太平洋戦争、戦後80年。ニューギニアの戦争遺跡を記録し、歴史を残す。

太平洋戦争のさなか、日米による戦闘が繰り広げられたニューギニアの戦場に足を運び、現地に残る戦争の爪痕を記録に残す。2025年夏、学生中心の遠征隊がパプアニューギニア、ニューブリテン島の調査に挑みます。

現在の支援総額

186,000

37%

目標金額は500,000円

支援者数

20

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2025/05/25に募集を開始し、 20人の支援により 186,000円の資金を集め、 2025/06/15に募集を終了しました

太平洋戦争、戦後80年。ニューギニアの戦争遺跡を記録し、歴史を残す。

現在の支援総額

186,000

37%達成

終了

目標金額500,000

支援者数20

このプロジェクトは、2025/05/25に募集を開始し、 20人の支援により 186,000円の資金を集め、 2025/06/15に募集を終了しました

太平洋戦争のさなか、日米による戦闘が繰り広げられたニューギニアの戦場に足を運び、現地に残る戦争の爪痕を記録に残す。2025年夏、学生中心の遠征隊がパプアニューギニア、ニューブリテン島の調査に挑みます。

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この計画について

地球最後の秘境ともいわれるパプア・ニューギニア。
しかし、そこではかつて日本と連合国のあいだで死闘が繰り広げられた地であり、
多数の将兵が斃れ、骨を埋めた地でもあります。

今年は戦後80年という節目の年です。

しかし、80年もの月日が経ったからといって戦争の記憶が薄まることはありません。

未だに戦争当時のことを知る方々はご存命であり、戦没者のご家族からすれば、
「自分たちの家族が戦争で二度と帰らぬ人となってしまった」という事実が変わることはありません。
また、未だ祖国へ帰ることが叶っていない戦没者のご遺骨も多数残されております。

その一方、戦争を知らない世代が増えたことに加え、今まで証言に依っていた戦争の記憶の継承を今後どのように続けていくか、如何にして平和について考える機会を次世代に繋いでいくかが課題となっているのも実情です。

そこで、私たちは平和について考える機会を次世代に伝える一つの方法として、かつての戦地に残る兵器の残骸といったいわゆる「戦争遺跡」に着目し、その調査をすることで将来の平和に還元することができるのではないかと考えました。

その舞台として、今回、ビスマルク諸島ニューブリテン島の西部に位置するグロスターを選びました。


はじめまして。

はじめまして、関東学生探検連盟(関探連)会長の小林香一朗です。

大学では探検部というサークルにかつて所属し、これまではスリランカのジャングルに残る古代仏教文明の調査探検やモンゴルでの遊牧民文化調査、国内では房総半島での戦争遺跡の調査に携わってきました。

現在は関探連の会長として大学探検部界隈と関わっています。

私は大学で歴史を専攻し、戦争の歴史や安全保障などの勉強しています。
戦争とその歴史、安全保障について学ぶことは平和を作り出し、それを維持する上で必要な知見です。

今回の探検は、平和のための知見や気づきというものを社会に還元するためであると考えております。
そして、その舞台として私はグロスターという場所を選びました。


グロスターとは

グロスターはニューブリテン島の西部に位置しており、反対側の東部には「ラバウル航空隊」で著名なラバウルがあります。
1943年の12月、現地にはマッカーサー将軍率いるアメリカ軍が上陸し、日本軍と戦火を交わしました。
現在、現地には小さな集落が存在しています。

同じニューブリテン島でもラバウルとグロスターで、その知名度は異なります。
しかし、日本と連合国の将兵が戦火を交え、そこで斃れた方々の血が染み込んでいる土地であるという事実には変わりありません。

その事実、そして、彼らの戦争の記憶が忘却されてしまうことがあってはなりません。
国籍に関係なく、亡くなられた全ての方々に対して哀悼の意を表し、戦争の記憶を平和に還元していくためには、彼らの記憶を残し、伝えてゆく必要があります。

