このプロジェクトについて
中川迦士は、双極性障がいの病ゆえに生きづらさを抱え、家にひきこもり状態の生活を余儀なくされています。本書は、彼の心の奥底に眠る「叫び」を詩としてまとめたものです。世の中には、自分と同じように苦しんでいる人々がたくさんいるはずだ──彼らの「声にならない叫び」を代弁することで、同じ苦しみをもつ仲間たちに寄り添いたい。各種福祉事業を展開するKプランニングでは、中川迦士のそんな考えに全面的に共感し、本プロジェクトを推進することにしました。経費を除いた販売純益はすべて、一般社団法人はるはる福祉会の障がい者支援活動に寄付されます。
中川迦士が書き下ろした詩には、車椅子の画家・太田利三氏の優しい絵画と、早稲田大学文学部名誉教授の野中涼氏(英文学者)による英訳を付けました。これによって作品に、新たな魅力が加わっています。さらに画期的な試みとして、AIアプリを使った作曲にもチャレンジ。イメージ映像を盛り込んだYouTube動画も公開しました。楽曲として音が付くことにより、短いコトバの中に潜んでいた「メッセージ」がより明瞭に伝わります。詩に添えられたQRコードをスマホで読み込むと、オリジナルYouTube動画へリンクするハイブリッド詩画集──最新技術を駆使した詩の楽しみ方を、ぜひお試しください。
▲中川迦士ポストカードのイメージ「いいんだよ」
このプロジェクトで実現したいこと
内閣府が2022年に実施した「こども・若者の意識と生活に関する調査」によると、現在引きこもり状態にある人は、15~39歳で2.05%、40~64歳で2.02%存在し、全国には約146万人いると推計されています。「仕事をやめざるを得なかった」「人間関係がうまくいかない」「学校への不登校」「いじめにあった」「心の病」等々の理由によって、これだけ多くの人たちが社会から隔絶された生活を送っているのです。
中川迦士もそんな当事者の1人として、仲間たちに向けて「自分ができることは何か」を考えました。その結果、これまで彼が自分に向けて書きためてきた「暗号文のような詩(中川談)」を、一冊の書籍にすることを思い立ったのです。「本当は誰も傷つけたくないのに、身近な人を悲しませてしまう」──そんな思いを抱く人は少なくないでしょう。生きづらさを抱えながら生きている人たち、そしてそんな苦しみを近くで見守っている家族や友人たちに、本書を届けてほしいと私たちは強く願っています。
▲中川迦士ポストカードのイメージ「ひとりぼっちはツライけど」
リターンについて
『車いすに2人乗り(ハイブリッド版)』
中川迦士(詩)/太田利三(絵)/野中涼(英訳)
A5並製本86ページ/本文オールカラー
価格:2,500円〜(2冊セット〜)
筆で書かれた中川迦士の詩32編に、車椅子の画家・太田利三氏の優しい絵と早稲田大学文学部名誉教授の野中涼氏(英文学者)による英訳を付けました。すべての作品にはQRコードが付いていて、スマホで読み取ると「詩をもとにAIシンガーが歌うオリジナルYouTube動画」にリンクします。中川迦士の詩を読みながら、その歌を聴く……まったく新しい詩の鑑賞法を体感してください。
作者の強い希望により、身近にきっといるはずの「生きづらさを抱えている人」へのプレゼントと、ご本人用。「支えようとする人」と「支えられる人」をつなぐツールという位置づけのため、2冊以上のセット販売を基本とさせていただきます。お得な5冊セット、10冊セットや、オリジナルポストカードを付けたカード付セットもご用意しました。詳しくは、リターン一覧をご覧ください。
作者からのメッセージ
中川迦士(詩人)
10代の頃、疑問だらけの学校への登校拒否を選んだ私は、それ以来ずっと自宅にこもって「自身で読み返しては自己を問いただす暗号文」のような詩を、書き続けてきました。本来はこれは、人様に見せるようなものではありません。しかし太田先生の優しい絵と野中先生の英訳と並べることで、不思議な魅力が生まれていきました。詩を眺めながらAIシンガーの歌と動画を聞いていると、この詩を書いたときの感情が蘇ってきます。
目を閉じて、耳を澄ませてみてください。生きづらさを抱えながら暮らしている人はいませんか? 身近な誰かが、もし苦しんでいるとしたら…。無理強いも、余計なお世話もしたいとは望んでいませんけれど、もし今、その人に対してあなたが手をこまねいているのなら、その場所までこの一冊を運んでくださいませんか? 二冊を抱えたあなたが、誰かに一冊を届けてくれるだけで、ひとりで抱えている生きづらさが、少し姿を変えるかもしれません。皆さんの心に一時でも平穏が訪れることを祈っています。
応援者からのメッセージ
野中 涼(早稲田大学文学部名誉教授)
私が中川さんのつぶやきの文句を英訳しはじめたのは、平凡そうでいて意味深長である、という逆説的な表現効果の魅力に感心したからです。私はいつからか、面白い言葉に出会うと、つたない語学力にもかかわらず、英語ではどう言うのだろうか、と気になる癖があったのです。ちょっとした余技遊興の気晴らしにすぎなかったのですが、英訳の作業で、ありがたいことに、つぶやきの奥底にわだかまる複雑豊富な意味の資源をいろいろ掘り起こすことになったのでした。
中川さんのつぶやき詩の表現は、簡潔単純な言いまわしにたくさんのものが詰まっていて、とても豊かで、魅惑的で、いきいきしていて、親しみやすく、力強いものです。これからもこのつぶやき口調の文体で、いろいろ工夫しながら表現しつづけてくださると、どんな成果が生まれてくるだろうか、と楽しみに思っています。
太田利三(画家)
『車いすに2人乗り(ハイブリッド版)』の出版、誠におめでとうございます。迦士君はずっと英訳本の出版を強く希望していたゆえ、嬉しさもひとしおでしょう。戸原さんや野中先生は、迦士君の暗号文を「詩」と呼び変えています。そうです! 私も前から迦士君の暗号文が、現代詩にならないものかと考えておりました。詩であれば、極小の言葉の中に読者は深い意味を探り出そうとします。舌足らずな言葉がかえって、宇宙的な空間を醸し出したりもするでしょう。その上、知的に思えたりして…。『詩』と呼んで下さったことが、迦士君の前途を大きく飛躍させ、新世界の一歩となるに違いないと確信します。
今回の出版を契機として、迦士君が太陽に向かって飛び立つ蝶となってくれることを期待します。本当に良かった。友人代表として、野中先生、戸原一男さんに、改めて厚く御礼申し上げます。迦士君、ますます自由な詩人であれ!
寄付までのスケジュール
CAMPFIREからの入金確認後2週間以内に、当プロジェクトから生まれた利益(広告費・リターン作成費・梱包送料を除く)はすべて、プロジェクトオーナーから一般社団法人はるはる福祉会に寄付されます。これによってオーナーは寄付金控除を受けることはありません。
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