃菌床を使用することで、これまでにない森林の循環サイクルを生み出し、地球温暖化の抑制に貢献しています。
「はるまちペレット」に込めた想い
笑顔あふれる暖かな生活を
ペレットストーブは11月~3月にかけての寒い季節に使用されます。寒い思いをして生活するのは非常につらい事であり、場合によっては命の危険にもつながります。誰もが「早く暖かい春が来ないかなぁ」と思いながら寒い季節を過ごしておられる事でしょう。“春を希う(こいねがう)”ペレットという事から、「はるまちペレット」と名付けました。皆様に愛されるペレットを目指し、安心・良品・低価格を実現するため改良を進めて参ります。“笑顔あふれる暖かなご家庭”の支えとなれることを目指します。
そんな想いを込めた「はるまちペレット」のロゴを制作しました!
コンセプト
ペレットストーブの炎と、「心」「想い」をイメージしたハートと、笑顔を盛り込んだデザインです。
キャッチコピーの「笑顔あふれる暖かな生活を」をイメージして制作しています。オレンジのハートは
「新しいスタート」、「元気に動き回る」、「はじけるような明るさ」という意味もあります。
はるまちペレットをもっと多くの人に届けたい
はじめたばかりのペレットですが、ありがたいことに地元の個人や法人様を中心に徐々にご利用いただく方が増えてきました。また、そんな中で、『こんなペレットは見たことない』『オンラインでも購入できるようにしてほしい』などのお声をいただくようになってきました。
今後は、より多く広くお届けするため、オンライン販売を本格的に強化し、全国のお客様にペレットの良さを知っていただきたいと考えています。
また、作ってみては不具合や課題が見えてきて改良し続ける毎日ですので、様々な設備の導入や研究のためにかかる費用が必要になってきました。
生産量を増やし、安定供給を実現するためには、まずペレットを十分にストックできる環境を整えることが必要不可欠です。ペレットは湿気に弱いため、品質を維持するには専用の保管場所が必要です。
今回のクラウドファンディングでは、湿気対策が施されたコンテナ型倉庫(総額約100万円)のうち、30万円を皆さまのご支援で賄いたいと考えています。
この倉庫を設置することで、バイオマス発電用の大量供給と、個人向けのペレットストーブ用燃料の両方を安定的に生産・供給できる基盤を築きます。
今はまだまだスタートしたばかりの事業ですが、今後ははるまちペレット製造を軸に、以下のような取り組みを進めていきます。
まず一つは、災害時にも役に立つ無電源ペレットストーブの開発です。
お正月に起きた、石川の震災の時、寒さと戦う被災地の方々が心配で、何もできない無力感にさいなまれました。
日本は地震大国で、いつ何が起こるかがわかりません。電気も燃料もない、そんな状態でも暖かさをお届けできる、無電源ペレットストーブの開発に向けて、今準備を進めています。
二つ目は、ペレットを使用したバイオマス発電への貢献です。
私が生まれ育った飛騨市は総面積の約9割が森林であり、日本国土でも森林は約66%を占め、先進国でも特に高い割合になっています。
しかしながら、それらが我々の生活に必要な電力を生み出すことに使用されているのはごくわずかで、国内で消費されているエネルギーは輸入した燃料に依存している部分が大きいのが現状です。
カーボンニュートラル等が注目される中で改めて森林資源を木材として有効活用し、最終的には燃料として価値を終える取り組みをしていくことはよりよい未来を作ることに繋がると私は考えています。
今日本国内には955ヵ所のバイオマス発電施設があり、発電量は全体で約29,800メガワットになります。(2021年時点)
住宅の暖房用のペレットだけでなく、これらの発電施設へ継続的にペレットを提供して社会に貢献していけるよう、生産力を強化してまいります。
三つ目は、私個人の目標でもあります、耕作放棄地の再生です。
高齢化が進み、農業が続けられない方が増えてきました。
農業は耕耘、畝上げなどの重労働がありますし機械がないと大変な作業です。年間を通して手間がかかりますので、農業離れと農業に挑戦したいという方が減っているという声をよく耳にします。
重労働を重労働のまま残していては、問題解決に繋がらないと考えます。今扱っているペレット用の廃菌床やペレットを使用した後の灰を活用し、「誰でも手軽に作物を育てられる」という仕組みを構築するべく研究開発を進めて参ります。
今取り組んでいる小さな取り組みから、これら3つの大きな社会貢献に繋げるべく挑戦していきます!
スケジュール
11月28日 クラウドファンディングスタート
12月19日 リターンの発送開始
12月26日 産地直送「ぎふまる」楽天店にてネット販売開始(予定)
2月上旬 倉庫の設置予定
最後に
『世の中の役に立ちたい』ただその想いから始めたこの事業ですが、まだまだスタートしたばかりで課題も山積みです。
まずは菌床ペレットの魅力を多くの方々に届けることで、環境に優しいエネルギーを広め、地域や社会に貢献していきたいです。
どうか私たちの挑戦にご支援いただき、一緒に「未来を創る歯車」となっていただけませんか?
こんな私の挑戦を、どうか、応援よろしくお願いいたします!
最新の活動報告
もっと見るたくさんのご支援ありがとうございました‼︎
2024/11/29 20:44皆様にたくさんのご支援をいただき、お陰様で目標100%達成ができました。温かいご支援、ご声援をいただきありがとうございます。「燃料ペレットは販売できるようになるまで5年くらいかかりますよ」と言われ、厳しい世界に足を踏み入れたと感じていました。何度も大きな壁にぶつかりましたが、その度に周りの皆さんに助けていただき、頑張ってこれました。きっと娘の心希が、優しい皆さんとのご縁をつないでくれたのだと思います。いつも私と一緒にいて「お父さん、頑張って‼︎」と応援してくれました。心希、ありがとう。頑張るよ。皆様、どうぞ引き続きこのプロジェクトにご参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。小さな歯車が大きな歯車を動かす時が来た気がします。ありがとうございます。 もっと見る
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