はじめまして、監督・浮辺奈生子です。

みなさん、はじめまして。映画監督の浮辺奈生子と申します。今回はプロジェクトページをご覧いただき、ありがとうございます。
突然ですが、皆さんは「日本昔ばなし」をご覧になったことはありますでしょうか?私はこの番組が大好きで、毎週欠かさず見ていました。ホンワカしたお話もたくさんありましたが、皆さん、時折「得も言われぬ恐怖感」を感じたことはありませんでしたか?私はしばしばその恐怖感で眠れぬ夜を過ごしたことを今でもよく記憶しています。
その恐怖の正体は何なのか。
それは人の強い強い想い・念・恨み。私はそのように解釈し、その世界観を作品で表現をする映画監督となりました。
「人間が見たくないけれど、本当は見たいもの。」
「自分の中にあることを認めたくないけれども、心のどこかで存在していることを認めてしまっている念や恨みの気持ち。」
ストーリー重視ではなく、それらを「観る」という視点で描いた作品がこの『BONJI INFINITY』という映画です。この一見とっつきにくい作品を一緒に愛し、育ててくださる方に出会い、そして映画制作~上映のために応援していただきたく、今回クラウドファンディングに挑戦をすることにいたしました。
最初の作品は映画監督ではなく、写真家・浮辺奈生子の作品でした。
2020年、世界はパンデミックに包まれました。それまで私は写真家として活動していたのですが、コロナ禍の混沌とした時間を過ごしているうちに「映画を撮ってみたい」とふと思い立ち、作品作りに没頭しました。ただ、映画を作ることに関しては全くの素人。いざ制作を始めるとわからないことだらけで、手探りのままクランクアップ、そして編集へと進んでいきました。今から考えると本当に無鉄砲で、映画監督とは言えない、写真家・浮辺奈生子の作品だったな、とも思います。その時に生まれたのが今回の作品の前作となる短編映画「梵字 BONJI」でした。
しかしそんな自分の手応えとは裏腹に、出来上がった作品は世界からも評価を受け、2023年モナコ国際映画祭で2つの賞をいただくこととなったのです。
その時の作品はこちらです。ぜひご覧ください。
2023モナコ国際映画祭
・Best Art House賞 受賞
・Best Sound Edit賞 受賞
「梵字 BONJI」
馴染み深い耳なし芳一をベースとしたストーリーと、確かな脚本・キャスト・スタッフに恵まれ、支えれている「BONJI」
そして前作の完結編として制作しているのが今回の作品、『BONJI INFINITY』です。
簡単なストーリーは下記の通りとなります。日本の皆さんには馴染みのある「耳なし芳一」がベースとなっている物語となっています。
盲目の琵琶奏者・芳一は、音楽を通じて霊を成仏させる力を持つ。
しかしある日、彼をあざ笑う落武者の亡霊たちが現れる。
芳一は彼らの魂を鎮めるため、琵琶を奏でながら戦いに挑むが、その果てに待つものは…。
※本作は、古典怪談「耳なし芳一」を再解釈し、神秘的な世界観を持つ映像美と融合させた作品です。

今回の作品作りに関して、とても大切にしたいポイントが「脚本・キャスト・スタッフ」のキャスティングでした。実績もあり、そして信頼できるみなさんにご快諾いただいたことで、作品のある一定のクオリティが確実なものとなったと確信しています。
脚本・音楽
監督・浮辺奈生子と、NHK 大河ドラマの芸能考証を務める友吉鶴心との共同執筆。
音楽
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』のメインテーマに参加した世界的太鼓ソリストの林英哲が、薩摩琵琶奏者・鶴田錦史に師事した友吉鶴心と共に音楽を制作。
俳優
• 芳一役:阿佐辰美(NHK 大河ドラマ『光る君へ』出演)
• 平家亡霊役:大駱駝艦(世界に知られる前衛舞踏カンパニーの草分け)
• 和尚役:西川千雅(日本舞踊・西川流四世家元)
• 弟子役:大門嵩(俳優・映画監督)
• 女人役:中野春風(女優)
コンセプト・心よりも「目に残る作品」とは何か?作品を通して伝えたいメッセージとは何か?
コンセプト

