※境界性パーソナリティー障害は、現在、「ボーダーラインパーソナリティ症」という診断名となっていますが、以前の診断名である「境界性パーソナリティー障害」の方が知られているため、ここでは、「境界性パーソナリティー障害」、または、同疾患の英語表記の略称である「BPD」と表記します。


はじめまして。臨床心理士・公認心理師のこぐみです。このプロジェクトをご覧いただきありがとうございます!
私自身が、身近に境界性パーソナリティー障害の当事者がいる、いわゆる周辺者の一人です。
BPDの症状が強く表れているときには、当事者ともども、とても苦しい思いを何度も経験してきました。
また、臨床心理士として活動する中で、多くの当事者・周辺者の方と接する機会があり、自分と同様に悩む方が多くいることを知りました。
そして、多くの方が、次のような困りごとを抱えていました。
・ そもそも、どうしたらいいのかわからない、方向性がみえない
・ 回復プログラムを受けられるところがほとんどない
・ 回復プログラムを受けられるところが見つかっても、料金が高額だったり、見通しが持てなかったりして離脱しやすい
そこで、
1. 回復プログラムがあることを伝える
2. 回復プログラムが受けられる場所を作る
3. 回復まで離脱しにくい仕組みを作る
という目的で立ち上げたのが、今回のプロジェクトです。
当事者・周辺者以外の方にとっては、なかなか身近でないテーマかもしれませんが、この機会にご興味をお持ちいただけましたら幸いです。


境界性パーソナリティー障害とは、ジェットコースターのように激しく乱高下する不安定な感情、とくに、コントロールできないほど激しい怒りや不安感が特徴的な精神疾患です。
人に対して、「好き」と「許せないほど大嫌い」と評価が極端になってしまうことから、安定した人間関係を築きにくく、定期的に人間関係をリセットしてしまったり、仕事を突発的にやめてしまったりするため、社会的にも孤独になりやすい傾向があります。
感情が爆発してしまったときのエネルギーはとても大きく、自分を傷つける行為、相手に対する暴言や暴力といった自己破壊的、攻撃的な行動に繋がりやすいことから、警察や裁判所が介入するような事態にまで発展してしまうことも少なくありません。
|当事者本人も周辺者も、どちらも苦しんでいる
上記のような激しい感情の爆発の後、多くの当事者は自分を深く責めます。それがまた大きなストレスとなり、ストレスをごまかすために、過食(多くはセットで嘔吐も)、お酒や薬を大量に飲んでしまう、恋愛関係への依存といった別の問題へ発展していくことも多いため、問題がどんどん複雑になっていきます。
同時に、当事者のパートナーや親しい友人、家族などの周辺者も、当事者の言動に振り回され疲弊していきます。はじめは何とかして支えたいと思っていても、当事者の問題が複雑になっていけばいくほど、当然、対処も難しくなり、周辺者も心を病んでいったり、ストレスから体調を崩してしまうことも。
|実は身近な境界性パーソナリティー障害
境界性パーソナリティー障害は、人口の1~2%ほど存在するといわれていますが、診断が難しいことも多く、実際はもっと多いともいわれています。精神科クリニックなどの患者に絞れば、その数はさらに多く、外来患者の約10%、入院患者の約15~25%が境界性パーソナリティー障害だというデータもあります。
日本の学校の平均的な全校生徒数で考えると、だいたい学年に2名かそれ以上は、BPDの当事者がいるという計算になります。さらに、その周囲にいる家族、友人、パートナーといった周辺者の数を含めると、問題に関わる人はさらに多くなり、学校、職場、SNS上など、実は、私たちの日常のさまざまなところに存在しています。
あなたの身の回りにも、思い当たるような人が1人はいるのではないでしょうか。

まず、多くの方に知っていただきたいのが、境界性パーソナリティー障害は、回復できる疾患だということ。
世界中で、回復プログラム(心理療法など)が開発されており、主要なものは、数多くの研究で効果が確認されているだけでなく、数十年の実績があります。

問題の渦中にいて心身ともに疲れ切っている当事者や周辺者の方は、辛い状態が永遠に続くような先の見えない絶望感を抱えておられることがあります。
そんな方々には、回復の手段はあるということをお伝えしたいです。
|回復プログラムを受けられる場所がとても少ない
回復の手段はある、しかも複数存在する一方で、日本では、回復プログラムを実施する機関がとても少ないという現状があります。
そのため、変わりたいと願う当事者の方、何とかしてあげたいと思う周辺者の方に出会っても、なかなか具体的な手段をお伝えできないことが多く、心苦しく感じてきました。
それならば、自分でその機関を作ろう!と考えたことが、このプロジェクトの始まりです。
|料金が高額になりやすく、いつ終わるのかもわからない…
問題はその他にもあり、
・ 回復プログラムは、保険診療の適用外となることが多く、経済的な負担が大きい
・ BPDに特化した回復プログラムでない一般的なカウンセリング等は、実施の期間が決まっていないため、見通しが持ちにくい
といった理由から、何らかの治療に繫がったとしても、回復までの道のりは、とても厳しいといえます。
とくに、回復プログラムの料金については、週に1回のプログラムの場合、平均的な料金が1回につき1万円〜1万5千円程度であることを考えると、月に4万円〜6万円ほどの経済的負担となり、1年間と期間が決まっていたとしても、総額で48万円〜72万円と、かなりの負担となることが分かると思います。
境界性パーソナリティー障害の方は、突発的に仕事をやめてしまうことがあると上で述べましたが、経済的にも安定していない方が少なくないため、治療を受けたくても現実的に難しいという話を多く聞きました。

