プロジェクトの背景
時代の波に飲み込まれる伝統工芸
戦後、着物を着る人、着る機会が激減。
現在に至っては、成人式すらレンタル着物がほとんど。
着物が売れなくなったということは、
つまり、そこから派生する様々な伝統工芸の仕事が大きく減っているということです。
伝統工芸職人の4割が廃業危機にあるといい、
仕事をたたむ職人さんが後を断ちません。
問題点は大きく以下の2つが絡み合っていると考えられます。
・仕事が大きく減っている(ライフスタイルの変化)
・現役職人の高齢化と後継者不足(若い世代にとって将来性を感じられない)
このままでは、伝統工芸の産業は衰退していく一方です。
※ご協力いただいている伝統工芸職人の方々の仕事風景
世界に誇る日本の資産=伝統工芸を守れ!
この現状をなんとかしたい、
歴史を重ね受け継がれてきた伝統工芸の技術を守るのはもちろん、
次世代に向けて新しい形で発展させることはできないか?
そんな思いからこのプロジェクトを起ち上げました。
きっかけは、ある京都の呉服屋さんから「着物が売れなくなり、在庫を多く抱えるようになって大変で。どうしたらいいか…ご意見いただけませんか?」と相談を受けたことでした。
お話を伺い、今後の日本の伝統工芸のあり方について、改めて考えさせられました。
日本の伝統工芸は、世界に誇れる日本の資産です。
でも、今のままでは時代の波に飲み込まれ、緩やかに消えていく運命です。
以前から日本のモノ創りに携わる人の未来を考えていた私は、ファッションデザイナーとしての経験から、それなら欧米型の「今」のライフスタイルに合ったファッションとして創ればいいじゃない!と思ったんです。
時代は円安、日本の国力は衰える一方、
それなら、究極の日本のラグジュアリー=伝統工芸で、とびきりラグジュアリーでカッコいいファッションを創って世界へ打って出よう!
それならパリコレで発信するのが一番!
プロジェクト構想から約3年、資金繰りで何度も頓挫しながら企画を重ね、共感くださる職人さんとの出会いと、そこから繋がるご縁でここまで来れました。
改めて発起人の簡単な自己紹介をさせていただきます。
KYRA(ふるた ひろ美) プロフィール
ファッションデザイナー、プロデューサー。
東京とロンドンにてファッションを学ぶ。
著名なデザイナー、ブランドの元でキャリアを積み、
自らのブランドを起ちあげ、パリコレに出展。
その後も、国内外の様々な企業、 ブランドの仕事に携わる。
近年は、サスティナブルなファッションの在り方、モノ創り、新たなライフスタイルの創出に取り組んでいる。
https://kyracaline96.base.shop/
https://www.instagram.com/kyra_magnifique/
プロジェクトの概要
伝統工芸の素材と技術を活かしたラグジュアリーファッションを創りパリコレへ
着物や帯の生地、それに合わせる装飾品は、繊細で緻密な手仕事の非常に美しいものです。
それらを素材として用いながら、欧米型のライフスタイルに合ったラグジュアリーファッションへと変貌させられたら!
想像しただけでワクワクしてきませんか?
例えば、こんなものを創りたいと考えています。
デザインスケッチと共にプロジェクトにご協力いただいている伝統工芸とその職人さんをご紹介させていただきますね。↓
■西陣織ならではのゴージャスな柄帯生地や、濡れたような独特の光沢感を放つ、黒金糸をふんだんに織り込んだ黒生地(プロジェクトのためにオリジナルで企画開発)を使ったジャケット。水引のモチーフと金糸のガーランドをあしらった大きなピンで前見頃を留めます。
西陣織織元 川端有限会社
1923年に西陣で創業、3代続く織元です。
西陣織は分業制になっており、全ての工程のプロがいます。
糸を仕入れ、染め、整経する。
どの織機で織るかを選択し、図案を考え、紋を作り、そして織ります。
弊社はその工程に指示を出し注文する事により、オリジナル商品を製作しています。
絹の糸にも沢山の種類があり、太さはもちろん、セリシンをどの程度残すかで風合いが全く変わります。その糸にこだわり、ものづくりに取り組んでいます。
註)セリシンとは、蚕が繭を作る際に吐き出す繭糸を構成するタンパク質の一種。セリシンが多いほど張りのある強い絹糸に、少ないほど柔らかく光沢のある絹糸(強度は弱くなる)になります。
https://nishijin-kawabata.co.jp
■和と洋のテイストが絶妙に融合した柄行きの博多織の帯生地を使ったテイラードジャケットにパンツのスーツ、ワイルドなライダースジャケット。
テイラードジャケットのトワル(立体型紙)です。
