ただ、ただ、その思いだけでプロジェクトをスタート
NPO法人「蜘蛛の糸」は、平成14年に主に中小企業経営者・多重債務者の相談業務を行い社会復帰を支援することを目的に設立されました。これまでに自殺率全国ワーストである秋田県で自殺予防活動を推進してきました。
対面・電話・LINE等での相談業務を軸に、地域の関係団体との連携強化や相談業務に従事する人材育成等に取り組み、秋田県の自殺率を、ピーク時から60%以上減少することができました。特に秋田県では、自殺予防に取り組む民間団体を中心に、大学や行政、報道機関が連携した活動が「民・学・官・報連携モデル」と呼ばれ、全国的にも注目を集めています。
「民・学・官・報」連携の様々な取組みにより、これまで長い間、自殺率全国ワーストだった秋田県において、近年はワーストを脱却するなど、成果が表れ始めています。
その一方で、近年、全国的にも39歳以下の若者の自殺者数が増加しています。
令和6年度に自殺した人は全体で過去最少の水準となった一方で、児童・生徒の自殺者数は、これまでで最も多くなりました。
また、若い世代の死因の第1位が自殺であるという調査結果もあり、これは先進国(G7)の中では日本のみとなっています。
秋田県でも同様の傾向がみられ、早急な対応が求められています。
当法人では、コロナ禍の令和3年度より、無料通信アプリ「LINE」を用いた相談事業を実施しています。
LINE相談の導入により、若い世代の相談者が増加し、それに対応する相談員の養成と、LINE・電話・対面それぞれの相談方法の連携等、ようやく体制が整いつつあります。
それでも、現状、若者の自殺者数の増加を食い止めるには至っておらず、様々な悩みや生きづらさを抱える若者を支えるための、さらなる取り組みが求められています。
そこで、4月から5カ年計画で、若者の自殺を減らすための「若者の生きる支援プロジェクト」をスタートさせます。未だ効果的な施策が見つかっていない現状の中、これまでのノウハウを活かしつつ、新たに調査を行い若者に必要な支援について知見を深め、5年間のプロジェクト終了時には、秋田県内の若者の自殺者数を実施前の半分に減少させたいと考えています。
具体的には、次のような取組みを行います。
・若者を支援する様々な団体と連携し、若者支援プロジェクトチームを設立
・若者が抱える問題、必要としている支援の調査、検証
・相談支援者の育成とサポート体制の構築
・WebサイトやSNSを活用した情報発信、相談窓口や支援の認知度向上
・若者に特化した相談窓口の設置、各支援窓口との連携強化
今回、クラウドファンディングを利用して、
若い世代の人たちに相談機関の存在を知ってもらうための普及啓発と、若者の生きる支援プロジェクトの応援団を募るためのPR活動を行いたいと考えています。
相談者に占める若者の割合は決して多くなく、相談窓口の存在を知らない人、相談機関への相談に抵抗感を持つ人も一定数いると想定しています。
対面でなくても電話やLINEを使った相談窓口もあること、相談窓口がどんなものであるかという情報を発信すること等で、これまでつながることのできなかった若者とつながることができればと願っています。
また、悩んでいる当事者だけでなく、その周囲の人に相談窓口の存在や生きる支援プロジェクトへの関心を持ってもらうことも、自殺予防につながります。
地域全体で若者の生きる支援に取り組むこの活動へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
このプロジェクトで実施したいこと
若者が相談窓口の存在を知り、アクセスできるようにするには、「伝えること」がまず必要です。
ラジオ、SNS、イベント、そしてLINE。若者に届くチャンネルを最大限に活用して、ひとりでも多くの「つながるきっかけ」をつくります。
〇エフエム秋田(ラジオ)での「若者の生きる支援プロジェクト」啓発
・プロジェクトCMの放送
・生放送番組での出演告知
若い世代の方に向けて、秋田県内の相談窓口をお知らせすること、相談することへのハードルを下げるための情報提供を行います。
また、並行して、一般の方に向けて、このプロジェクトについてのPRと、無理のないレベルでのプロジェクトへの参画を呼びかけたいと考えています。
〇「若者の生きる支援」交流会の実施
