2018/08/06 01:08

 

大舘実佐子

 

1996年東京生まれ。2018年4月現在、東京藝術大学大学院美術研究科先端藝術表現専攻に在籍。舞台演出を主とし、企画・運営等も行う。東京学生演劇祭で演出作品『今夜、あなたが眠れるように』が大賞を受賞。演劇の制作・上演をする団体「Freiheit Project(フライハイトプロジェクト)」の演出と、オリジナルミュージカルの制作・上演をする団体「one TO kyo」の代表を務める。

 

カワグチマミ

 

1995年東京都生まれ。幼少期から舞台に立つ。バイトAKB(時給1000円のアルバイト契約でAKB48の一員として活動するメンバー)として活動後、慶應ビジネスコンテスト(KBC)で優勝。シリコンバレーでの研修の機会を得る。2015年より、AEDの認知向上に取り組む『使おう♡AEDプロジェクト』の活動をスタート。AEDの活動がきっかけでプロデューサーを志す。クリエイター集団one TO kyo所属。

 

——本日はone TO kyoの演出 大舘実佐子さんとプロデューサー カワグチマミさんの対談です!よろしくお願いします——

大舘実佐子(以下:大舘)、カワグチマミ(以下:カワグチ):

よろしくお願いします〜

 

——では早速ですが、お二人の関係について聞かせてください。出会ってどれくらいになりますか?——

 

大舘:短くはないよね。

カワグチ:そうだね〜10代のころからの付き合いだから、かれこれ7年くらいになるかな?笑

大舘:思ってたより長い!もうそんな経つか〜

カワグチ:出会った頃は高校生だったって考えると、本当にあっという間だね。

 

——大舘さんが演出、カワグチさんがプロデュースという形で舞台を作るのは2回目になりますね?——

 

大舘:はい。one TO kyoを立ち上げたきっかけも、実はマミさんとの出会いがあったからで、高校時代からずっと、一緒に企画して何かやりたいって話をしてて。マミさんが大学を卒業する前に、絶対有言実行したかったんだよね。それが前回公演の『歩け歩け夜の街、道』だった。

(旗揚げ公演オーディション後の写真)

カワグチ:そうだったね。去年の12月に音楽劇を上演して、800人ものお客さんが観に来てくださいました。それで舞台の打ち上げのとき、ちょっとずつ、一回一回観に来てくれるお客さんが増えていくような舞台を作ったら、私たちの夢が叶うねって話したんです。だから今回は1000人のお客様に観に来ていただけるように、一同頑張っています。

 

——1000人、すごいです。前回よりも規模が一回り大きくなった感じがします!さて、今回の舞台のテーマは「王道ミュージカル」ですよね。——

 

大舘:はい。one TO kyoメンバーでの企画会議のときに、前回とは打って変わったようなコンセプトで作品が作りたいね!と。笑

 

カワグチ:色んなアイデアが出る中で、最終的に、私たちの「王道」をつくろう!ってなりました。

大舘:今稽古してる真っ只中だけど、「王道!?!?」ってなりますよ。笑 いい意味で、想像超えてきます。笑わない日はない。脚本のラギちゃん(島川柊)も言ってたけど、「軌道外れちゃった系ギリギリ王道ミュージカル」です。笑

カワグチ:新しい王道が生まれる瞬間を是非みにきていただきたいですね!

 

——なるほど。少し話はそれるのですが、お二人が最近インスピレーションを受けたミュージカルについて聞かせていただきたいです!——

 

大舘:『Finding Neverland』かな。シアターオーブでやっていたブロードウェイミュージカル作品。(インタビュアーの話を聞いて)え、徳丸も同じの挙げてました?笑 

うーん、あとは『パレード』も良かった!笑

それぞれ全然テイストは違うんだけど、『Finding Neverland』は曲と演出がとにかく好きだった。伝わるかわからないけど、やろうと思えばどんな絵も舞台上に起こせるんだな、って。演出家の想像力とそれを実現させる技術力に感服した。『パレード』は、シンプルに、芝居が良かった。もちろん曲も、それから、物語の絶望感も良かったです。

 

カワグチ:なるほどね。私はおーちゃん(大舘の愛称)と行ったNYブロードウェイで観た『Charlie and the Chocolate Factory』かな。世界観の作り込みが印象的だった。

 

大舘:よかったよね〜!

カワグチ:私たち、ミュージカルがすごく好きで。去年の夏にミュージカル研修を自分たちでコーディネートして、NYに行ってきたんです。

大舘:ミュージカルを作るにあたって、やはり一度は本場のミュージカルを見ておくべきだと思って。5日くらいしか滞在しなかったのに、詰めに詰め込んで10本くらい見ました。笑

カワグチ:でも本当にいい経験だったね。私はプロデュース面で学んだことも多くて、作品と客層のこととか、グッズのこととか、色々考えるきっかけにもなりました。

 

大舘:また行きたいね!

 

カワグチ:是非行きましょう!

 

——なるほど。そんなお二人が作る、王道ミュージカル。どんなお気持ちで取り組んでいるのか教えてください——

 

大舘:今回の企画では「王道ミュージカル」って銘打っているけど、結局はどんな形になっても、自分自身が「これが私の王道」って言い切れればいいと思うんです。私は、見に来てくれた人たちがこの作品から溢れるエネルギーみたいなものをガンガン感じて、反応がいただけたらそれが一番だな、と。芝居面に関しては、「面白い」「楽しい」「笑える」とか、とにかくポジティブなパワーを全開に出していきたいです。まあ、それだけじゃないんだけど!

 

カワグチ:なるほどね。私は、今回の舞台は役者も、スタッフも何もかも本当に最高だから、早くお客さんに観てもらいたいって思ってるの。王道ミュージカルでダンスナンバーも歌も多いから、観ていてキラキラした気持ちになってもらえたらいいな。

 

大舘:そうだね。役者さんたちも、本当に面白くて魅力的な人たちが揃っているので、見にきていただいたら絶対に良質なエネルギーがもらえると思います!笑

 

——ありがとうございます。それでは最後に、公演タイトルにちなんで思わず「なんのこれしき」と言ってしまった出来事はありますか——

大舘:言いはしないけどいつも思うかな〜。

悔しい思いした時とか、くじけそうになった時とか、思い通りにいかない時とか。例えば自分への批判や陰口を聞いてしまった時、「まだ話題にしてもらえるだけマシだ!なんのこれしき!」と思うようにしてる。笑

実は、これは以前私を励ます時にマミさんが言ってくれたことなんだけど。その考え方を本当に尊敬していて、すごいなと思う。本人は覚えてる?笑

 

カワグチ:あ〜ら、やだ。恥ずかしい。…覚えてる。笑

私は幼少期から芸能界にいたので、色々言われることが多くて。でも、誰かの話題になるだけましかなって。何も反応されないことが、一番辛いなって思うんですよね。苦笑

だからこそ、話題を作っていけるように頑張ります。

「なんのこれしき」は私も言ったことはないかも。泣き止んだ後に夕日に向かって言いたいですね、今後そう言う機会があれば。笑

 

——わかりました。笑 それでは最後にお二人の夢を教えてください。——

 

大舘:簡潔に。演出家になること。演劇の世界で食べていくこと。

 

カワグチ:私は、エンタメコンテンツのプロデュースをしたい。将来は社長になって、自分の感性で仕事を生み出し続けたいな。

 

——お二人ともお忙しいなか、ありがとうございました!本番、楽しみにしています——