“三位一体”を味わう。アニメ「フェルマーの料理」×「Cassolo」コラボレストラン試食会レポート

大人気アニメ「フェルマーの料理」と東京・新橋のレストラン「Cassolo」が2026年4月~5月にかけてコラボレストランを開催します。
タイトルは「“Gaku” in Cassolo-A Genius in the Kitchen」。「岳がKを卒業して独立、自分の店を開くなら」がコンセプトです。主人公である北田岳や、レストラン「K」のオーナーシェフ朝倉海が作中で作った料理を一流シェフが忠実に再現し、提供してくれます。
今回は「Cassolo」内で実施された試食会に参加してきました。いただいた料理をレポートしながら、このコラボレストランの魅力を紹介します。
・Cassoloとは

若手料理人の飛躍の場を作ることをテーマに掲げた、シェフの独立を支援するレストラン。店名の「Cassolo(カッソーロ)」は、飛行機が着陸・離陸する「滑走路」に由来しています。
料理人が羽ばたくための滑走路。そのスタイルは、料理人として成長していく岳の姿を描いたアニメ「フェルマーの料理」と親和性があります。

監修はフランスでの修行経験があり、現在は自身の店舗を運営する河村神賜氏。
元々「フェルマーの料理」の原作を読んでおり、挫折しても諦めず打開策を探す岳の姿に共感していたそうです。
今回のコラボレストラン開催にあたって、作中に出てきた料理の描写や食べた際のキャラクターのリアクションなどを細かく分析し、再現料理をふるまってくれました。
・実食
今回試食会でいただいたのは、料理・デザート4皿と、オリジナルドリンク4種。
最初は、キャラクターをイメージしたシェフ考案のドリンクが運ばれてきました。

岳をイメージしたデルタブルー

海をイメージしたルミエール・ルージュ
「岳をイメージしたデルタブルー」と「海をイメージしたルミエール・ルージュ」(各税込770円)。

岳のドリンクが爽やかな味わいなのに対して、海のドリンクは甘味が強くどちらも違った美味しさです。見た目もカラフルで味も異なるので、2杯とも注文して比べてみるのも良いですね。

ドリンクを飲み終えるころには、料理が運ばれてきました。
ここでまず印象的だったのが、シルバーの温度まで再現されていたことです。
作中、岳は料理だけでなくフォークの温度にも細心の注意を払い、「熱い」と「温かい」の境目である45度にあたためて提供していました。
コラボレストランでもこのこだわりが忠実に再現。細部まで気を配ったこの演出で、さらに作品への没入感が高まります。

クスクスのタブレ
シルバーを手にして料理への期待がさらに高まったところで、いよいよ1[小野1] 皿目の試食がスタート。
試食会では、一皿で3つの味が楽しめるクスクス料理をいただきました。岳が授賞式でのディナーをかけた勝負で考案したメニューです。
クスクスとは、デュラム小麦を原料とする粒上のパスタのこと。発祥は北アフリカで、世界最小のパスタとも言われている食材です。
コラボレストランでは、「三位一体コース」という名前で、ディナーとして提供されます。
前菜は、魚介と香草がふんだんに使用された「クスクスのタブレ」。
まず、驚いたのはその再現力。作中で海たちはこの料理の香味野菜や柑橘の香りを感じたあと、魚介の旨味が染み出ると話していましたが、本当にその順番通りに味が広がっていきました。
日本人にはあまり馴染みがないクスクスですが、クセがなくとても食べやすかったです。

イタリアのクスクス・トラパネーゼ
1/3食べたところで、店員さんがお皿にスープを注いでくれました。タブレにあたたかいスープが加わることで、2皿目「イタリアのクスクス・トラパネーゼ」の完成です。
エビの殻や真鯛の頭などの魚介で出汁をとったスープと一緒に食べると、香りが一層豊かになりました。
実はクスクスは元々乾いた食感の食材。スープをかけることでほどよく水分がいきわたりますが、河村シェフは「岳なら大事な勝負の一口目から美味しく食べられるよう、工夫するはず」と考えて、タブレ自体をしっとりとした口当たりに仕上げています。
そこへスープをかけても、ほどよい食感がちゃんと残り絶妙なバランスでした。
岳の自由な発想と、一流料理人のこだわりが融合して生まれた逸品です。

スパイスとナッツのトンカツ
トラパネーゼを食べ進めていると、今度は店員さんが「スパイスとナッツのトンカツ」を載せてくれて、3品目へと早変わり。
豚ロースに、ヘーゼルナッツやコリアンシード、クミンシードを使用した衣をまとわせて揚げたトンカツは、サクサクとした食感と華やかなスパイスの香りがたまりません。
噛むほどに旨味が口いっぱいに広がり、味に深みが増していきます。

運ばれてすぐ食べるのももちろん美味しいですが、スープに少し浸してから食べると、衣がスープを吸ってまた違った味わいに。
クスクス、スープ、トンカツが一体となって、まさに“三位一体”の名にふさわしい一皿でした。

紫蘇とうま味出汁のバージンモヒート

クラマトジン
食事のあとで運ばれてきたのは、「紫蘇とうま味出汁のバージンモヒート」と「クラマトジン」(各税込770円)。
バージンモヒートには、昆布とかつおを使ったうま味出汁が使用されており、アミノ酸と糖の化学反応によって香ばしく仕上がっています。
クラマトジンは、イノシン酸が豊富なハマグリエキスと、グアニル酸を含むトマトのうま味が詰まった一杯でした。
どちらも素材同士の相乗効果を舌の上で感じられる仕上がりになっています。
出汁やエキスが使われており、まるでスープのような味わいのドリンクなので、料理と合わせて飲むのも良さそうです。

最後に運ばれてきた「苺のタルト」は、作中でデザートレシピの考案に悩む岳へ海がふるまった特別な一皿。「三位一体コース」を含む全てのコースについてくるスイーツです。
甘くてなめらかなアイスと、オリーブオイルで仕立てられたサクサクのクランブルの異なる食感が楽しめます。
2種類の苺の甘味と酸味、爽やかなレモンが香って食後にぴったりでした。

海が岳に伝えたかったメッセージを考えながら、食べてみてください。

コラボレストランでは、今回ご紹介した料理・デザート、ドリンクメニューに加え、「ナポリタン」や「世界標準の肉じゃが」といった数々の再現メニューを食べることができます。
レストランには、クラウドファンディングの支援者が優先的に予約可能なので、気になる人はぜひこちらのページ(https://camp-fire.jp/projects/839204/view)をチェックしてみてください。

支援プランもさまざまで、中には岳の最初のお客様になれる「プレオープン(初日確約)予約券」(限定30名)や、岳と海を演じた2人の声優さんも来店する「レセプションパーティー参加券」(限定23名)付きなど、作品ファンには見逃せない特典付きのものも。
特にレセプションパーティーは、少人数開催のため距離が近いのが魅力的です。そのほか、アクリルスタンドやランチバッグなど、グッズ付きプランもございます。
ちなみに、各プランの目標金額は数学定理などから設定しております。ぜひどんな数式が使われているのか考えてみてください。
作中の料理が一流の手によって忠実に再現されたこのコラボレストラン。支援プロジェクトに参加して、この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。




