自己紹介
滋賀県立彦根工業高等学校は、昨年度までの3年間、文部科学省の「マイスター・ハイスクール事業(次世代地域人材育成刷新事業)」の指定校として、SDGs、カーボンニュートラルを意識したものづくりを通じて社会課題に向き合いながら社会貢献活動を行い、現在も引き続きこの理念を踏まえて生徒の非認知能力を高める取り組みを行っています。
このプロジェクトで実現したいこと
本校では、彦根の地場産業の一つである仏壇・仏具由来の漆、蒔絵技術と本校が企業との協力で開発した菜の花生分解性バイオプラスティック素材(日本初)で、ペットのフォトスタンドを製作しました。私たちは、これを返礼品として登録し、カーボンニュートラルを意識したものづくりやプラスティックごみ削減の普及啓発を行いたいと思います。また、この製作物に対する皆様のご意見を伺いながら生徒の中にあるものづくり精神を活性化させるとともに、寄付金の一部は、この次世代伝統技術を海外に向けて発信するための生徒の海外留学支援に役立て、地域の地場産業を活性化させていきたいと考えております。
プロジェクト立ち上げの背景
戦国武将、井伊直政の軍勢は「井伊の赤備え」で有名でしたが、その鎧、兜を製作した職人が、戦のない平和な江戸時代になり、仏壇、仏具職人として活躍し、今ではその漆、蒔絵技術は箸やお椀、トロフィーづくりなどに広がり、彦根の地で今も息づいています。私たちは、こうした伝統技術にSDGsやカーボンニュートラルを意識した現代技術のものづくりとを融合した製品製作を通じて、次世代の伝統技術を創造しながら先人の志を伝承していきたいと思いました。
現在の準備状況
本校の機械工学部生徒が菜の花バイオプラスティック素材でペットのフォトカードのサンプルを製作するとともに、「近江の名工」の職人の方にヒノキでフォトスタンドを作っていただき、そこに①漆塗り・蒔絵職人の方に装飾をしてもらったものと②同部がレーザー加工と塗装を施したサンプルを製作しました。また、この製作物を収める小箱を本校木工部で製作しています。
また、この製品製作を通じて、生分解性バイオプラスティックが、スプーンや袋などの日用品だけにとどまらず、アートという観点から発信し、プラステックごみ問題への関心を喚起していきたいと準備しています。
リターンについて
クラウドファンディングにご協力いただいた方々に対し、寄附金額に応じて以下のように返礼品を考えています。
①1,000円以上 感謝の気持ちを込めてお礼メッセージを送付します。 ②3,000円以上1万5千円未満 菜の花バイオプラスティック製「ひこにゃん」プレートおよびお礼メッセージを送付します。
③1万5千円以上 ペットフォトタンド(生徒製作バージョン)A、B合わせて限定数25とお礼メッセージを送付します。
④2万5千円以上 ペットフォトスタンド(職人製作バージョン)C:限定数5とお礼メッセージを送付します。
(注)③、④の返礼品については、寄付者よりペット等のデジタル写真データ等を送付いただきます。仮に限定数を超える寄付を頂いた場合、一旦募集をストップし、追加製作の可否を検討します。
その他、表面塗装は、水やアルコールで拭くと色落ちし易いので、乾いた布で拭くなど取り扱いには十分ご注意ください。
スケジュール
2月初旬 クラウドファンディング開始
2月上旬 写真デジタルデータ加工、確認、スタンド製作開始
3月下旬 クラウドファンディング終了
4月上旬 リターン発送
5月~7月 プラスティックごみ削減普及啓発、日本の伝統文化紹介(生徒海外留学)
メッセージ
本校では、ものづくりを通じて社会課題に関心を持ち、微力ながら社会貢献をすることで、生徒の自己肯定感、自己効力感を育み、やり抜く力(忍耐力)、誠実性、創造性、グループ製作による協調性やコミュニケーション力などの非認知能力を高める取り組みを継続して行っています。
現在のデジタルネイティブ世代は、AI等による活用で知識や問いに対する正解プロセスを効率的に取得できる機会を得ていますが、そこにたどり着くまでの葛藤プロセスがないため、経験値が乏しく深みのない人間になりかねないと危機感を持っています。
グループによるものづくりは、相手との触れ合いを通じて互いの気持ちへの思い至りや気付きを促し、協調性を育みます。また、生徒は「無」から「有」を生むものづくりを通じ、新たな価値を見出すプロセスを経験することで創造性を育み、そしてそれを社会と接点を持つ形で評価していただくシステムを築くことで、家庭環境や経済的制約の中で幼少期に様々な経験を得られなかった場合でも、潜在的に眠っている非認知能力を活性化できると考えています。
脳科学では、認知能力(学力)や非認知能力は幼少期から10歳までに一端ピークを迎えますが、非認知能力はその後18歳頃まで伸びると言われています。また、教育経済学では、非認知能力の高まりが健康や経済的状況を改善するという研究結果も報告されています。
本校のこうした取り組みの趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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