閂(かんぬき)のような留め具(画像は粘土で作成したサンプル)を漆細工で、蒔絵や螺鈿細工を施し創ります。
留め具は前見頃の裏にタブを付け、チェーンで付け外しできるように(落とさないため)、また留め具単体でも、ペンダントトップやチャームとして楽しめる仕様にします。
西村織物
創業1861年、博多織最古の織元。ニーズの減退により少ロット多品種という厳しい条件の中でも、西村織物は進化を続けています。従来の伝統的な技術を生かしつつ、織物の可能性を追求しています。
制作理念は「絹よ輝け、人よ輝け」。創業200年を視野に入れ、博多織最古の老舗として、世界に通じる織屋となるべく、日々精進を続けています。
https://nishimura-orimono.jp/
■世界でも類を見ない、染めだけでリバーシブル(裏表が別色)を実現した引き染めの生地を使い、リバーシブル仕立てのアイテムを。
ふじや染工房
昭和27年創業。
生地を張り刷毛で一気に染め上げる「引き染め」を専門とし東京手描友禅の地色の染めを行う。
生地の艶を損なわない染め方が可能で、
良い発色・深い色・艶感が特徴です。
令和4年からは、引き染めを次の世代に伝承する為に完全オーダーメイド着物や、表裏で両面異なる色を染める「KENSAI」に挑戦している。
https://sites.google.com/view/fujiya-somekoubou
■友禅(手書き&デジタル)の生地でイブニング、カクテルドレスを。特にデジタル友禅の生地では、MA-1ジャケット、シャツ、ワンピースなどカジュアルなアイテムを。
そめもよう合同会社
私たちは「東京手描友禅」という伝統工芸の職人です。手描友禅は、手描きで着物や帯を染める伝統的な技法のこと。
2019年からデジタル捺染で手描友禅を複製した、some-priというブランドを展開し、デジタル友禅という名称を付けました。
江戸の空気を感じるユーモラスなデザインとモダンなバランス感覚を軸に、伝統のその先を見据えた商品作りをしています。
https://www.somepri.jp
これらに合わせるアクセサリーとして、
■金継ぎのネックレス等
ジャケットの留め具(画像は粘土で作成したサンプル)漆に蒔絵 or 螺鈿細工を施します。
留め具単体でも、ペンダントトップやチャームとして楽しめる仕様にします。
株式会社佐藤喜代松商店 佐藤貴彦
京都で漆精製業として1921年に創業し、あらゆる分野に漆を提供してきた。
漆の分析や精製法を科学的に研究開発し,様々な分野での利用を拡大。
漆塗り・蒔絵・螺鈿などの多種技法を駆使し,
企業やアーティストとのコラボレーション作品の企画・デザイン・製作を得意とする。
https://urusi.co.jp
職人さんの声
欧米のハイブランドが蒔絵、螺鈿、漆塗りなどの技術やデザインを製品に取り入れています。
日本の伝統的意匠や高度な手技に魅力や価値を見出しているからです。そしてその製品が世界中のVIPたちの手元に渡っていきます。
今回、日本のブランドとして日本の技術を世界に発信できるこの機会を大切にしたいと考えています。
KYRAさんとのご縁は,長いお付き合いの幾つかのご縁から繋がっています。
ご縁で世界中に広がっていく楽しさをご支援いただいた皆さんとも共有していけることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。 佐藤貴彦
■水引のヘッドピース、ネックレス等
アスコットやダービー等の競馬場でかぶっていただきたいゴージャスなヘッドピース。パーティで注目を集める存在感抜群なネックレス。しかも軽い!
洒落水引 荻原加寿美
洒落水引デザイナー。固定観念に囚われない、新しい水引アクセサリー・インテリア小物等を制作しています。
著書「はじめての水引細工」/「やさしい水引細工12ヶ月」(成美堂出版)・「いちばんやさしい水引細工の手習い帖」(ナツメ社)
https://mizuhiki.fashionstore.jp/
■つまみ細工のピアス、イヤーカフ、ヘッドピース等
繊細かつゴージャスなアクセサリーはカジュアルにもシックにも。
つまみ細工 一凛堂房
つまみ細工の専門工房。東京、大阪、ベトナムにも工房を構え、髪飾りだけでなく人形飾りやブライダル製品、つまみ細工アクセサリーやインテリア製品なども取り扱っています。
製品販売・卸・専門材料の販売の他、オリジナル制作(OEM)・企業向けつまみ細工メニューの開発等、幅広く業務を展開しています。
https://tsumami-ichirindo.com/
これらはアイデアの一部ですが、こうしたアイテムをコレクションとして創り上げ、パリコレに出展します。
そもそもパリコレって?
