
Shield72°はオーガニックアロマ100% 、厳選したハーブのエキスを生かし、国産無農薬栽培ローズマリー蒸留水(ローズマリー葉水:基剤)を主成分としたナチュラルスキンケアです。
科・化学が発展してアロマの香りを真似た合成香料をつくることができるようになったものの、合成香料はそのすべてをコピーしているというわけではありません。
精油の成分は数百種ともいえる有機化合物の組合せで、たとえばユーカリの主成分1.8シネオールが80%入っているとしたら、のこり20%にはさまざまな有機化合物が多数ふくまれ、ユーカリの芳香を構成しています。
合成香料の場合、1.8シネオールに似たような香りをつくることはできますが、のこり20%の成分はカットされています。精油の正体は植物のスピリッツ(精神・霊魂のようなもの)と信じている私としては、全体的統合的にハーブに親しみホリスティックな関係性を築いていきたいという方向性・芳香性にズレが起きてしまいます。
合成香料を使用しない、自然なアロマの香りだけをつかったスキンケア製品の開発を目指した理由にはそんな思いもありました。
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アロマの起源は、薫香などの歴史からはじまったのではないかな、と思っています。
香りよい植物を燃やす香焚きの起源は古く、3500年まえの古代バビロニア文化には薫香料についての広い知識があったと考えられています。
また世界最古の詩文といわれているギルガメシュ叙事詩では杉(シダーウッド)が称えられています。
没薬、乳香、ガルバナム(オオウイキョウ属)、菖蒲、銀梅花(マートル)、糸杉(サイプレス)など、古代文明の儀式や宗教的儀式に使用されてきた薫香料はたくさんあります。
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森への畏怖があったころの祖先の世界を少し想像してみます。
ちょうどよい洞窟を探して、火をおこし、香りよい植物の枝をくべる。
炎をとり囲むように腰かけ、この世界や夜空に輝く星、神(神性)について語りあう。
植物の香煙が周囲にたちこめ、この世界を超越する体験へと精神が解放されてゆく。
肉体からの解放は大元への回帰でもあり、瞬時に現実といわれる世界にあるすべてのものとの深い結びつき、神聖な感情を得る。
境界線にかかるカーテンは、植物の香煙によって開帳されると知り、次世代へと口承されていった。
みたいなことが、体験として積み上げられていったのではないのかな、と。
時間と空間、肉体を超えるような意識の広がりは、ほんの数秒でも体験してしまうと否が応でもすべてとのつながりを知って(思い出して?)しまうものだから、結果森羅万象を敬うキモチが、精神のなかに通奏低音のように流れていったのではないかと。
そうして植物の燃える匂いと溶けあうことで、特定の神と特定の植物を結びつける神話や物語が生まれていったのかもしれません。
千夜一夜物語に綴られる夢の世界との架け橋
インドやチベットに伝承される霊的秘儀
ネイティブ・アメリカンの香の伝統
すべては香煙によって呼び起こされ、内的世界に結びついてゆくことから始まります。
日本の香文化は森羅万象に対する敬意と、その存在への喜びが表現されたものだと思っています。
繊細な感性をもつ民族らしい伝統的儀式が受け継がれ、儀式としてのプロセスをおごそかに踏むことで、精神が研ぎ澄まされ、かすかな気配にも心がひらいてゆくのだろうな、と。
儀式によって場が(次元が?)変化するのは、香道に限らずあらゆる側面で活用できる古人の智慧だと思います。
たとえば現代の家庭のなかでも、雑音を遠ざけ、湿度と温度、風の通り道をちょうどよく調整し、大きな布を広げてその上に薫香のためのお道具を並べる。
そんな簡単な儀式を踏みながら、植物の香煙を空間に解き放つと、みえない緞帳のような境界線が香煙によって浮き彫りにされ、ベータ波によってくりひろげられる日常劇場は、そっと閉じられてゆくように感じています。




