はじめまして。
活海老料理専門店「ゑびの森」のオーナーシェフ、日高遥馬と申します。
本プロジェクトに目を留めていただき、本当にありがとうございます。
少し私の話をさせてください。
私は20歳で調理師専門学校を卒業後、イタリア・トスカーナ地方で2年間の修行を重ねました。
その後インドネシアのジャカルタで5年間、日系商業施設のマネージャーポジションを勤めました。
その後、沖縄に移住して4年。
屋我地島の車海老キッチンTAMAYAでのアルバイトを経て、本部町でイタリアン「Pescheria DUE」、那覇で「Osteria DUE」を開業。
さらに妻と共にインドネシアカレー店「ワルンルンパ」も展開してきました。
そして、株式会社クガニの上間社長のご協力のもと、かねてより抱き続けていた夢を実現する時が来ました。
「今帰仁村の森の中で、沖縄の豊かな食材と自然を存分に味わっていただける空間を作り上げたい」
その想いから生まれたのが「ゑびの森」です。
美しい海と自然に魅了される日々を過ごし、もうひとつの大切な沖縄の魅力に気づきました。
それが、亜熱帯特有の植物が生い茂る"やんばるの森"でした。
しかし開発が進む現代において、本来の姿を残す森は徐々に減少しています。
だからこそ私は、この場所に沖縄本来の自然を再現し、魅力を伝えていきたいと考えています。
「ゑびの森」の最大の特徴は、800坪を超える広大な敷地の中に、可能な限り既存の木々を残して作られていること。
鬱蒼とした原生林を切り開いて作ったレストランだからこそ、自然との調和を第一に考えています。
敷地内では、森との一体感を感じながらお食事をお楽しみいただけます。
店内からは四方を緑に囲まれた景色が広がり、まるで森の中でお食事をしているような非日常的な空間があります。
ガジュマルの木々や琉球寒緋桜など、この土地特有の植生を活かすことで、本来の沖縄の自然を体感していただきたいと考えています。
沖縄県は車海老の生産量日本一を誇りますが、その多くは本土の高級店に出荷されています。
当店では地元の養殖場から直接仕入れることで、最高品質の活車海老を適正価格で提供。
さらに旬の地魚も市場から直接仕入れ、沖縄の海の恵みを存分に味わっていただけます。
カウンター席では活きた海老を目の前で調理するパフォーマンスをします。
殻を剥く音、踊る海老の動き、焼き上がる香り、新鮮な旨味と食感。
すべての工程を目の前で体験していただくことで、食材が料理になっていく感動をお届けします。
店舗横には手長海老の生簀を設置しておりますので、お子様から大人まで海老釣りを楽しんでいただけます。
釣った海老はその場でBBQや天ぷらに。
生簀横のウッドデッキでは、自分で釣った海老を即座に調理して味わうという、「ゑびの森」ならではに体験をお届けします。
800平米を超える敷地を整備し、遊歩道を作ります。
そこには亜熱帯特有の植物や生き物との出会いが待っています。
食事の前後に森の中を散策することで、やんばるの森が持つ癒しの力を体感していただけるでしょう。
季節によって異なる草花や野鳥との出会いも、訪れる度に新しい発見があるかもしれません。
本プロジェクトが成功した未来で、皆様に沖縄の自然と食の魅力を存分に味わっていただきたいと考えています。
「ゑびの森」では、カウンター席の目の前で活海老の調理を行います。
ご注文をいただいてから、生きた海老をお客様にお見せし、その場で捌いていく。
これは単なる料理の提供ではなく、食材の命をいただく過程をお客様と共有する大切な時間だと考えています。
活きたまま殻を剥き、踊り造りに。あるいは串打ちをして直火で焼き上げる。
一つ一つの工程が素材の味を最大限に引き出してくれます。
イタリアでの修行時代、私は食材との向き合い方の本質を学びました。
特にトスカーナの山中で営業していた「MOCAJO」での経験は、今でも私の料理人としての基礎となっています。
お爺さんが猟師として獲ってきた猪や兎、雉や鳩。
それらを羽むしりから血抜き、内臓の掃除まで、一から調理することで、命をいただく責任の重さと、食材を最大限活かすことの大切さを痛感しました。
20歳という若さゆえ、イタリア語もおぼつかずシェフから怒られることも多かった日々。
しかし野生動物を一から調理してイタリアの伝統料理を作るという他店では得られない経験が、食材への真摯な向き合い方を教えてくれました。
その後、ミシュラン1つ星「BUTTERFLY」では、パンとドルチェ部門で腕を磨き、「L'imbuto」では前菜からパスタまで幅広い技術を習得しました。
特に「L'imbuto」のシェフから学んだ「土の香りや海の香りなどの自然の香りを残した料理」という考え方は「ゑびの森」のコンセプトにも大きな影響を与えています。
インドネシアでは、日本人の私が単身で店舗管理から税務まで任されるという厳しい状況に直面しました。
しかし日々インドネシア語を学び、現地スタッフとの信頼関係を築き上げていく中で、料理だけでなく経営者としての視点も養うことができました。
そして今、これらすべての経験を「ゑびの森」で活かしています。
沖縄の新鮮な食材を前に、私はイタリアで学んだ「素材への敬意」を持って向き合っています。
活きたまま捌く技術、素材の味を最大限に引き出す調理法、そして何よりお客様の目の前で調理することで、食材の命が料理へと変わっていく過程をお見せする。
これが、私が目指す料理人としての在り方です。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
「ゑびの森」は、お陰様で多くのお客様にご来店いただき、活海老料理を通じて沖縄の魅力をお伝えしてきました。
しかし私たちにはまだ伝えきれていない沖縄の価値があります。
それが"やんばるの森"です。
今回のプロジェクトでは、店舗の800坪という広大な敷地を本来の"やんばるの森"の姿に再現していきます。
沖縄の原風景を守り、伝えていく、新しい挑戦です。
ただ正直に申し上げますと、在来種の植栽や遊歩道の整備、自然な生態系を育む環境づくりには、予想をはるかに超える費用が必要となっています。
しかしこの部分は決して妥協したくありません。
なぜなら、沖縄本来の自然の価値を、より多くの方に体験していただきたいからです。
皆様のご支援は、私たちの夢への共感として大きな励みとなります。
必ずご期待に応える空間を作り上げます。
そして、支援いただいた皆様に「応援してよかった」と心から思っていただけるよう、全力を尽くす所存です。
私は現在32歳。至らない点は多々ありますが、今回のプロジェクトには私はこれまでの人生すべてを注ぎ込んでいます。
世界遺産・今帰仁城跡の麓で、やんばるの自然と沖縄の食材が織りなす特別な体験を、ぜひ多くの方々へ共有させてください。
その大きな一歩を、皆様と共に踏み出せることを、心より願っています。
活海老料理専門店「ゑびの森」
オーナーシェフ 日髙遥馬
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