はじめまして
このたびは数多くあるプロジェクトの中から、このプロジェクトを見つけていただきありがとうございます。
皆さん、はじめまして。「紙に月」という写真に残すように文に残すサービスを運営している屈橋毬花(クチハシマリカ)です。
まずは自己紹介とともに、サービス「紙に月」の原点についてお話しさせてください。
書くことで自分のアイデンティティを保っていた過去
愛媛生まれ鹿児島育ち北海道在住。気づいたら、ふるさとがあちこちに生まれ「住めば都、行っても都」を特技にたくましく生きています。
小さい頃から書くことが好きで、嫌なことも楽しいことも小説や詩にして昇華してきました。幼い頃はただただ頭の中を書くことが好きで発散させていただけでしたが、その行為に意義を見出し始めたのは20歳になったときでした。
高校時代、一卵性三つ子として生まれた私は、母からある告白を受けました。
「あなたたちは生まれていなかったかもしれないんだよ」
染色体異常の可能性があり、一年生きられるかどうか分からないと医者に言われたことで、産むべきか産まないべきか葛藤した時期もあったそうです。
そのときはじめて、自分が健康に生きていることが当たり前ではないと生への重みを感じました。
自分の生きた証を残したい。
生まれる前の母の記憶を残す目的で、進学を機に離れてしまった母に電話で話を聞きながら、noteを使ってエッセイを書き始めました。
一年の余命宣告から抜け出すまでを書き上げたときは、誰一人欠けず、三つ子として生きられていることに幸せを感じました。
でも、手放しに喜べない自分もいました。
当時、三つ子という強烈なアイデンティティに苦しんでいたからです。
どこに行っても「三つ子」。三つ子という印象はあっても「私」という存在は薄いと感じていました。それから、周りからの評価に惑わされず、純粋に自分のやりたいことに取り組み、結果を出していく二人にも劣等感を感じていました。「こんなことなら一人っ子がよかった」と思ってしまう自分も大嫌いでした。
そこから脱したくて、20歳の節目に三つ子である自分と向き合うことを決めました。考えるだけではまとまらないし、人に直接話す勇気もなかったので、エッセイを書いた勢いでそのまま書き続けました。
三つ子というアイデンティティに対する苦しさと二人への劣等感を乗り越えたくて、頭の中で吐いていた弱音も自分への毒も全部言葉にして、正直な自分の感情と向き合いました。書いて吐き出して、自分の一つひとつの感情を認めていきました。
書いて読んでを繰り返していくうちに、自分の心が明らかに整理されていくのを感じました。書けば書くほど、心に溜まっていた毒ガスは吐き出されていく。次第に自分の気持ちを否定せずに「そうだったよね」と受け入れられるようになりました。そして、不思議なことに何のとりえもなく平凡で曖昧な存在価値しか感じていなかった自分に希望を見出しはじめました。少しずつ前を向けるようになったんです。
でも、「残したい」「整理したい」から始まったエッセイは、私自身を救うだけではありませんでした。
エッセイを読んだ人から「気持ちを代弁してくれてありがとう」「私も頑張ろうって思えたよ」と思ってもみなかった感想が届きました。
たくさんの言葉を受け取るうちに、自分の弱さと向き合う過程も、誰かの力になれることを知りました。
ただ書くのが好きだった私が、書くことで自分だけでなく、同じように弱さと向き合う人々を救いたいと思うようになりました。のちにライターとして活動を始め、その夢はより現実味を帯びて叶えたい気持ちが強くなりました。
運営しているサービス「紙に月」はここが原点だったように思います。
人は記憶を忘れてしまうから。
不完全な脳みそに抗うために生まれたサービス、「紙に月」。
私たちの脳は時間の経過とともにたくさんの記憶を忘れていきます。自分の意思に関係なく、記憶は形を変えてしまう。
その事実を知ったのが大学生のときでした。
覚えていたい思い出も、ただ覚えておくだけでは自分の気持ちに関係なく形を変えてしまうし、手のひらから砂が零れ落ちるように忘れていってしまう。
バッチリ覚えていると自信のある記憶たちも、もれなくその可能性を秘めている。
認知心理学の講義で突きつけられた現実にショックを受け、そんな不完全にも思える脳みそに抗いたくなりました。
事実は事実のままに、新鮮なままに残していたい。
