明治から平成までの山形県最上地方の木地玩具の写真集を作り、後世に技術と作品を残したい。

伝統工芸として残ってきたこけしや木地玩具を取り巻く環境は、時代を経て大幅に変わってきました。
いつからか子ども達の手には、木で作られていた玩具はプラスチック素材になり、今はオンラインゲームなど、地域から得られる恵や、一つ一つの作り手の温もりが感じられないものになっていました。
例えば、皆さんがご存知の「けん玉」も木地玩具の一つです。さらに工人がその技術や知識を活かし、遊びの心を加えた木地玩具が沢山あります。その希少さから木地玩具自体を見たこともない人も多いことから、こけし愛好者の方々に応援してもらい、そこから私たちの郷土文化を広げていきたいという思いで活動を続けてきました。
この度、製作した写真集は、最上地方の木地玩具をまとめた最初で最後の写真集になると思います。
木地玩具の文化を後世に残し、次の世代に受け継いでもらえるよう、より多くの皆様のお力を貸していただけましたらと思い、クラウドファンディングに挑戦いたします。
松田 高明|民俗写真家、山形民俗編纂室 代表
松田 高明東京で修行後、12年前に故郷の山形県新庄市に戻り独立し、松田スタジオを設立。七五三や結婚式家族写真などを撮影するうちに地域の伝統芸能に触れて興味を持ちました。そして山形県内だけでなく、全国に残されている様々な伝承文化や文化財に光をあて撮影をしています。
◼️ 株式会社 山形民俗編纂室
山形民俗編纂室は山形県を中心に民俗文化に焦点を当て、取材や写真撮影を行い、本の製作などを通じて地域の伝統文化を残していくことを目的とし活動を行っています。写真家の松田高明と編集・執筆・撮影をしている小嶋可那子が共同で2021年に設立。小嶋は新庄市に16年居住し、伝承野菜をはじめ地域の暮らしや伝統文化に精通。現在は山形市に拠点を移し活動を続けています。
私が生まれ育った山形県最上地方は良質な木材の産地として林業が盛んでした。そこには肘折温泉や瀬見温泉、及位温泉など、多くの湯治場があり湯治客で賑わっていました。
奥山運七や佐藤周助らがいた肘折温泉
庄司永吉がいた瀬見温泉湯治場にはこけし工人がいてこけしを作る傍ら、子どもが遊ぶ玩具も作っていました。こけし工人の技術とアイディアが込められ作られた木地玩具は種類が豊富で、今もなお私たちを楽しませてくれます。

しかし、現在最上地方には肘折系の鈴木征一氏と鳴子系の小林繁男氏のみとなっており、後継者もいない状況です。
この写真集は明治から平成までの最上地方にゆかりのある木地玩具を約540点掲載します。木地玩具とは一般的に木地師がろくろを使用し作る木の玩具のことをいい、通常ですとこけしも含まれますが、今回の写真集ではこけしを除きました。
鈴木征一氏、小林繁男氏をはじめとし、最上地方の蒐集家のみならず全国の蒐集家にご協力いただき撮影を行うことが出来ました。そのため資料としても、とても価値があるものになります。
そして木地玩具の質感を大切にしたいとの思いから、印刷や装丁にもこだわりました。

この写真集は全国のこけし愛好家、蒐集家にもぜひ見ていただきたい!そして、記録として残し、最上地方の素晴らしい木地玩具を未来に残すお手伝いをお願いしたいと思っています。このクラウドファンディングへの挑戦は、日本全国のそういった方々と出会いの場でもあると考えています。
そしてまた、地元である最上地方に住む人々に見てもらい、自分が住んでいる地元にはこのような素晴らしいものがあるということを地元の人にも広げてもらいたいと願っています。
東北の自然が育んだ技術や作品が無くなりそうな現在、後世に伝えたいと思い写真集を作製します!
今回の写真集の特別付録として最上地方に在住しているお二人の工人さんに特別な木地玩具を数量限定で製作していただきました。
◼️ 鈴木征一(肘折こけし工人)


まず肘折系の鈴木征一さん。奧山庫治の弟子で肘折温泉在住のこけし工人です。全国こけしコンクールで最高賞や内閣総理大臣賞を受賞しています。
◼️ 小林繁男(鳴子こけし工人)


お二人目は鳴子系の小林繁男さんです。師匠は三浦光美でこけしだけではなく精巧な木地玩具を得意としており、鈴木征一さん同様、内閣総理大臣賞を受賞しています。
◼️ 吉野敏充デザイン事務所
弊社パンフレットなどをお願いしている山形県新庄市のデザイン事務所です。山形の工芸品や食品のデザイン、フリーペーパーの編集、マルシェの運営など幅広く活躍しています。
◼️ 博進堂印刷
弊社で製作している学校卒業アルバムを一手に担っていただいている印刷会社です。アートブックや写真集も数多く手がけています。
目標金額と実施スケジュール
【目標金額】300万
【資金使途】モガミの木地玩具の製作費(編集費、用紙代、印刷・製本代、デザイン代など)
【実施行程】
・2024年10月〜2025年4月:写真集のための取材、撮影
・2025年7下旬頃:クラウドファンディング終了
・2025年8月頃:写真集、製本開始
・2025年12月(予定):リターンのお届け開始
この写真集が最上地方の木地玩具をまとめた最初で最後の写真集になると思っています。
皆様から応援していただくことによって「木地玩具の文化を伝え、みんなで守ろう!」という呼びかけの一つとなり、未来に誇れる文化を残したいと思っています。
木地玩具の文化を後世に残し、次の世代に受け継いでもらえるよう、より多くの皆様のお力を貸していただけましたら幸いです。


















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