今回の実行委員は、いずれも竹原研究室を巣立ち、建築家や編集者として独立しているメンバーです。学生時代、それぞれのタイミングで「黒板授業」に向き合い、そこで受けた衝撃と学びが現在の実践を形づくっています。黒板の線はライブで書き足され、何が飛び出すかわからない緊張感に満ちていました。その受け取り方は一人ひとり異なりますが、共通しているのは、建築と真剣に向き合うことを選んだという事実です。だからこそ本づくりでは、単なる記録にとどめず、教室の空気や手の速度、言葉の間合いまで、可能な限り紙面に定着させることにこだわっています。受講した教室の匂い、黒板の粉、手の運び、間のとり方——そんな細部までが私たちの記憶です。だから今回の書籍では、紙やインク、判型や開きのよい製本まで検討を重ね、黒板の前に立つ感覚をできるだけ損なわないようにしています。一冊を通して、あの場の緊張と温度が静かに立ち上がることを目指しています。写真は、2002年ごろ大阪市立大学でされていた記録動画より