浴びるように降ってくる情報や、流れていく映像を垣間見ている毎日。便利な世の中になっていくと共に、想像する時間を持たずに時が過ぎていきます。聴覚や視覚に刺激を受けても、想像する時間を与えないものが心地よいのかもしれません。ヒューマンな物語の映画では、主人公を自分に置き換え、悲しみや幸福を感じとり、起こり得る話しに同調できます。
でも私は自分に置き換えられる出来事ではなく、ある意味現実逃避でき、そして想像力を高めることができる世界を映画にしたいと思っていました。
日本ならではの神社仏閣の景色や四季折々の景色、日本にしか無い昔話や民話、日本の伝承されてきた文化。何かを感じとるには、画面から与えられるものをできるだけシンプルにしなくてはいけないと考えました。
無声映画にし、言葉が必要な時は字幕。
目で追うものは最低限に。
「目に残る映画」をキーワードに、現代に相反する映画を制作。会津若松と名古屋の10 箇所違い神社仏閣をロケーションに選び、日本の素晴らしさを映像に刻んでいます。
音楽は、太鼓ソリストとして国際的に有名な林英哲さんと琵琶奏者の友吉鶴心さんにお願いすることができました。

日本昔ばなしから得た教訓と、日本の文化を作品を通して伝えたい
日本昔ばなしから得た教訓
冒頭にも記しましたが、子どものころよく日本昔ばなしをテレビでみていました。私にとっては大人の世界がわかる教科書のようでした。良い事をすれば信じられないような良い事が起こり、悪い事をすれば必ず良くない出来事が起こってくる。欲とか徳を考えると、良い人でも悪い人になってしまう恐ろしさ。人に悪いことをすると、霊となり災いとなりやってくる恐ろしさ。人の恐ろしさについても日本の昔話から感じとって、自分の教訓となっているように思います。
日本にしかない、私にしか表現できない映像を残していくしかない
西川流の家元のお宅に嫁いでからは、日本の文化に日常的に接するようになりました。お着物から始まり、しきたり、お作法には沢山の決まり事がありますし、日本舞踊をはじめとする伝統芸能は、形を変えながら古典を大切にして何百年も継承しています。日本の建築物にしても伝統工芸にしても、決して他の国にある物ではなく、習得しようとしても安易にできる物ではありません。私は日本人であることに感謝していますし、日本の文化を継承するために努力している全てのジャンルの人達をリスペクトしています。
非力な私に何ができるのか。写真家・映像作家・映画監督として、日本にしかない、私にしか表現できない映像を残していくしかないという結論に至りました。映像に残す事によって、日本の良さや日本人のモラルについて、海外の方から日本を評価され、それにより日本人が再認識してもらえれば、私は万々歳!それを目標に、海外の映画祭にチャレンジすることを決めて制作をすすめています。

撮影・制作スケジュールについて
2024 年12 月、会津若松フィルムコミッションの協力のもと、神社仏閣を中心に撮影を実施。
しかし悪天候の影響で80%の撮影にとどまり、残る20%は2025 年4 月に名古屋近郊での撮影を予定
しています。
制作スケジュール
時期 内容
2024 年12 月 津若松にて撮影(80%完了)
2025 年4 月 名古屋近郊で追加撮影
2025 年6〜8 月 編集・音楽制作
2025 年9 月 作品完成・世界の映画祭へ出品
2025 年10 月以降 試写会・広報活動
2026 年 3 月以降 映画祭結果発表・一般公開へ
【リターンのご紹介】たくさんの方に関わっていただきたいという想いを込めて
本作は、日本文化を映像美として表現することに重点を置き、ロケーション選定に半年を費やしました。撮影地は約10カ所に及び、制作費は総額1,500 万円を見込んでいます。
主なリターンのご紹介
1.エンドロールにお名前/ロゴを掲載いたします
2.作品が観られる限定URLをお送りいたします。
3.試写会・トークショーへご参加いただけます。
4.さまざまな体験プログラムにご参加いただけます。
5.オリジナルグッズをお届けいたします。
※手ぬぐいのデザイン
※Tシャツのデザインとサイズ(カラーはブラックのみ)