また、現地には未だに戦没者の方々のご遺骨が眠っています。
本来ならば、戦跡の調査よりも一刻も早くご遺骨を帰国させることに力を注ぐべきであると存じます。

しかし、ご遺骨の収集は私たち一介の学生が手を出せるものではありません。
何十年経過しようが故人の御遺体であることに変わりはなく、政権同士の調整と正式な遺骨収集団による活動をもって、初めてご遺骨の帰国が叶うということになっております。

加えて、これまでのご遺骨収集で積み上げてきた信頼と関係性を損なわないためにも、
我々が安易に手を出すことは決してできない分野です。

以上のような背景から、私たちは写真や映像、三次元測量を活用して、現地に残る兵器の残骸や戦いの爪痕、いわゆる「戦争遺跡」の記録も行い、少しでも戦争当時のことを知って、今後の平和に資することができるよう考えた次第であります。

グロスターの戦史概要

なぜここで戦闘が起こったのか。
その理由は、連合国軍にとってグロスターはある作戦上で重要な場所だったからです。

前述のように、グロスターの反対側、ニューブリテン島東部にはラバウルがあります。
大戦初期、日本軍はラバウルに拠点を築き、さらに南のソロモン諸島や東部ニューギニア方面に向けて出撃する一大前進基地としました。
ガダルカナル島を巡る戦いでも、ここから数多くの戦闘機が飛び立ち、連合国軍と激戦を繰り広げました。

連合国軍にとってラバウルの存在は脅威です。そこでマッカーサーは周辺の島々や拠点を占領することでラバウルを孤立させ、日本軍を弱体化させる作戦を実施しました。

この際、グロスターも攻略地点の一つとされました。

その理由はラバウルの孤立に加え、ニューギニア本島との間に存在するダンピール海峡の安全を確保するためでした。

米軍がグロスターに上陸すると、日本軍守備隊はジャングルのなかで持久戦を展開します。

しかし、途中で司令部から撤退命令が下され、日本軍は遥か500㎞以上先のラバウルまで、徒歩で撤退することとなりました。この際、雨季による大雨や疫病、米軍の追撃、物資不足によって数多くの将兵が亡くなりました。


三次元測量とは?

三次元測量というのは、簡単に言うと測量したいものをそっくりそのままデータ化し、あたかも実物が目の前にあるような形で測量するやり方です。

ゆえに、スケッチや写真、動画よりも直感的に対象を理解することができます。

最近は、発掘現場や沈没船調査、道路・建物測量といった現場で使用され、測量機器の進化から、iPhoneでも三次元測量ができます。

https://scaniverse.com/scan/trmdntngnkomrv3n

↑さらにじっくりご覧になりたい方はこちらをクリック

また、スケールなどの数値データもかなり正確に測れることから、学術的にも価値の高い測量を実施できるという利点もあります。


なぜ戦争遺跡なのか?