そこで、利用する方の経済的負担をできるだけ小さく、決まった期間の回復プログラムが提供できないか考えたところ、障害福祉サービス事業所として回復プログラムを提供するというアイデアが生まれました。
障害福祉サービスとは、国が提供する障害等がある方へのサポートや訓練のサービスのこと。
利用の手続きには、役所を通した申請が必要なため、手間はかかるものの、生活保護受給世帯や非課税世帯であれば、利用料は0円、それ以外の世帯であっても、利用料の9割が国や自治体により負担され、利用者の負担は1割となり、1日の利用料が1万円だった場合、実際の負担額は千円となります。

|社会的な居場所づくりにも取り組む
障害福祉サービスには、介護サービスや子ども向けの発達支援、身体機能に問題がある方へのリハビリなど、さまざまな種類があります。
今回、私たちのプロジェクトでは、境界性パーソナリティー障害の方へ回復プログラムを提供しながら、就職や復職のサポートも行いたいという思いから、就労移行支援というサービスの種類で開業することにしました。
心の安定を図りつつ、経済的な安定も目指すことで、より回復の効果を高めるねらいです。
回復プログラムの中では、当事者の方が人間関係の中で起こったことを積極的に話していくことで、自分の心の中で何が起こったのかを理解していきます。就職や復職を目指す活動で起こったことや感じたことを、回復プログラムにも活かして、それぞれがよい方向へ向かうようにサポートしていきたいと考えています。

私たちのプロジェクトでは、メンタライゼーション・ベースド・トリートメント(メンタライゼーションに基づく療法/ MBT)という回復プログラムを実施します。
メンタライゼーションとは、自分の行動や感情の裏には何があるのか、また他人の言動の裏にはどんな気持ちや意図があるのかを想像することを指します。
境界性パーソナリティー障害の方は、このメンタライゼーションが不安定になってしまうことがあり、相手を疑ってショックを受けたり、自分には価値がないと感じてしまったりします。
メンタライゼーション・ベースド・トリートメントでは、このメンタライゼーションの能力を安定して使えるようになることを目指します。
|終わりの見える回復プログラム
メンタライゼーション・ベースド・トリートメントは、1990年代にイギリスで開発され、以降、20年以上に渡り、欧米を中心に世界中で効果が確かめられています。
また、目標を明確にして、モチベーションを保つために、1年間の決まった期間でプログラムが実施されます。
効果がでにくい方も中にはおられますが、欧米の研究では、プログラム実施後、約60~65%がBPDの診断基準を満たさなくなり、その後の長期的な追跡調査でも、その状態が維持されていることがわかりました。

今回のプロジェクトでは、障害福祉サービスのルールに則り、1年間のサービス利用ののち、最長で2年間までサービスの利用を延長することができます。
ここまで読んでくださったBPD当事者のあなた、私たちと一緒に、回復の第一歩を踏み出してみませんか?

今回のプロジェクトでは、神奈川県相模原市に事業所を開所します。開所日は、現在相模原市の審査中のため、確定ではありませんが、2025年12月1日を予定しています。
回復プログラムであるメンタライゼーション・ベースド・トリートメントを実施できる心理士が、日本ではまだまだ少ないことから(十数名程度…?)、対面での実施のほか、日本各地の心理士がオンラインで実施する方法も検討しています。
このようなオンラインでのプログラム実施や、障害福祉サービスでメンタルヘルスケアを提供することについて、開所を検討していたさまざまな自治体からは難色を示されてしまいましたが、相模原市が唯一、前向きに検討してくださいました。
相模原市の担当課の皆さまには、心より感謝しております。

そして、ここまで読んでくださったすべての皆さまに感謝いたします。ありがとうございます。
ご支援いただいた支援金は、おもに設備費として、物件の取得費用や、内装工事費、備品の購入費に充てさせていただきます。
【費用の内訳】
・ 物件取得にかかわる費用…70万円
・ 内装工事費…60万円
・ 備品(机、椅子、キャビネットなど)購入費…70万円
それ以上の金額については、追加の備品の購入、利用者の方向け貸し出し書籍の購入、プロジェクトを周知するための広報費用、人件費などに活用させていただきます。
ご興味、ご関心をお持ちいただけましたら、ご支援をいただけますと大変嬉しく思います。