この作品を完成させ、世界の映画祭へ出品するためのご支援をよろしくお願いいたします。
応援メッセージ
映画監督・演出家 堤幸彦さん(撮影:michiharu)
『梵字∞』まさに「唯一無二」で、一切、比較や比喩の必要のない作品になるであろう。常に「大衆に拝跪」する作品作りを旨とする我々には作ることのできない、本気で国境を超える映像作品であろう。素晴らしいことだ!世界の喝采がみえる。この映画に拝跪せよ!
俳優・篠井英介さん
奈生子さん!写真家にして、デザイナー。家元夫人にしてプロデューサー。いつも驚嘆していたら、そして今度は映画監督!!その作品は心の深淵を覗くような大胆かつ美麗。さあ次作、長編作品がどのように感性の翼を広げるか。楽しみでなりません!
スマイルズ代表・遠山正道さん
梵字
日本の自然の中で浸る原初的な怖れ。身体が装置として反応し交感する。内と外、個と全体、私と私以外。
その世界が、今の我々とつながっている。
予算と資金用途について
予算はおよそ1500万円となっております。
皆様からのご支援は、以下の用途で大切に活用させていただきます。
| 項目 | 予算 |
撮影費(福島・名古屋近郊) |
700 万円 |
| ポストプロダクション(編集・音楽・VFX) | 300 万円 |
キャスト・スタッフ人件費 |
300 万円 |
上映・宣伝費(映画祭エントリー・広告制作・PR) |
100 万円 |
クラウドファンディング運営費(リターン制作・手数料) |
100 万円 |
さいごに
映画作品としては3作目になりますが、ビジネス向きではない、ある意味実験的であり、それでいて人間の本質に迫るようなアートフィルムとなる予定です。いわゆるメジャーだったり、感動的な作品だったり、そういった作品を期待したている方には中々選ばれないような映画になるわけです。日本ではあまりお目にかからないようなタイプの映画かもしれません。
「BONJI INFINITY」は、現代とは相反する真逆な体質の映画、目に残る映画、人によって全く解釈が変わってしまう映画だと思います。繰り返しますが、この作品はとても実験的な映画であり、日本映画ではビジネスの対象外となる映画です。日本の配給対象となる映画ではないだけに、皆様のご理解とご協力を頂き、国際的に評価を受けられるよう海外の映画祭に出品する予定です。
この作品が皆様の手によって日の目を浴びれるよう、是非ともお力添えをよろしくお願いいたします。
浮辺奈生子
profile
愛知県に生まれる。椙山女学園高等学校卒業。昭和63年、すいどーばた美術学院を経て、平成元年、桑沢デザイン研究所入学。平成2年写真家・早崎治(故人・元APA 会長)のハヤサキスタジオにてアシスタント。平成3年桑沢デザイン研究所卒業後、名古屋にて「浮辺奈生子写真事務所」としてフリーで活動。主に雑誌のインタビュー(唐沢寿明、永瀬正敏、哀川翔など)コンサート(ブルーハーツ、LUNA-SEA など)のほかイメージ写真等を撮る。平成6年日本舞踊家・西川千雅(西川流四世家元)と結婚。日本舞踊の舞台写真を撮り始める。平成7年堀内フォトサロンにて初個展、11 月に東京増上寺地下ホールにて写真展。以降、「名古屋をどり」(中日劇場~御園座)広告写真・舞台写真、アートディレクションを毎年手がけるほか、渡辺えり、「赤坂をどり」、オペラ、コンサートなどの舞台写真を中心に活動している。2009 年名古屋開府400 年祭『戦国だんす絵巻SHIRO』宣伝写真。2018 写真作品と合わせて映像作品を制作するようになる。
映像作品
2020 BOYSANDMEN 本田剛文「If」
2021 きみのあした♪プロジェクト(名古屋市文化振興事業団× 愛知芸術文化協会)
2021 豊田市国際紙フォーラムオープニング映像
2021 第73 回名古屋をどり「西川右近の一生」
2022 Chitose Tsuchiya by Naoko Ukibe
2022 名古屋をどりNEO「名古屋心中」
2022 より毎年開催の「名古屋をどりNEO 傾奇者」企画、映像監督
2022 名古屋市・やっとかめ文化祭「永久の滝」映像作成。
2023 アジア大会閉会式の愛知県パフォーマンス演出。
2023 名古屋をどりNEO「名古屋からくり事件簿」。
2023 初監督のショートムービー「梵字」
モナコ国際映画祭にてThe Best Arthouse 賞と The Best Sound Edit 賞を受賞。
2024 あいち国際女性映画祭 コンペティション 優秀7作品に選出
2024 おいしい映画祭 優秀賞(上位5作品)観客賞受賞

最新の活動報告
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和樂webに浮辺監督の記事が載っています。
2025/05/29 12:27和樂webに浮辺奈生子監督のインタビューが掲載されています。本人の即席、この作品を作ることになった背景、新作に対する思いなどが詳しく綴られています。記事リンク↓和樂web 覗き見ずにはいられない「日本の怪談」が世界を震わせた。モナコ国際映画祭W受賞『梵字 BONJI』制作秘話 もっと見る
撮影が終了しました。
2025/04/13 18:412025年4月9,10日名古屋市守山区 大森寺名古屋市千種区 覚王山日泰寺大府市 寶龍山 延命寺にて最後の撮影が行われました。写真は最後のカット、日泰寺の代表ほか僧侶24人での読経。荘厳な場面になりました。会津若松から愛知県へ・・・宗派を超えて多くの寺院にご協力いただきました。 もっと見る





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