自殺予防対策に取り組むNPO法人・蜘蛛の糸は設立以来、民間の相談窓口として、秋田大や行政と連携した「秋田モデル」と呼ばれる取り組みを進め、秋田県内の自殺者減少に貢献してきました。2006年5月には「自殺対策の法案化を求める3万人署名」を行い、翌月の6月に、自殺対策基本法が制定されました。自殺対策を民・学・官で考えるフォーラムを開催するなど、さまざまな活動を行っています。現在は若者向けの対策に本腰を入れており、LINEを通じて相談を受け付けている。画像を押すと、LINE追加のページへとリンクします。悩んでいることがあったら、まずはLINEから相談してみてください。
2002年、経営難や多重債務に悩む中小企業経営者の相談を受けるためNPO法人蜘蛛の糸を設立
秋田県ゆとり生活創造センター遊学舎の一室をお借りしての談業務からスタートしました。
2002年、秋田県のNPO活動拠点遊学舎の一室を借りての相談業務の様子
~当時は「個人の問題」とされていた自殺を「社会の問題」に~
自殺対策基本法の施行に向けての活動に参加しました。
2005年5月30日、参議院厚生労働委員での意見陳述に参加(ライフリンク提供)
~民間主導型の民・学・官・報連携の自殺対策「秋田モデル」の構築~
秋田県内で自殺予防活動を行う民間団体で構成する「秋田・こころのネットワーク」を設立しました。
2006年12月1日、自殺予防活動団体が連携し秋田・こころのネットワークを設立
第一生命保険会社様と厚生労働大臣から保健文化賞を受賞
2023年、長年の自殺予防活動が 評価され、第一生命保険株式会社様と厚生労働大臣から保健文化賞を受賞
佐藤久男理事長プロフィール
1943年 | 秋田県森吉町(現在の北秋田市)に生まれる。(10月20日生) |
1963年 | 大館鳳鳴高校卒業。秋田県職員となる。主に福祉関係の仕事を行う。 |
1969年 | 会社経営の夢を持ち県職員退職。不動産鑑定事務所専務。鑑定評価事業を行う。 |
1977年 | 社長になる夢を持ち独立。株式会社不動産情報センターを設立する。 |
1979年 | 福祉と介護用品の専門店、株式会社かんきょう設立。その後、株式会社不動産鑑定センター、株式会社設計企画1級建築事務所を設立し経営にあたる。 |
2000年 10月 |
株式会社不動産情報センター倒産。会社資産、個人資産の全てを失う。 |
2002年 6月 |
知人の経営者が自殺したのを契機に、中小企業者とその家族を支援するNPO法人蜘蛛の糸を設立し、倒産に伴う中小企業経営者とその家族の自殺予防活動を行う。 |
2010年 9月 |
秋田県医師会「保健功労章」受賞 |
2011年 | 蜘蛛の糸の活動から9年目にして、秋田県の自営業者の自殺者数が52%減少。10年目に半分以下にする目標を9年目で達成した。東日本大震災の被災地(岩手県釜石市)での相談を行ったほか、被災者支援「生きる希望と勇気」のプロジェクトを立ち上げ、県内避難者(1600名程度)への心のケアと物資の支援を行う。 |
お返しの品やサービスのおすすめポイント
当団体ではリターンを通して、ご支援いただいた皆さまに、いのちについて考えるきっかけやメンタルヘルスの重要性をお伝えしたいと考えました。また、当団体の若者の生きる支援プロジェクトへの何らかの関わりを持っていただけたらと願っています。そこで、次のようなリターンをお送りすることにしました。
・若者の生きる支援プロジェクト賛助会員への登録(ご支援いただいた方全て)
同プロジェクト賛助会員にご登録させていただき、ホームページ等に支援者としてお名前を掲載させていただきます。また、同プロジェクトに関わるイベント等のご案内をお送りします。
・秋田魁新報の聞き書き連載「時代を語る」佐藤久男編(5,000円以上ご支援頂いた方)
令和6年11月23日から秋田魁新報の聞き書き連載「時代を語る」に掲載された、当団体の理事長、佐藤久男編を一部加筆・修正した製本をご提供します。
スケジュール
5月 プロジェクトスタート
7月 プロジェクト終了
10月 リターン発送
「自殺予防活動」と言うと、資格を持った専門家等が行っているイメージがあるかもしれませんが、若者が抱える大小さまざまな問題に対する支援活動のほか、普段の生活の中で元気がない人に声をかけるだけでも自殺予防につながります。自殺対策とは、生きる支援であり、誰もが生きやすい地域づくりです。
私たちがつくりたいのは、「相談してもいい」と思える社会です。
声にならない叫びに、耳をすませて。
秋田から、若者の“生きたい”に、もう一度火を灯しましょう。
どうか、あなたの一歩を、ここから。
是非、ご支援をお願いいたします!
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