なぜ戦争遺跡に着目するのか。

それは戦争の記憶を伝える要素の一つであるにも関わらず、これまでなかなか保存・保全がされてこなかった、そしてされにくかったという背景があるからです。

文書や証言、映像、写真など、戦争を物語るものは多種多様ですが、当時の軍事施設や兵器の残骸といったものも戦争当時の記憶と歴史の伝え手です。

↑保存されている戦争遺跡の一例。愛媛県の芸予要塞。

しかし、重要度の高いものではない限り、戦争遺跡はほかよりも保存の優先順位がどうしても低く、なかなかスポットライトが当たってこなかったという背景があります。

加えて、鬱蒼とするジャングルや海の底に残る戦争遺跡は、そもそも保全すること自体が困難であるという事情もあります。

そんな戦争遺跡を後世に残すうえで、三次元測量は一つの希望であると私は考えております。

放っておけば、悪天候や経年劣化によって破壊され、消失してしまう戦争遺跡も、三次元モデルというデータにすることで、そのままの姿を残すことができます。

もちろん、できることなら実物をしっかりと保護・保存することが最適です。
とはいえ、何も手段を講じず、消失の危機に手をこまねいているよりは遥かに良いはずです。

歴史を知るためには記録が不可欠です。
書物、写真、映像、絵画、彫刻、建築物など、その種類は多岐に渡ります。
そして、戦争遺跡もその一つに当たります。

記録は「物」です。しかし、そのすべての背景には「人間」が存在します。
記録という無機物的なものの背後には、人々の営み、彼らが生きた証があるわけです。

戦争遺跡の場合は、そこで戦い、亡くなった方々の記憶が残されています。

歴史資料に残る人物はごく一部です。
しかし、資料に拾われていない人々の生きた証は無数に存在します。
歴史文献1ページの裏には、その時代を生きた数えきれない人たちの人生が隠れているのです。

今回の遠征は、グロスターにおける戦争の記憶へスポットライトを当てることになります。

戦争遺跡を調査することは、現地の戦争の記憶に耳を傾けることになり、戦争の記憶と歴史を知ることは、平和の重要性とその構築・維持を考える上で欠かせないことです。

戦争遺跡は「物言わぬ語り部」として、平和の構築とその維持を考える上で必要なことを語ってくれるはずです。同時に、戦争遺跡に着目することは、戦争に関わった人々の存在に迫ることにもなると考えられます。

加えて、戦争遺跡への関心を高め、戦争と平和について考えるきっかけを作るという意味合いでも、写真や動画よりも視覚インパクトが強い三次元測量を活用することには意義があると感じています。


遠征計画

ニューブリテン遠征隊の活動日程は8月5日~17日で、ポートモレスビーに到着後、ラエまで飛行機で飛び、そこから船でグロスターまで向かいます。

現地では集落に拠点を構えて調査を実施予定です。

そして、帰国後はデータの集計と編さん作業を行い、報告書を刊行する予定であります。


現在の準備状況

日程、行程、現地ガイド等は、協力者の方々のご尽力で概ね準備が整っております。
また、事業を進めるにあたり個人の手弁当などで200万円までの目処は付きました。

ただ、現地ガイド費用や現地交通費、滞在費に関して、大変恐縮ながら一部費用が不足しております。

そこで皆様のお力を貸していただきたい次第であります。

当サイトの文面をご覧いただいたうえで、私たちの活動に共感してくださるならば、
ほんの僅かでもご支援のほどを賜りますようお願い申し上げます。


メンバー紹介

・小林香一朗(立教大学文学部4年、遠征隊隊長)

(活動経歴)
房総半島戦跡調査、哺乳類生息調査、2023年スリランカ密林遺跡調査、2024年モンゴル遊牧民族文化調査


・幸村隆人(法政大学探検部4年)

(活動経歴) 
丹沢縦走、屋久島登山、スリランカ密林遺跡調査、冬季八ヶ岳登山


・木村海翔(上智大学探検部4年)

(活動経歴)
西表島沢登り、南米アマゾン調査


 ・糸山杏実(関西大学探検部3年生)

(活動経歴)
北アルプス、中央アルプス縦走、無人島生活、西表島生態調査、屋久島、熊野古道


・高橋来貴

(活動経歴)
東京~大間崎をバイクで下道走破、ベトナム・ハノイ~ホーチミンを徒歩&鉄道で縦断


最後に

今遠征が今後の日本の平和について考える機会となれば幸いです。

ご支援のほどをどうかよろしくお願いいたします。



支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 人件費

  • ガイド費用、現地交通費、現地滞在費、報告書作成費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

支援に関するよくある質問

ヘルプページを見る

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください

最新の活動報告

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  • 帰国のご報告

    2025/08/18 02:30
    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
  • 遠征出発のご報告

    2025/08/05 11:34
    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

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