忘れたくない。
私にとって自分の覚えていたい記憶を残すための手段が、書くことでした。
書いて記憶を残すことで、気持ちを整理するこの体験を、多くの人に味わってほしい。たとえ自分で書けなかったとしても、ライターとしての自分のスキルを組み合わせることで、語る言葉に耳を傾け、想いを汲み取り、文にして届けることができるのではないか。
そんな想いから、「紙に月」は生まれました。
あるけど見えない。あるけど見せない。そんな記憶や感情を、紙にパタパタとインクを落とすように少しずつ見えていくものを一緒に整理していきたい。少しずつ自分の気持ちに月明かりのような優しく淡い光が差しますように。
そんな想いを「紙に月」という名前には込めました。
写真に残すように文に残す。
より鮮明にその記憶と想いの輪郭を残していく。
撮りためた写真でアルバムを作るように、あなたの大切な思い出を残し、あなたを称え、あなたの背中を押してくれる本を一緒に作ります。
「紙に月」を必要としている方に届くように。
オムニバスブックを作りたい。
そして、この「紙に月」はより多くの方々の記憶を残す力になれるよう、2025年6月9日にリニューアルしてリリース予定です。
大切な記憶を抱えている、整理したい記憶がある方をすくいたい。
「紙に月」では、依頼してくださった方にフォーカスして、その人だけのオリジナルの本を作っています。
たくさん刷って発信することもできますが、一冊だけ刷ってクローズドに楽しめるのも魅力の一つです。
しかし、そうするとサービスを必要としている方に知っていただく機会が少ないという課題がありました。
今回のクラウドファンディングでは、より多くの人にサービスを知っていただくため、「紙に月」の代名詞となるようなオムニバスブックを作りたいと考えました。
作った本を多くの方に届けながら、記憶と想いをすくう「紙に月」の意義を形にしたいのです。
語り手募集。参加型プロジェクトについて
これは「紙に月」を通して、皆さん自身が抱える弱さを強さに変える本を皆さんと作るプロジェクトです。
忘れたくないこと、乗り越えてきたこと、これから乗り越えようとしていること。
そんな、語りたい想いがある方を7名募集します。実際に「紙に月」を利用してもらいながら、7人の記憶と想いを書き綴ったオムニバスブックを作ります。
本のタイトルは、「弱いから泣きます。強いから生きます。」
何者でもないと感じるあなたの記憶も想いも、代わりのいない価値あるもので、人も心を動かせるドラマです。
皆さん一人ひとりが持っている、これまで乗り越えてきたこと、あるいはこれから乗り越えようとしていること、認めたくないけど清算したいあなたが抱える弱さに耳を傾け、言葉にして、同じように自身と向き合う皆さんに届けます。
大切にしていきたいと思う記憶を残すきっかけを。
抱えてきた弱さを強さに変えるきっかけを。
自分の弱さが人に勇気を与えると知るきっかけを。
そんなきっかけをこのプロジェクトを通してお届けしたいです。
また、このプロジェクトでは、一緒に作り上げる7人だけでなく、本を手に取り、読んでくれる方のことも称えられることを大事にしています。
人の経験というものはどんな経験もヒントになります。それは成功体験ばかりではありません。不器用に乗り越えた経験も、誰かにとってひらめきを生むきっかけになってくれます。
なにより、一人じゃないと思える。辛い孤独な道のりで仲間を見つけられる。
そんな体験を、一冊の本を介して届ける。
オムニバスブックを手に取ってくれた方にとっても、これまでとこれからにエールを送れるような本を作ってみせます。
皆さんの「語る」ことを私の「書く」ことで繋ぎ、皆さんと「読む」ことでこのプロジェクトは成り立ちます。
語る人も読む人も、自分と向き合うすべての人にエールを。
リターンについて
おすすめのリターンをご紹介します。
限定7人!語らせてプラン
オムニバスブックのお届けに加え、その語り手として制作に参加いただけます。
オンライン(zoom)で2時間のヒアリングをさせていただき、忘れたくない記憶や想いを一緒に文に残します。
2時間のヒアリングに加え、オムニバスブック完成後、1時間のエンドヒアリングで語って本にしたことでの変化を言語化します。
本文内には、文章だけでなく、お名前(ニックネーム可)と肩書きを記載いたします。