本プロジェクトは、All-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、リターンをお届けします。
また、 本プロジェクトは、CAMPFIRE for Social Goodでの掲載となり、支援者の方から支援時に、別途ご協力費(12%+税)を頂戴いたします。
リターンは次の通りです。
⋆ 【お礼のメッセージ】&【ホームページへのお名前掲載】…3,000円/ 5,000円
⋆ 【漫画「ようきなやつら」をお届けします!】…5,000円/ 10,000円
⋆ 【スポンサー】&【臨床心理士等とのご相談】…100,000円/ 500,000円

|“必要としている人に、必要な心のケアを”届けたい。
今回のプロジェクトは、境界性パーソナリティー障害の方を対象としたものですが、日本には、他にもさまざまな心の問題を抱えた方がおられます。
今回のプロジェクトが成功し、専門的な回復プログラムなどを公的な福祉の仕組みで提供できる実績が作れたら、今後、より多くの方へ心のケアが届けられるようになるかもしれません。
精神疾患がある方、心の問題を抱える方が、もっと身近に、継続的に心のケアを受けられるようにしたい。この思いで、私たちはこれからも進んでいきます。
その最初の一歩として、応援いただけましたら嬉しく思います。
最新の活動報告
もっと見る【お知らせ】開所日の延期について
2025/12/15 19:29皆さまこんばんは。「境界性パーソナリティー障害(BPD)の方へ専門的な回復プログラムを提供したい」プロジェクト代表者のこぐみです。当プロジェクトでは、当初、事業所の開設予定日を【2025年12月1日】と記載しておりました。しかしながら、相模原市への許認可についての相談を行う中で、基準を満たしていない指摘があり、開所が予定よりも遅れております。応援、ご支援くださった皆さまにおかれましては、ご報告が遅くなり、申し訳ございませんでした。問題には直面しておりますが、もちろん、このプロジェクトを諦めたわけではありません。さまざまな方からの有形無形のサポートがあり、少しずつ、前に進んでおります。また皆さまへよいご報告ができますよう、邁進してまいります。開所日の具体的な見通しが立ちましたら、こちらでご報告させていただきます。年の瀬が迫り、寒い日も続いております。皆さまお体にご留意の上、どうぞよいお年をお迎えください。プロジェクト代表者こぐみ もっと見る
たくさんのご支援ありがとうございました!!
2025/10/31 20:22ご支援くださった皆さま、ご覧いただいている皆さまこんばんは。プロジェクト代表者のこぐみです。まずは、ご支援くださった皆さまへお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。心より感謝いたします。こちらのプロジェクトは、本日、23時59分で終了します。目標金額は、残念ながら達成できませんでしたが(まだ「もしかしたら」があるかもしれませんが…!)、あらためて、応援してくださる方が多くいてくださることが実感でき、また、新たなご縁をいただくことのできた充実したプロジェクトであったと感じています。また、クラウドファンディングとしてのプロジェクトは終了しますが、私たちの事業は、まだ始まったばかりです。クラウドファンディングの終了とともに、新たなスタートに向けて、少しずつ準備を進めています。こちらの「活動報告」にて、プロジェクト終了後も発信ができるようですので、活動の進捗につきましては、活動報告でお知らせしてまいります。お気に入り登録をしていただけますと、活動報告の通知が届くようです。こちらも合わせてご確認いただけますと幸いです。今後とも、見守り、ときに応援いただけましたら、大変嬉しく思います。あらためまして、ご支援くださった皆さまへ、心からの感謝を申し上げますとともに、皆さまと、皆さまの周りの大切な方々の幸せと安らぎをお祈りいたします。皆さま、本当にありがとうございました。こぐみ もっと見る【残り4日❢】プロジェクト拡散のご協力をお願いいたします。
2025/10/27 20:18ご支援くださった皆さま、ご覧いただいている皆さまこんばんは。プロジェクト代表者のこぐみです。まずは、ご支援くださった皆さまへお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。心より感謝いたします。目標の達成までは、なかなか遠いところですが、初めてクラウドファンディングという取り組みを行ってみて、様々な新たな学びがありました。「もっと○○しておけばよかった」という失敗からの学びがほとんどですが…これはやってみなければ分からなかったことだと感じます。皆さまからいただいたご支援はもちろん、今回得られた経験を、これからの事業の立ち上げや運営にしっかりと活かしていきたいと思います!さて、こちらのプロジェクトは、今週の金曜日(10月31日23時)で終了となります。最後まで気を抜かず、また、今後の活動に思いを向けながら、ひとつのマイルストーンとしてのクラウドファンディングを終えたいと思います。もしよろしければ、ご支援やプロジェクトの応援、拡散など、最後にご協力いただけますと大変嬉しいです。寒かったり天気が不安定だったりと体調を崩しやすい気候が続いています。皆さまどうぞご自愛くださいませ。こぐみ もっと見る








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