パリで年2回(秋冬と春夏)開かれるファッション(服飾品)の新作発表会・販促展示会です。「パリコレ」はパリ・コレクションの略語で、日本でしか通じない造語です。現在は、パリ・コレクションという呼称もパリ・ファッション・ウィークに変化しています。
なぜ、パリコレなの?
パリ・ファッション・ウィーク(通称パリコレ)には世界中からプレスやバイヤーなどの業界人が集まります。
そこに出展することで、世界へ向け発信すると同時に、彼らからのフィードバックも得られます。
また、フランスでは、パリ万博が開催された19世紀末からジャポニズムとして日本文化や美術工芸品に対するリスペクトが根付いています。
このプロジェクトの目的である「日本の伝統工芸によるラグジュアリーファッションを世界に流通させる」チャンスを掴むための最高の舞台なのです。
そして、そこで成果を出すためには、ただ出展するだけでなく、事前のリサーチとプロモーションが非常に重要です。
事前に数点のサンプル(カプシュール・コレクション)を制作し、それを持ってプレスやバイヤーにコンタクトすることも重要なミッションです。
このプロジェクトの意義
こうした伝統工芸が、グローバルなファッションとしての流通チャンネルを持つことで、そこに携わる職人さんたちの新しい活躍の場が拓けます。
国内外で、ファッションとしての日本伝統工芸の認知が進めば、ファッションに敏感な若者の参入を呼び込み、後継者育成への足掛かりともなります。
このプロジェクトが成果を出すことで、ファッションだけでなく、インテリアや生活雑貨などへと、さらなる発展も期待できます。
海外でその製品を目にした日本人が誇りに思うような、日本の新しい文化、アイデンティティとして、日本を力付けるファクターともなり得ると考えています。
また、こうしてプロジェクトのクラウドファンディングを起ち上げることで、より多くの人に、伝統工芸の素晴らしさと厳しい現状を知っていただくことにも、大きな意味があると考えています。
プロジェクト・スケジュール
2025年5月下旬 コレクション企画スタート
2025年9月下旬 パリ・ファッション・ウィーク(パリコレ)視察&プロモーション活動
2025年10月下旬 コレクションサンプル依頼
2026年2月中旬 パリコレ出展用の商品サンプルの完成
2026年3月初旬 パリコレ出展
※クリエイティブ性の高いアクセサリー、洋服のブランドに適した展示会と言われているプルミエール・クラス(毎年パリ・ファッション・ウィーク期間中である 10 月と 3 月に開催)への出展を予定しています。
https://whosnext.com/en/events/premiere-classe
支援金の使い道
集まった支援金は以下に使用する予定です。
・コレクションサンプル製作費
・パリコレ視察&プロモーション費
※目標金額を超えた場合は、パリコレ出展費、プロジェクトの運営費に充てさせていただきます。
私たちの目指す未来
私たちのゴールは、日本の伝統工芸が、ファッション製品として流通し、欧米型のライフスタイルに浸透していくことです。
さらには、その素材、技術までもが、海外で流通、アウトソーシングされるようになれば、伝統工芸は産業として魅力的な業界となるでしょう。
そうなれば、様々な業種の若い才能を惹きつけ、彼らが全く新しいモノを創り出し、伝統工芸の裾野を広げていってくれる。
そんな未来を描いています。
パリコレはそのための一つの足がかりであり、大きな一歩でもあります。
パリコレに向けて、素晴らしいコレクション(サンプル製品)を創ることはもちろん、その魅力と価値を伝えるプロモーションにも全力で取り組んでいきます。
それでも、海外で売れるという保証はありません。
関心を持ってもらえたとしても、製品が流通するまでには少し時間がかかることも十分考えられます。
ですが、こうした新しい試みにチャレンジしていかなければ、日本の伝統工芸は衰退の一途をたどり、その素晴らしい技術も失われてしまうかもしれない。それこそが、最大のリスクではないでしょうか。
あなたも一緒に伝統工芸を守ってもらえませんか?一緒に新しい日本の伝統工芸の未来を創ってもらえませんか?
どうか、皆様のご支援で、このプロジェクトにチャンスをください。
よろしくお願いいたします。
リターンについて
下記のリターン品については、日本国内の発送に限ります。(海外への発送には対応していません。)
・西陣織帯生地 YAKAI カメリア・コサージュ
・西陣織帯生地 YAKAI 帽子 バケットタイプ
・漆アクセサリー WABI-SABI
※フライヤーで紹介していた西陣織伝統柄のバケットハットは、海外で展開することになりました。
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