紙に月のサービスをお試し体験できるお得なプランです。
※ヒアリングのスケジュールは後日メールにてご相談させていただきます。
〈リターン〉
・感謝を込めたお礼メッセージ 1通
・オムニバスブック『弱いから泣きます。強いから生きます。』 1冊
・オムニバスブックの制作:語り手参加権 1枠
楽しませてプラン
オムニバスブックに加え、オリジナル栞をお届けします。『弱いから泣きます。強いから生きます。』を全力で楽しめるプランです。
〈リターン〉
・感謝を込めたお礼メッセージ 1通
・オムニバスブック『弱いから泣きます。強いから生きます。』 1冊
・オリジナル栞 1枚
呟かせてプラン
オムニバスブックでは、語り手の文章だけでなく、みんなが吐露した弱さをまとめた特集ページ「乗り越えたいわたしの弱さ」も制作する予定です。本のお届けに加え、乗り越えたいあなたの弱さを掲載します。本にすることで、抱えてきた弱さを強さに変えるきっかけをお届けします。あなたの吐露が誰かに勇気を与えます。
抱えているコンプレックス、うまくいかない学校や仕事、生活のこと、人間関係のこと、自分の性格のこと、子育てのこと、パートナーシップのこと、エトセトラ。あなたが抱えるモヤモヤ、認めたくないけど清算したいことをこの本を通して乗り越えていきましょう。
※掲載させていただくにあたって、後日記入フォームをメールにてお送りいたします。
〈リターン〉
・感謝を込めたお礼メッセージ 1通
・オムニバスブック『弱いから泣きます。強いから生きます。』 1冊
・オムニバスブック制作:乗り越えたいわたしの弱さ掲載権 1枠
作らせてプラン
オムニバスブックのお届けに加え、2025年6月9日にリニューアルリリース予定の「紙に月」のお得な先行受付ができるプランです。通常価格から10%お得にサービスをお受けできます。あなただけのオリジナルブックを作ります。
※「紙に月」の流れ
①ファーストヒアリング(サービス内容の再共有と本制作の目的確認)
②ヒアリング(MAX8時間)
③執筆(ヒアリング全終了から1カ月半いただきます)
④確認・無制限推敲(原稿を確認いただき修正作業を行います)
⑤印刷会社発注
⑥納品(執筆開始から3か月後)
⑦エンドヒアリング(サービスを受ける前後での変化を整理します)
※本の仕様
サイズ:B6判 あるいは 文庫本サイズ
表紙用紙:マットポスト220K
表紙仕様:表紙1・4のみカラー、2・3は印刷なし
(活字タイトル、基本白地、画像は1枚まで)
本文用紙:書籍90K(ページ数200以上は70K)
本文仕様:モノクロ・両面
※納品部数は一冊になります。
〈リターン〉
・感謝を込めたお礼メッセージ 1通
・オムニバスブック『弱いから泣きます。強いから生きます。』 1冊
・「紙に月」先行受付 1件
仕入れさせてプラン
このオムニバスブックを広げていただける方向けに卸価格でオムニバスブックをお届けします。
5冊か10冊のプランでお選びいただけます。
〈リターン〉
・感謝を込めたお礼メッセージ 1通
・オムニバスブック(卸価格) 5冊 or 10冊
オムニバスブックの仕様と内容
■仕様
B6判、150ページ程度、定価1,500円(予定)
本文モノクロ、表紙マットポストカバーなし
■内容
・7人の乗り越えてきたこと、乗り越えたいことを綴ったメインページ
・乗り越えたいわたしの弱さを集めた特集ページ
資金の使い道とスケジュール
皆さんの応援をオムニバスブック「弱いから泣きます。強いから生きます。」とオリジナル栞の制作費として使わせてただきます。
スケジュール
2025年3月 取材・執筆開始
2025年5月 脱稿・製本
2025年6月 リターン発送開始
応援メッセージ
紙に月を利用していただいた依光さん・ルイコさん、そして、インタビュー協力いただいて物語を書かせていただいた糸と波店主の室屋さんから応援コメントをいただきました。
私たち家族は半年間をかけて8ヶ国世界を旅して、仕事も学校も保育園も一旦全部放り投げて、旅をする。
そんな破天荒な旅の記録を本にしました。
帰国後当初は自分たちで本を制作するつもりでしたが、半年という長い旅時間。思い出がありすぎて、本1冊にまとめるなんてとても無理でした。
気がついたら帰国から1年。自分も子供達もどんどん旅の記憶が薄れていく。このままではダメだ! どうにかしないと!
そんなときにライターのマリカさんの事を思い出して連絡をとり、一緒に制作が始まりました。
住んでいるのが高知と北海道なのでオンラインインタビューを重ねてどんどん事が進んでいく。私たちは思いのまま記憶を辿って思い出を振り返りました。
なんでもAIを使って、かたちにはできる。
でも言葉の温度は機械では伝わらない。
そのときの状況や心境を汲み取ってかたちにしてくれる察知力が彼女の武器。
やりすぎず自然に言葉を紡いでくれる。
思いのまま喋った旅の話をまとめてくれ、ラフ原稿になったときの高揚感。
何度も修正を重ねながらも嫌な顔せず、対応いただき本当に感謝です。
旅の写真や表紙の題字にフリーフォントで彩を添えてくれて、より一層良いものができあがりました。
世界に一つの家族の記録。
【family gypsy】
マリカさんのおかげで一生忘れることのできない大切な宝物ができました。
きっとこれからもたくさんの方の人生のかけがえのない一部を素敵に表現してくれることでしょう!
これからも高知から応援しています!
依光なおと. ルイコ/KENOMIKA. director press/高知県
―――
毬花とは鹿児島のクラフトフェアで展示場所を提供する店の店主と展示作家として出会った。
その際、私のことを物語のエッセンスに加えたという短編『編むすきに』を書いてくれたのだが、あまりにも自分に重なりすぎていて「私そのものだったから感想が無いの。」と彼女に伝えたのを覚えている。
それくらい人が醸し出す空気までも言葉に変えるのが上手い。
それからは彼女のSNSに紐付けされた物語をよく読みにいくようになった。
毬花の連ねる言葉たちは何のひっかかりもなく頭の回路を通り過ぎていく。大きかれ小さかれ誰にでもある頭の中のモヤモヤとしたものを見事、洗い流してくれるようなすっきり感がある。
この『自分の弱さを自分の強さに変えてくれる』言葉たちが今回、オムニバスブックを通じてより多くの人の目に触れ、より多くの人の励ましになることを心から願っています。
そしてこれは年の離れた友人として。
北の大地へ行ってしまったあなたがいつも幸せでありますように。
ケセラセラ
人生はなるようになるよ!
室屋里香/『糸と波』店主/鹿児島県
応援メッセージも募集します!
今回、ご支援いただけた方はもちろん、ご支援に至らなかった方も、少しでも「紙に月が気になる」「頑張ってほしい」と思ってくださった方は、ハッシュタグ「#紙に月応援」をつけてXやInstagramで応援メッセージの投稿をぜひお願いします。
屈橋めが拾い集め、シェアさせていただきます!
少しでも多くの人の大切な記憶と想いをすくっていきたいので、ご協力よろしくお願いいたします!
シェアは主に以下のアカウントから発信予定です。
・X:https://x.com/kuchihashi_work
・Instagram:https://www.instagram.com/kaminitsuki0609/
最後に
最後までプロジェクトについて読んでいただき本当にありがとうございます。
もともとクローズドな「紙に月」の価値を、求めている方へもっと届けられるようオープンな取り組みをしたいと思い生まれたのが、このオムニバスブック制作プロジェクトでした。
価値のない記憶はありません。
崇高な理由がなくとも、フォトアルバムのように大事な記憶を言葉でラッピングして、本にして残してもいいんです。
大切な記憶を抱きしめながら、より自分を抱きしめられるよう、これからも「紙に月」として活動を続けていきます。
自分を称えるトロフィーのような本を一緒に作っていきませんか。
プロジェクト終了後は、オムニバスブック制作だけでなく、直接感謝を伝えられるような発売イベントも計画予定です。
制作過程は、プロジェクトページの活動報告欄やnoteで発信していきます。
これからも応援よろしくお願いいたします!
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